あらすじ
戦争と平和、そして闘病のなかで私が考えたこと……
桜花来よと 獄窓開け放ち 風の舞見つ君を弔う
日本も世界も、もっとより良いものに変えたい!
そんな思いで学生運動に身を投じた日から、新たに出会った獄中の人々との交友、次々襲い掛かる大腸癌、小腸癌、子宮癌など、病魔との闘い。
――元日本赤軍リーダーが綴った、満期出所時までの心情とその葛藤。
■本人が獄中で描いた他では見れないイラスト+短歌を多数掲載■
魔女という ニックネームが ありました はたちの時代を 懐かしむ友
竈馬 ある日突然訪れて 六法全書の脇で 奏でる
葉桜の桜 残せし面会日 エプリルフールに 君の死を聞く
蚕のごとく 貪り喰らいし 経験の糸を紡ぎぬ 山動くまで
【目次】
第一部 逮捕から確定判決まで(二〇〇〇年一一月~二〇一〇年八月)
第二部 癌闘病と執筆の受刑生活
後注
付録
重信房子の書籍の紹介
関連図書他
あとがき
【著者プロフィール】
重信 房子(しげのぶ・ふさこ)(著)
1945年9月東京・世田谷生まれ。明治大学在学中に社会主義学生同盟に加盟し、共産同赤軍派の結成に参加。中央委員、国際委員会として活動し、71年2月に日本を出国。パレスチナ解放闘争に参加する。2000年11月に逮捕、懲役20年の判決を受け、2022年に出所。パレスチナ関連の著書に『わが愛わが革命』(講談社)、『日本赤軍私史 パレスチナと共に』(河出書房新社)、『革命の季節 パレスチナの戦場から』『戦士たちの記録 パレスチナに生きる』(幻冬舎)『ガザ虐殺を怒る日々』(創出版)など。近著に『はたちの時代』(太田出版)、『歌集 暁の星』(晧星社)。
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Posted by ブクログ
よど号ハイジャック事件(1970年)、
その次の年にテルアビブ空港での事件、
その頃、日本は高度成長期の
真っ只中、大阪万博開催の頃でした。
その頃に
こんな日本は変えて行かねばならない
とまるまる本気になって行動していた
純粋な若者たちがいたことを後から知った。
そのころは、まだ子どもであったので
自分の半径500メートルの中の暮らし
が精一杯だったので日本赤軍派のことは
よくわからないけれども
何やら気になる一単語にすぎなかった。
大人になるに従って、日本の社会の仕組みが
少しずつ見えてくるようになり、なんでこの歌が
歌い継がれているのだろう、なんでその人の名が語り継がれているのだろう、と思うことが年を経るごとに増えていった。
その語り継がれているお一人が重信房子さんであった。
本書を手にとり、開いて見ると上下二段組の344頁のずっしりした一冊。しかも「獄中記」。
最後まで読めるかなあと恐る恐る読み始める。
これが、読み始めて五分も経たないうちに、すっかり重信房子さんの語りに耳を傾けている自分がいた。
獄中の刑務官とのリアルなやりとりはむろんのこと、独房の様子、支援者の方たちの眼差し、獄中から類推される当時の日本の世相、何もかもが瑞々しい筆致で綴られていく。
こんなにしなやかで心根の優しい人だったんだと思わせられる著者自身のイラストも素晴らしい。
激動の時代に飲み込まれ、その中で生き抜いて、21年も獄中にありながらも、今に至るまで
その志を保ち続けておられる一人の日本女性の手記である。