あらすじ
日常は不思議、不思議が日常。
大人気、不条理日常エッセイ集4度目の襲来!
虚実のへだてを乗り越えてどこにも行かずにどこまでも行く。
翻訳家のささやかな大冒険はつづく。
お待ちかね、『ねにもつタイプ』第四弾!
「毎日びっくりするぐらい仕事がはかどらない。
それは毎日びっくりするぐらい集中力がないからで、なぜそんなに集中力がないかといえば、そんなびっくりするぐらい暑いからだ。
誰かが言っていたが、昔の仮面ライダーで、悪の組織が人工太陽を作って人類を滅ぼそうと企んだ回があり、そのときの設定温度が三十八度だったのだそうだ。ちょうど今の気温だ。私たちは悪の組織の想像力の限界を生きている。」(「エボシ」より)
感情タグBEST3
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エッセイストランキングとかつくったら東海林さだおさん亡き後、①村上春樹 ②岸本佐知子 ③椎名誠 次点 三谷幸喜 と思うのだけどどうだろう。
ということで、たまにやってくる岸本佐知子タイム。
彼女のエッセイは妄想変化球系だと思う。斜め方向からの異端の視座がコミカルです。
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今回も最高です。
オリンピック嫌いなので悲哀も感じさせる「宇宙船」にはすごく共感する。
この部分には声を出して笑った。
「①ゴジラを召還する
②アキラを召還する
③巨神兵を召還する」
アキラを召還したい。
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エッセイというより上質なショートショートを読んでいるかんじ
独特の表現に吹き出してしまう箇所もたくさんあった
いとまき
糸巻きの歌ってそんな歌詞だったの?
ちょっと怖い
きのこのスープ
きのこに対してこんな豊かな表現ができるってすごい
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2年ぶりの岸本佐知子さんのエッセイ。
なんでこんなに面白いんだろう(^o^)
例えば、腑に落ちない慣用句を羅列してブツブツつぶやくエッセイ。
「人のふんどしで相撲を取る」…素肌に身につけるのはちょっと嫌だ。
「尻の穴が小さい」…たいていの人は小さい。大きかったら問題だ。
「首の皮一枚でつながっている」…どう見ても、生き残ったり立ち直ったりするのは無理だ。
こんな感じで3ページ。どれも岸本さんの思いに共感。
疲れて何もしたくない時、猿のように無限に見続けてしまう動画に触れていた。
それは「ピンセットで角栓を取る」動画。
この動画の愛好家は多いらしく、角栓除去動画は山のようにある。
数分から数十分、ただ延々と角栓が抜かれていくのだそう。
気になったので、YouTubeで探して見てみた。
岸本佐知子さんの言う通り、のめり込むように見てしまう(⊙ꇴ⊙)
他に、ごみ屋敷お片付け映像にもハマったようだ。
こんな事は普通は秘密にすることなのに、見ている時の気持ちまで詳細に語る岸本さんに親近感が沸く。
アボカド?アボガド?問題も出てきた。
アボカドが正しいことになっているが、言いやすいのでアボガドを使う人も多い。
そこで話す際には、相手に正しい方を選んでもらうのだそうだ。
岸本佐知子さんは翻訳家なのだが、私が読んでいるのはエッセイ。
読書する楽しみの一つになっているのでエッセイは全部読んでいる。
翻訳本は絵本の「遠い町から来た話」しか読んでいない。
なので、何か小説を探してみようと思っている。
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『そもそも売り手はどんな人たちだろうか。極度に対人恐怖症のしいたけ農家とかだろうか。夜明け前にこっそり収穫したしいたけをロッカーに入れて、町が寝静まってからまたこっそりお金を回収に来るのだろうか。それとも森のクマだろうか。この世のどこかには、硬貨の代わりにどんぐりを入れる自販機も存在するのだろうか。あの自販機があそこに設置されるにいたった経緯も気になる。特にしいたけとは関係なさそうな、普通の民家の軒先だった。もしかしたら、この世にはしいたけ自販機のセールスマンなるものが存在して、一軒一軒民家を訪ね歩き、自販機を置かせてくれるよう持ちかけるのだろうか』―『森の自販機』
