【感想・ネタバレ】かわりに嘘のレビュー

あらすじ

大学生の夏目は、実際に起きたら嫌なことを逐一スマホにメモする極度の心配性。リマインダーには700件の心配事が登録されており、彼女の統計によれば、そのリストの7割は現実になる。
祖母の死によって住む場所を失った夏目に手を差し伸べたのは、親戚から数々の怪しい噂を流されてもはや正体不明の存在となっている東京のおば、宇曽川ひかりだった。

東京・錦C町にある宇曽川の自宅は、かつて眼科医院だった。そこには、宇曽川曰く「開けたら別の世界に繋がる」という緑色の「開かずの扉」があり、夜な夜な正体不明の足音がしたりWiFiが激重になったりする。無責任な親戚から、「死体が隠してあったりして」と言われたひと言が次第に頭から離れなくなる夏目。
宇曽川は夏目の問いかけを常に煙に巻くような嘘で受け流すが、バイト先で出会った幼馴染の南海や、生意気な小学生・千理との交流を通じ、夏目は街に伝わる晴れ男の伝説と、ひかりの過去が繋がっているのではと疑い始める。

果たして、開かずの扉の向こうに隠されているのは「死体」か、それとも――。心配事が尽きない夏目と、嘘つきのおばが織りなす、少し不思議でかなりユーモラスな日常を唯一無二の筆致で描く、第69回メフィスト賞受賞のデビュー作。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

メフィスト賞受賞作らしい。面白かった!

祖母が亡くなり、私は住むところがなくなった。宇曽川のおばさんがうちに来る?と訊いてくれて一緒に住むことになった。サンドイッチ屋さんでバイトを始めた。小学校の時の同窓生の南海と一緒だ。
サンドイッチ屋さんでなぜだか心配相談を始めさせられる。それと宇曽川邸には開けてはいけない扉がある。宇曽川によると異世界に通じているとか。

南海が開かずの扉を開けてくれるというので連れてきたが鍵がかかっている。焼き茄子を作っていると、開かずの扉を開けているオッサンがいた。謎の先住者だった。

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2026年08月06日

Posted by ブクログ

日々の現実と虚構の狭間を垣間見るような楽しくも奇妙な小説、キュートで愛らしい世界観にどっぷり

■あらすじ
同居していた祖母を亡くした大学生の夏目は、遺産相続にともない、住み慣れた家を追い出されることになった。途方に暮れていると彼女に声をかけてくれたのは、東京に住む親戚の宇曽川。自宅に一緒に住むことを提案された。

ただ宇曽川が言うには、コンタクトレンズの幽霊が出るとか、開けたら別の場所に繋がるドアがあったりと、にわかには信じがたい奇妙な話ばかり。しかし実際に夜になるとwifiが繋がりにくくなったり、作ったはずの氷がなくなったりと不思議なことが起こり…

■きっと読みたくなるレビュー
日々の現実と虚構の狭間を垣間見るような、楽しく奇妙な小説ですね。ミステリーっぽさはあるけど分類としてはエンタメかな、文章表現や世界観はキュートで愛らしく、純文っぽさもあります。

まずおもろいのは主人公夏目の性格、異常な心配性で気になることはすぐにスマホにメモをする。電車が止まって待ち合わせに遅れるかもしれない、修学旅行に雨が降るかもしれない、買ったばかりの財布を落とすかもしれない。

そのリストは700を超えるって、どんだけ心配性なんだと。そんな彼女の変化のある日常の描写が丁寧で、漠然とした不安定な感情がじわじわと伝わってくるんすよ。

さらに興味深いのは交友関係。おばの宇曽川をはじめ、幼馴染の南海やバイト先の客など変な奴らばかり。さして重要でもない会話なんだけど、不思議な温度感と間合いに惹かれちゃって、ショート動画のごとく読み続けちゃう。プロット運びと会話劇のセンスが抜群だと思いました

物語の展開としても独特の仕掛けがあって、これまたオリジナル性を感じましたね~ 特に「心配 0円」のエピソードは、このキャラクターならではの切り込み方だし、これを基に物語を広げていくところが面白すぎ。あと「開けてはいけないドア」の真相もナニソレ感がすごかったなー。幻想的なのか現実的なのかよくわからなくなるんすよね。

でも本作の素晴らしいところは、物語を読み進めていくうち、彼女たちと一緒に過ごしてみたいと思わせてくれるとこなんです! この錦C町のサンドウィッチ屋さんに行って、夏目が働いてる姿をちょっと覗いてみたくなるんすよ。たぶんこれからも心配性は治らないと思うんだけど、この街で過ごす彼女は幸せなんだと思いました。

■ぜっさん推しポイント
心配性も甚だしいなーと思いつつも、私も実は不安症なんです。ちょっと夏目の気持ちがわかる。「心配事の9割は起こらない」って本を読んだこともあるし、マインドは理解できるんだけど、結局根っこの性格は変わらないのよね。

心配や不安ってネガティブな感情ではある。だけどそんな性格であっても、当人が幸せかどうかが肝心だったりするんすよ。どんなことも自分次第、気分次第。本書の可愛らしい表紙を見ながら、前向きに生きたいなーって思いました。

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2026年08月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『開かずの扉』というあらすじからきな臭い雰囲気を感じたが、表紙がゆるふわなので絶対私が好きな奴やんと思って拝読。
案の定、悪くない。文体とリズムがコミカルで地に足が着いてないのが非常に愉快でありがたい

座談会を読んでおくとなお面白く、選評のとおり小ネタが多いです。
あと例を多く挙げる癖もあります。ハムスターの特徴を表現する時にライトな文体の中あれほど突き詰める人は珍しいと思います。その中でクリティカルな一節がでるのもまた一興。

構造としては序盤はコツメがおばと出会い、錦C町に行く。そして出会いと謎に対して進展を繰り返すストーリーなんですが、謎が弱いような気がしてワクワク感がなかった。

愉快だな、楽しいなとは思うんですけど結末は正直あぁこの調子ど終わりに行くのかぁ、という気分になる。
ただ登場人物は最高に狂ってて好き。文体や登場人物、テンポは凄い良いと思います。結末のアイデアさえあれば化けるって感じなんです

あ、あと不安障害に悩む人に共感してもらえるんじゃないかとも思います。その共感性も凄くいいと思いました

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2026年07月30日

Posted by ブクログ

本作はメフィスト賞受賞作で、祖母が亡くなり
住む家が亡くなってしまった大学生の夏目と
遠い親戚で、親戚中から変人扱いを受けてる
宇曽川の家に居候させてもらう所から物語が
始まる。
宇曽川の家には、ある秘密を持っている。
開かずの部屋があり、中に死体が隠されていると、根も葉も無い嘘なのか、それとも事実なのか。
ユーモア溢れる登場人物や、読んで思わずニヤけてしまう会話劇にも注目な作品です。 

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2026年07月30日

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