あらすじ
バラバラだった若菜家をひとつに繫ぎとめていた母・玲子に脳腫瘍が見つかった。父と二人の息子は母のために動き始めるが、同時に、父の巨額の借金が発覚。兄は妻の出産で忙しく、弟は母の転院先探しに奔走。兄弟は積年の不満が噴き出し ――。母への愛と家族の不和に揺れる一家の再生を描く傑作家族小説。短編「それからの家族」を収録した新装版。
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Posted by ブクログ
バラバラの家族を繋ぎ止めていた母が病気になり、家族が動き出す。
私の環境に似通ったところの多い題材であったため、最高評価をつけざるを得ないところがありました。父はガンでなくなり、母も悪性リンパ腫(寛解はしたが苦しい闘病だった)ということがあり、兄と困りあったことを思い出しながら読み進めました。
文章、凝ったことがなく話を読ませることに注力していてとても読みやすいです。最近ゾンビ回収婦とかよくわからないものばかり読んでたこともありそれだけでもまずありがたい。
雨降って地固まるとはこういうことなのかな。小説なだけに、うまいこと話が進み過ぎなところはなくもないですが、前半、逆転の可能性がまるでない絶望へ向かって突っ走る流れを、よく終盤でうまいこと着地させたなというところにも感心しました。
家族とはなにか、幸せとはどこで決まるのか、あれこれ考えました。お金がなくても家族が元気なら幸せ、なんていう薄いところではない、もっと本質的なところでの家族のつながりを見せてもらった気分です。とてもよかった。単に面白いというより心にじんわり残る良さのあるお話でした。
しかし、とはいえ…やっぱりお金はあったほうがいいですね。