岸本佐知子のエッセイを読む愉しみは、この人の翻訳した作品を読む愉しみとはまた違った楽しさを与えてくれるもの。普段はなるべくカタカナ言葉ではなく可能な限り日本語で言葉を置きたいと思っているのだけれど、そういう無駄な堅苦しさを一気に解放してくれる心地よさ。それにこれを随筆と呼ぶには妄想が天骨盛り過ぎる。彼女の公共媒体で発信された写真も随時眺めているのだけれど、オーパーツのようにそこに存在することが異質なものに敏感に反応し、それを切り取る超能力のようなものをこの人は持っている。
巷間「ギャップ萌え」という言葉(そう言えば、ギャップ萌え、なんて言葉も無かった時代に、正にギャップ萌えでファンをがっちり惹きつけたのは中島みゆきだったな、と思考は脱線する)が流布しているようだけれど、岸本佐知子という人から出て来る言葉の世界の厳密さと自由さの乖離のようなものに惹かれる気持ちは、ひょっとするとその言葉で言い表すのが適切なのかも知れない。もちろん、本書に収められた「雪原」という短文で著者が吐露しているような文章を産み出す苦しみは、翻訳でもエッセイでも同じなのかも知れないけれど、この稀代の文筆家が発想する世界の自由奔放さは、妄想、と一言で片付けることは出来ない、ひょっとすると緻密な計算に基づく表現なのかとすら思ってしまうような文章表現だ。
もちろん「気になる部分」からの追い駆けとしては、そんな計算されたかも知れないような妄想をとことん愉しんでいるのだけれど、ふと、冒頭に引用した文章を読んでいて、この人もまた頭の中が常にうるさい人なのかな、と思い至る。そう思ってしまうと、妄想の向こう側に見えて来る著者の姿に、一段と生真面目さの気配が濃厚になってくる。そう言えば公共媒体でも時々「尻 on fire」と締め切りに苦しむ心情が吐露されているけれど、あれも決してふざけている訳ではないということを深く認識するに至る。まあ、至る必要などそもそもないのではあるけれど。
翻訳とエッセイのギャップというようなことを強調し過ぎると間違った誘導になりかねないので急いで付け加えるけれど、この稀代の翻訳家が選択する小説家もまた、氏のエッセイの中で取り上げられるエピソードに似て、いずれも少々変わった作家だということは改めて強調しておきたい。それは本書の奥付にある著者の略歴に並んでいる訳書を見ても解るし、詞華集の題名「変愛小説集」にも表れている通り。そう言えばこの翻訳家と初めて出会ったのはニコルソン・ベイカーの「中二階」だったなと思い起こす。
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目次を見てるだけでも楽しいけれど、ひとつひとつのエッセイがまた、どこかちょっと変わってたり、一筋縄でいかない感じ。あるある〜!ドンマイ!とか、そんなバカな!と笑ったあとに、ふと奇妙な世界をのぞき見したような、置いてけぼりにされてたり。何気ない日常がいちばんおもしろくて、怖いのかもね。ホントに、あれは何だったんですか⁈
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エッセイ集なのか短編SFなのか?と悩むくらいのぶっ飛び具合で大変面白い。
けどイモムシかわいい説だけは賛同できな・・・いや、見ているだけならなんとか。
キノコスープ食べたくなります。
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岸本さんのエッセイを読むといつも「文章ってこんなに自由でいいんだ」と気持ちが軽くなる気がします。それは「どんな発想だって面白がっていい」と言われているような、そんな肯定感を与えてくれるように思えます。
本作はこれまでのエッセイより、創作の要素が強かったような気がしますが、日常と非日常の境目をぐにゃりとさせ、不思議な感覚に読み手を引きづりこむ手腕は見事です。
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作品紹介・あらすじ
大人気、不条理日常エッセイ集4度目の襲来!
