あらすじ
文章を一読して「わかった」と思っていても、よく検討してみると、「わかったつもり」に過ぎないことが多い。「わからない」より重大なこの問題をどう克服するか、そのカギを説いていく。
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Posted by ブクログ
小学校の教科書及び共通テストの問題の概要を大学生に回答させていくことで、わかったつもりを解説していく。文章の読みということで、国語教育だけでなく入門セミナーの教材としても利用できると思われる。
Posted by ブクログ
わかったつもりをなくすためには
1. わかったとおもっているけど、わかったつもりの状態であることを認識し、自分への甘さを打ち砕く
2. 読んだ文章について、自分なりのまとめを行う→あまりにも簡単であった時には、文脈ミスリードor自らが親しんだスキーマに当て嵌めようとしている
※「ああ、あれだな」と認識した時は要注意
おもしろかった。自分がいかに「わかったつもり」状態、浅い読みや思考の放棄を繰り広げているかわかる。読書法で「本を読む前に疑問点や知りたいことを書く」やアクティブリコールなどがあるが、
この本をよむと、これらが何故大事なのかを深められたような気もする。
私は今後も文章の構成や読み手の既存スキーマに振り回されるのかもしれない。しかし、そのことを認識できただけでも読解力を深める大きな一歩かもしれない
Posted by ブクログ
○より深くわかるには、わかったつもりの自覚から
より深く読むためには、「わかったつもり」を自覚するところから始まる。この視点が新しくもあり、納得できるだった。
「わかったつもり」にも種類があり、結末やスキーマ、曖昧さなどの理由で「わかったつもり」になってしまう。それで読めた気になることがいい時もあるが、大学の論文作成や仕事関係の文章にあたる時には「より深くわかる」必要がある。
○文脈の効果
「布が破れたから、干し草が重要だった」
→これは一見訳のわからない文章だ。しかし、「気球が破れて落下したが、その下に干し草があったから命拾いした」という文脈があれば意味がわかる。つまり、文脈は文章の意味を理解し、解釈する時に非常に重要。報連相などで、先に結論から言うことが大事なのは、相手に文脈を伝えるという効果が実感できる。
★「わかったつもりを壊す問いかけ
・まとめと例示は対応している?
・文中の事柄は本当に「事例」になっている?
・「当たり障りのないスキーマ」を使って、論の運びを大雑把に捉えてない?
・論の運びの上で大きに隙間のあるところを、「当たり障りのないスキーマ」を使って、自分勝手に埋めてない?
Posted by ブクログ
わかったつもりになっているだけかもしれませんが、「読解力がつかない本当の原因」という副題は少し内容と違うような気がしました。
より良く読むための指南書という感じで、なぜ読解力がつかないのかということは書いていないような……? わかったつもりになっているからといって、それはその人に読解力がないせいだと主張しているわけでもないですし…
国語の教科書に載っているというファーブルの話は、「ふしぎに思う」という言葉尻をとらえているような(「ふしぎ」という言葉にこだわっているような)印象だったのですが、そもそも「ふしぎに思う」と書かれていたのは、もしかしたら翻訳とかのせいもあるのではと思いました。「wonder」とかの訳のせいかな…?と思ったり。(ファーブルについての記述が翻訳文なのかどうかはわかりませんが…)
理解することと記憶することは少し違う能力のような気もするので、一読だけして、読み返すことを許されないまま理解の程度を問うのは、ちょっと納得がいかないような気がしました。
文章の解釈に関する整合性についてと、国語の試験問題については、なるほど、そういうことか〜と、霧が晴れたような気分になりました。