【感想・ネタバレ】井伏鱒二 弥次郎兵衛 ななかまどのレビュー

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文章の名人

2024年02月09日

短編小説とも随筆とも読める作品が収録されているが、文章の見本お手本集とも読める。井伏鱒二と太宰治という山脈に隠れてわかりにくいが、木山独自の名峰、山岳を見事に築きあげたのだと改めて感心させられた。文章の呼吸法には、山口瞳のようなユーモアと毒が混じっているようで、品が良く、昭和文士の香りが懐かしい。個...続きを読む人的には「ナナカマド」が特に気に入りました。

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Posted by ブクログ 2019年08月19日

ゆっくりのんびりマイペースに読める一冊。ザ★木山捷平。
日常を流れていく様なゆるりとした文体で丁寧に描く。人情描写も諄さの無い、染み入る様な優しさに癒されますね。

「鼠ヶ関」「赤い提灯」「弁当」あたりがお気に入りです。
最後の2編はタイトル通り。太宰と井伏鱒二について綴って云います。
井伏鱒二の弟...続きを読む子、と云うと、本当にバラエティ豊かだなあと思います(笑)木山捷平も小沼丹も、太宰好きな知人から勧められて読み始めたのですが、似ている様で味わいが全く違う!太宰も、強いて言えば開高健もまったく違うけれども、井伏門下生と云われてみると、「あぁ、そうかもね」と頷ける不思議。

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Posted by ブクログ 2010年06月06日

全体的に企まざるユーモアと何とも云えない、解説に書かれているようなエロティシズムという言葉では言い現せない魅力を登場する女性に感じた。
構えて読まないといけないような作品ではなく、浴衣掛けの作品だが佳品だと思う。

企まざるユーモアというのが端的に現れているのは、例えば下記のような部分である。「箱膳...続きを読む」について、辞書からの引用をして説明をした後、
~これは余計な話だが、むかしの若い女は心中や駆落などする時、親の箱膳に置手紙を入れておいて、親の腰をぬかせる用具にも使った。
というような部分だ。

また、一寸、これは良いなあと思い、一生のうちで一度使ってみたく思った台詞があって、
(ここもかなり可笑しい所なのだが)
山登り用の草履を買ったが登らずに帰る旨を店の人に告げると、店のオバサンが、じゃあ返品したらどうですか?と強く勧める。そこで、
~ぼくの思い通りにさしてください。ぼくも生まれて六十年生きてきましたが、自分の思い通りになったことは滅多にないので、これだけは思い通りにさして下さい。
という下りだ。草履一つでと可笑しく思いつつ、女性を口説く時にちと使ってみたく思った。

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