虚実のへだてを乗り越えてどこにも行かずにどこまでも行く。
PR誌『ちくま』名物連載「ねにもつタイプ」待望の第四弾!
「毎日びっくりするぐらい仕事がはかどらない。
それは毎日びっくりするぐらい集中力がないからで、なぜそんなに集中力がないかといえば、そんなびっくりするぐらい暑いからだ。
誰かが言っていたが、昔の仮面ライダーで、悪の組織が人工太陽を作って人類を滅ぼそうと企んだ回があり、そのときの設定温度が三十八度だったのだそうだ。ちょうど今の気温だ。私たちは悪の組織の想像力の限界を生きている。」(「エボシ」より)
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岸本佐知子による「ねにもつタイプ」シリーズの第4弾。ちなみに前3弾は「ねにもつタイプ(2000年)」「なんらかの事情(2012年)」「ひみつのしつもん(2019年)」。
内容は筑摩書房から出版されている月刊PR誌「ちくま」2019年3月号から2025年7月号に連載されたものから選ばれ、加筆修正を行ったものになる。
岸本佐知子さんは、僕にとって柴田元幸氏と並んで、もっとも信頼している翻訳者の一人。この「ねにもつタイプ」シリーズも全作読んでおり、他にも3冊ほど彼女のエッセイは既読。どれも虚実入り混じった面白い内容になっている。
本作もこれまで通り、虚実入り混じった内容となっているのだけれど、読み手である僕の方が彼女の作品に馴染んできたのか、今まで以上にすんなりと内容が入ってきた。最初は「あれ? これ、本当のこと?」「一体どこまでが実でどこからが虚なんだろう」といった戸惑いがあったのかもしれない。それが本作においては「いやいや岸本佐知子だぜ。こうくるに違いない」という事前情報に則って読み進めたため、この気持ちの良い“すんなり感”を味わうことができたのかもしれない。この虚実の混ざり方は、やや大げさに言えばマジック・リアリズム的とすら感じられる。もはや“エッセイ”という枠に収まらない作品集と言ってもいいのかもしれない。中には僕にはあまり響かなかったものもあったけれど、全体として「ねにもつタイプ」シリーズの中では最も楽しめた1冊だった。
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『ねにもつタイプ』面白っ!と思ったのに、なぜか第2・3を飛び越し第4弾を手にしました。本エッセイの『ちくま』連載は現在も(20年以上)続き、挿画・装幀が変わらずクラフト・エヴィング商會なのもうれしい限りです。
岸本佐知子さんは、「私の頭の中には種々雑多な考えが詰まっている」と述べ、日々の生活で何かがきっかけとなって疑問や気付きがもたげ…。そこからの連想が連想を呼び、どこまでも飛躍します。
妄想のスイッチがすぐに入るのは、感性の網目が細かいというかアンテナが高いので、他の人がスルーするようなことも引っかかるのでしょうね。
目を閉じて瞑想し、頭の中の虚無のスクリーンを無心に見つめても…やっぱり連想が連想を呼んで瞑想どころではなくなるようです。
エッセイとも短編小説ともつかない話の奇想天外さは、根っこに日々の生活と言葉があります。それらを追究した先に、視点の豊かさと新鮮さがあり、クセになる心地よささえ感じられます。
本書を"くだらない"と断じるか否かは人によるでしょうが、自己啓発とか実用系書物しか読まない御仁にほどお勧めしたい気がします。岸本ワールドをぜひ堪能してみてください。
Posted by ブクログ
今回も天才岸本佐知子のワザが冴え渡る。
いーとー、まきまき、のまさかの新解釈に愕然!考えてもみなかったわ。
「こびとさんのおくつ」は「こびとさんのためのおくつ」ではなく「こびとさんで作ったおくつ」なのかもしれない。オーコワ!