【感想・ネタバレ】オービタル ―ある一日の16回の夜明け―のレビュー

あらすじ

ここから見る地球は、希望に満ちた色があふれている――
詩的な文体で綴られた、宇宙からの地球観測体験記。ハヤカワ・プラス第二弾!

地球軌道上にある国際宇宙ステーションで6人の飛行士たちが任務にあたっている。地上から届いた母の死の報せに悲しむ日本人飛行士。壊れかけた結婚に向き合うもう一人の飛行士。母なる大地から離れていても、彼らの人生は続いていく。2024年ブッカー賞受賞作

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

宇宙から見た地球の美しさを描き切ろうとする文章がすばらしかった。基本的にはリアリズム。ストーリーらしいストーリーはない。しかし、6人の宇宙飛行士の人種、国境を越える協働と、国境なき地球の姿とを重ねて、何かを訴えているように思えた。ヴァージニア・ウルフ『波』という先行業績を考えても、宇宙小説として独自の領域を切り開いたと思う。

0
2026年09月10日

Posted by ブクログ

26年5月に創刊されたハヤカワプラスから、第二回目の配本となった作品。
眼下を猛スピードで過ぎ去る地球の景色と、宇宙で業務を続けながら生活を模索する飛行士たちとの対比。地球から切り離された感覚と、地球を内包する宇宙との一体感を何度も重ねる中で、静かに進み動く彼らの心。
著者が目指したという’スペースパストラル’(宇宙の田園詩)以外に、たしかに表現する言葉が見つからない新しさ。

0
2026年08月10日

Posted by ブクログ

最初はすごく面白い、初めてやあこんな小説!と思って読み進んでいたが、中盤くらいからやや気持ちがダレてしまった。
とは言え、地球の1日24時間の間に地球の周りを16周廻る宇宙船での話はとても斬新だった。美しく詩的な言葉、6人の宇宙飛行士たちの心の動き、過酷な毎日の中での楽しみや哀しみ、果てしない宇宙。
そして何よりも生命が蠢く奇跡の地球の描写に、心を打ち抜かれる。
地球の外から見た地球は、国境も人種も欲望も見当たらない。ただ、雲と空と空気と風と陸地と海があるだけ。なぜ人はそれなのに争うのだろう。
人類の欲がこの地球の資源を枯渇させていってることが辛い。

0
2026年09月25日

Posted by ブクログ

散文的な文章 時々ハッとさせられる言葉
狭いロケットの中に6人が閉じ込められているし、数百人に見張られているはずなのに、人間関係のごちゃごちゃとか恋愛話とかないのが逆に俗っぽくなくて素敵
孤独なのに孤独でない
羊水の中の胎児のように各個人の内省的な話が続く
時々出てくる地球の描写が美しい

0
2026年08月17日

Posted by ブクログ

1日の間に地球を16周する宇宙ステーションに乗っている6人の乗組員たちの1日を、宇宙ステーションから見える地球の姿とともに1周ずつ描いていく作品

乗組員たちの内面世界と宇宙から俯瞰する地球の姿とが同時に描かれるのが素敵な作品だった。

日本人の乗組員が枕草子的な「〜なもの」リストを作ってるのが面白い

冒頭に16周のルートが載っていて、それと照らし合わせながら読むと理解度が全然ちがうと読んでいる途中で気がつきました。割と余すことなく地球の各地を通過するんですね。

0
2026年08月29日

Posted by ブクログ

地球の上空400kmにある宇宙ステーション。そこに滞在し、様々な観測や実験を行っている6人の宇宙飛行士たちの姿を描いた作品だ。彼らの国籍はアメリカ、日本、イギリス、イタリア、そしてロシアが2人だ。ステーションは90分で地球を一周する。
大きな出来事は何も起きない。彼らにとって当たり前の1日がただ描かれている。巨大な台風が発生しても写真とデータを送ることしかできない。
宇宙から地球を眺めたとき、そこに国境は存在しない。国も人種も関係なく、地球という母なる惑星を外から見つめるだけだ。
2024年度ブッカー賞受賞作。

0
2026年08月09日

「小説」ランキング