あらすじ
【第12回 日本翻訳大賞受賞】
現代中国の怪物作家が、最大の怪奇譚集を再創作!!
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中国で発禁処分となり日本では25年に刊行、読売、毎日、日経…各紙誌が絶賛する、極上の怪異世界。
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ボルヘス、芥川龍之介、太宰治、手塚治虫、諸星大二郎など、数多のクリエイターたちを魅了した怪異世界を、『千夜一夜物語』『見えない都市』の枠組みに当てはめた驚異の連作長篇 !
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「朕は死ななくてはならんが、この絵師は永遠に生きるのだな」
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皇帝に難題を持ちかけられた天下一の絵師は、
絵の中に自らを封じこめる。
一方、少年時代に聞いた銀色の狐の夢を毎夜見るうちに、
皇帝は『聊斎志異』の怪異世界に魅せられていく。
人間の心臓を食べて転生しようとする妖怪、
孔子の末裔と蘭の香りに包まれた絶世の美人姉妹、
富をもたらす酒の虫、人間と狐のめくるめく愛欲の日々……。
物語が物語を引き寄せ、謎が謎をよびながら、
異界と現実が混淆し逆転する壮大な物語。
現代中国社会の矛盾を描きつづけ、
大陸では出版不可能な怪物作家、前代未聞の新境地!
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Posted by ブクログ
聊斎志異は、大昔に数巻あるシリーズの一冊だけ読んだことがある。不思議な話を集めたという印象で、詳細は覚えていない。後書きの解説によると、本書は、聊斎志異の中のいくつかの話を膨らませたものを、オリジナルの物語で繋いだものとのこと。昔読んだ聊斎志異を手元に残していないので、どこをどう変えたのかはわからないが、あいかわらずバラバラの怪異譚として読んでも面白い。全体的には、ちょっとくどい気もする。例えば科挙を受験する人たちの話がいくつも出てきて、読んでいて疲れることもあった。
Posted by ブクログ
著者の閻連科(えん•れんか)は1958年、河南省出身。人民解放軍に身を置いた後、80年代から小説を執筆している。これまでに数冊が中国国内では発禁処分となっており、本作も本国では出版されていない。台湾と日本だけで出ているという状況だ。
内容は清朝第4代皇帝•康熙帝(こうきてい1654〜1722)を主人公とした、完全に架空の“幻想小説”だ。
晩年をむかえた皇帝は夢占い師の言葉や蒲松齢(ほしょうれい1640〜1715)の書く怪異譚『聊斎志異』(りょうさいしい)の物語世界に惹かれていく。やがて物語に出てくる“歓楽国”にどうしても行きたくなった皇帝は、多数の伴を連れて巡行の旅に出るが…。
本作は『聊斎志異』の怪異譚をうまく抽出•改変し、作中に織り込んでいます。原典を知っていると、その改変具合がよくわかって、更に面白さが増します。
しかし、本筋となるのは後半の、康熙帝の“桃源郷探し”です。最高権力者がたどり着いた先には過酷な体験が待ち受けているのですが、この辺りがどうやら本国での出版を阻んでいるようです。
例えば、猛威をふるう疫病治癒のためには皇帝の血が有効とされ、皇帝が無理矢理血を抜き取られる場面など、執筆されたのが2020〜21年だった事と関連付けて曲解する人もいるのでしょう。(知らんけど)
大変な力作で、原書は27万5000字あるそうですから、原稿用紙だと687.5枚!。本書も450ページあります。単行本は税込5280円。なかなかですね…。約2週間ほどかけてじっくりと読みました。重くて持ち歩く気にはならなかったから…。
それでも、面白くてページを捲る手が止められませんでした。中国古典好きにはこの気持ち分かってもらえるかなぁ。たぶん。