【感想・ネタバレ】昭和短歌の精神史のレビュー

あらすじ

斎藤茂吉、窪田空穂、釈迢空、佐々木信綱――。戦中・戦後の占領期を生き抜いた歌人たちの暮らしや想いを、当時の新聞や雑誌、歌集に戻り再現。その内面と時代の空気や閉塞感を浮き彫りにする革新的短歌史。

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Posted by ブクログ

読み応えのある短歌史だった。
自由律短歌が花咲いたのは、四人の歌人が飛行機に乗ったことが切っ掛けだったという記述から始まる本書。歌人たちが戦争を鼓舞した歌を詠んだのは、その時代の趨勢であり、必ずしも責められるべきものではないであろうとか、戦後GHQの検閲で出版は制限がかかったが、むしろ事前検閲から事後検閲に変わった時の自主規制のほうが、表現の自由がなくなったなどと、本当に興味深いことが多々記されている。やはり「昭和」といえば「戦争」だ。戦争に関する内容が多く、宮柊二や近藤芳美、竹山広などの歌集もこれを機に読もうと思っている。再読したい本書だ。

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2026年04月19日

Posted by ブクログ

読んでいて眩暈を感じるほどの名著。
歌論の中でも白眉中の白眉だと思う。
昭和の短歌を、思想、特に戦争とかかわりから精密に論じている。短歌が果たした戦争賛歌を積極的に見直した点は特にすばらしい。それもちろん戦争賛歌を肯定することではなくて、かえって強い反戦と表現の自由を守ることへの強い意思表示となっている。
我が国を「普通の国」にしようという政治姿勢がまかり通る今日この頃、今こそ読まれるべき本だと思った。
文庫本のあとがき(2012年1月)で著者が述べた言葉
「今、人々は東日本大震災の困難の中にあり、そこからの新たな一歩を手探りする多くの短歌が詠まれている。日々の暮らしの心の中を映しだす短歌の特徴がそこにも表れているが、人々のその手探りに、戦中戦後の人々の魂の声が遠く呼応しているように感じる」
まったく、その通りだと思った。

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2015年01月19日

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