あらすじ
南に農耕王朝、北に遊牧王朝という大帝国があり、その周辺に複数の小帝国が存在していた国際環境において、日本が採用した外交政策とは?
「倭の五王」期の朝鮮半島問題、「日出ヅル処ノ天子」時代の隋の絶域外交、乙巳の変の背景にある国際緊張など、外交文書、外交儀礼を丹念に読み解き、四世紀から一三世紀にいたる東部ユーラシアと古代日本の実像に迫る。
【目次】
序章 日本と中国への視線
第一章 東アジアと東部ユーラシア
1 「冊封体制」論と「東アジア世界」論
2 東部ユーラシアという視点
第二章 第二次南北朝時代と平安期日本
1 第二次南北朝時代
2 非君臣関係と致書文書
3 非対称の外交儀礼
4 平安期日本と東部ユーラシア
第三章 倭の五王と第一次南北朝時代
1 五胡十六国時代と倭国の半島進出
2 第一次南北朝時代と倭の五王
第四章 唐の全盛期と日本律令制の成立
1 隋‐突厥関係と倭国
2 大唐帝国と白村江の戦い
3 大唐帝国の崩壊と日本律令制の導入
第五章 律令国家日本と東部ユーラシア
1 律令国家日本と「帝国」
2 日本と新羅の相克
3 君臣関係拒否の諸相
4 「帝国」日本の変質
終章 新たな世界史像の模索
関連年表
参考文献
あとがき
索引
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Posted by ブクログ
古代日本における近隣諸国との関連を、中国/朝鮮のみならず東部ユーラシアにまで範囲を拡大して研究した本書は、従来の教科書的に固定化された概念を多くの点で覆すものです。
そのため、古代中国は絶対的な存在であると説く従来の概念からすれば異端となりますが、本書は諸国との関連性を読み解き、「なぜそうなったか」を明確に指し示す良作です。
Posted by ブクログ
古代日本の外交を東部ユーラシアという広い視野で見つめなおした労作。これまでは、東アジアという視点から中国、朝鮮半島、日本の国際関係から古代史が語られることが多かったが、中国への影響力が大きい突厥や吐蕃の興亡を交えると新鮮な風景が見えてくる。
Posted by ブクログ
冊封体制論を克服するため、時間と地域を設定し直した東部ユーラシアの古代外交史。冊封体制が貫徹された時期は、実際には唐代の一時期にしかなく例外的なものと考える。むしろ常態は突厥や吐蕃といった強大な勢力との共存関係にある。宋代以降の盟約関係の萌芽を古代に見出して改めて中華王朝と対諸国の関係を捉えなおす。日本もその勢力の一つとして倭の五王の将軍への除正や律令の導入の契機などを中華王朝の相対的強さや朝鮮半島の勢力の伸張と合わせて見直す。