あらすじ
いい学校→いい仕事=いい人生なのか?
学校でも親からも「将来の計画を立てよう」「そのために努力しよう」と言われるけど、そうしないと本当にだめなのだろうか? 人生はプロジェクトなのだろうか? 〝自分を生きる〞練習を始めよう。
学校では「計画を立てよう」「そのために努力しよう」と言われるけど、これって誰のためなのでしょう? ちゃんとしないと後悔するのは自分!? 人生はプロジェクトではありません。どんな仕事があるのかよく知らないのに、将来のため、と予測をして、大学選びをするなんて、おかしな話です。人生を逆算して先取りしておけば、将来に対する不安は無くなる、のでしょうか? 人生は一直線に進むものではありません。途中で迷ったり、違和感を無視できなくて進路を変更したり、分からなくて立ち止まったり、考え方が変わったりすることもあります。答えを求めるのではなく、今の自分を信じて一歩踏み出してみよう。
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【目次】
第一章 前提を疑う――キャリア教育とは何か
第二章 動機を疑う――「人生計画」「招待設計」「進路選択」がもたらすもの
第三章 能力観を疑う――不安と蜜月な「能力」
第四章 生き方を疑う――途上の自分をどう信じるか?
第五章 自分に戻る――「見せる安心」から「感じる安心」へ
終章 持ち帰る――「感じる安心」を耕すレッスン帳
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Posted by ブクログ
『人生は逆算できるのか』(勅使川原真衣)は、「目標を決め、そこから逆算して努力すれば人生はうまくいく」という、現代社会で当たり前になっている考え方を根本から問い直す一冊です。
本書の面白いポイントは、「人生を計画通りに進めること=正しい」という価値観そのものを疑っている点。キャリアプラン、目標設定、自己分析など、私たちは未来の理想像を決め、現在からそこまでの道筋を描くことを求められます。しかし実際の人生には、予想外の出会いや失敗、環境の変化など、自分ではコントロールできない出来事が数多く存在します。それなのに計画通りに進まなければ、「努力不足」「自己管理不足」と自分を責めてしまう。その構造に著者は疑問を投げかけます。
特に興味深いのは、逆算思考そのものを否定するのではなく、逆算が有効な問題と、逆算できない問題を分けて考える視点です。仕事のプロジェクトならゴールから逆算できても、「どんな人生が幸せか」は途中で変わって当然。むしろ偶然や寄り道によって、自分でも想像していなかった選択肢が生まれることがあります。
だからこそ大切なのは、完璧な人生設計図を作ることではなく、その時々の状況や自分の変化に応じて選択し直すこと。本書を読むと、「5年後、10年後の目標を明確にしなければ」という焦りから少し距離を置けます。
人生を“達成すべきプロジェクト”として見るのではなく、予測できない出来事と関わりながらつくっていくものとして捉え直す。目標達成や成長を重視してきた人ほど、一度立ち止まって考えさせられる一冊です。