【感想・ネタバレ】雨色のキャンバスのレビュー

あらすじ

あなたの世界は何色ですか?

中学一年の九月。
親友から放たれたある一言が原因で、西風あざみは教室に入れなくなった。
担任のすすめで始めた別室登校。
おそるおそるドアを開くと、そこには先客――ヤナギさんがいた。
彼女は勉強の時間も、いつも画集を見ている。そして言う。
「絵の見方を知ったら、世界の色が変わって見えたんです。私は、世界のいろんな色を見たいんです」

ねえ、教えてくれないかな。その「絵の見方」っていうのを……。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

 見方一つで世界は変わる。自分の居場所を探しにいく勇気をくれる一冊。
 透明感あるガールミーツガール作品で、主人公のあざみはヤナギさんとの出会いを通じて絵画に触れ、やがて親友のリリカとの仲違いの真相に迫っていくお話。

 「普通とずれること」を怖がる主人公のあざみにとっての「普通」が第三者からすれば「普通」ではないという点が一貫して描かれており、作中でもヤナギさんとあざみ自身との線引き、あざみの自己評価と他己評価のズレ、親友のリリカがあざみに対して抱く執着心とあざみの認識との齟齬といった様々な認知の歪みが対人関係にも歪みをもたらしていたのが印象に残った。

 あざみがヤナギさんと交流を深めるにつれ(=当初のあざみからすれば「あちら側」の人間になることと同義)、リリカとの仲違いの真実が見える(=普通だと思っていたリリカ自身が尋常ではないほどあざみに傾倒していたと分かる)構図が終盤になって見えてくるため読み進めるのが楽しかった。

 本書のテーマである「世界の見え方」を自分→世界という自分の主観の話だけに留めず、世界→自分のように客観視されることまで示唆している点が面白い。
 ラストシーンを深読みすると、ヤナギさんの絵の真相を知るのはあざみ一人であり、絵の解釈を見る側に委ねたヤナギさんの行動から「絵=自分の考え方は受取手次第なのだから自分で道を選ぶことが大切である」ともとれる。
 ※現在は有名な価値ある絵画であっても時代によっては全く評価されなかったことを前提に

0
2026年08月28日

Posted by ブクログ

中学生女子の不安定な友達関係や気持ちを名画を通して世界を見る目を広げていく感じがみずみずしい表現で表されていた。

0
2026年07月20日

「小説」ランキング