あらすじ
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「しんどい」を抱えるすべての人へ――
「すべてはこの世に生まれたのが悪い」と
ネガティブに言い切った
「反出生主義」の思想家シオラン初の名言集!
『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、
一度も海外に行ったことがないまま
ルーマニア語の小説家になった話』で
各方面の話題をさらった作家が、
自分を救った名言を厳選して超訳!
頭木弘樹さん(文学紹介者)の推薦文も収録!
「想像以上に面白い!」と絶賛!
◎ネガティブすぎて元気になる!名言の数々
“自分の居場所なんてなくて、
どこに行ってもダルいだけ”
(1章頑張らなくていい)
“自分が生まれて
なかったらって考えてみる、
ただそれだけで
なんか幸せ!”
(2章生まれたのが悪い)
“調子悪いときは、さっさとフテ寝”
(3章 心も体も不健康)
“誰かと話すくらいなら
死んだほうがマシ。
自分が好きすぎるから!”
(4章ひとりになりたい)
“「今より不幸にならないためには?」
だけを考えなさい”
(5章 希望なんていらない)
“何事も洗練されてはいけない”
(6章 言葉とは、芸術とは、人生とは)
◎エミール・シオラン(1911-1995)
ルーマニアの作家・思想家。
この世に生まれること自体を否定する「反出生主義」で知られる。
羽生結弦氏が愛読書として『生誕の災厄』をあげるなど、
失われた30年やSNS地獄に絶望しきった
令和日本で支持を広げている。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
シオランの言葉はどれも強烈で、とことんマイナスに振れ切っている。しかし、「前向きに生きよう」というメッセージがあふれる現代においては、これくらい極端な後ろ向きさの方が、かえって心に刺さりやすいのかもしれない。
翻訳を手掛けた済藤鉄腸さんの独特な訳のセンスがとても魅力的で個人的に好きだし、エッセイも楽しく読めた。
あえて「ダメでもいい」「うまく生きられなくてもいい」と思える考え方には深く共感する。自分自身は「生まれなければよかった」とまで思い詰めるほどではないからこそ、シオランの突き抜けたネガティブさに触れることで、「自分はそこまでじゃないな」とどこか勇気づけられる感覚もあった。
特に印象に残ったのは、以下のような言葉だ。
「諦めても頑張ってもどっちでも正しい」
「人生の意味より人生にどう耐えるかを考えろ。そしてどうやり過ごすか決めろ。」
無理に前を向かせるのではなく、「どう耐え、どうやり過ごすか」という視点を与えてくれることで、かえって心が軽くなる。生きづらさや疲れを感じたときに、そっと開き直る力をくれる良書。
Posted by ブクログ
来春、甥っ子か姪っ子が生まれるというのに、反出生主義の雄であるシオランなんか読んでてどうする?と、思うのだけど、好きなのだからしょうがない。
好きといっても、盲信しているわけじゃなくて、「こいつ、おもしれーこと言うな!」という、好意的な興味からの思想家・シオランなのである。
反出生主義とは、「どれもこれも生まれたのが悪い」という、そもそも論。
はじめてその思想を目にしたとき、安堵で思わず笑ってしまった。
それ、言う〜?って。
生まれてから降りかかるすべての不幸は、生まれたことから起こるのである。
この本は、『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の作家になった話』という異世界転生モノみたいなタイトルのノンフィクションが話題になった済東鉄腸(さいとう・てっちょう)さんが、そのルーマニア語力を活かし、ルーマニアの思想家エミール・シオランの言葉をチョイスして編訳。独特の“鉄腸文体”で、【超訳】をつけくわえたシオランの入門書。
鉄腸さんによる解説エッセイも充実。
例えば、
【鉄腸超訳】
俺なんかがいる世界に意味はない!
【訳】
私が存在するという事実は世界に意味がないことを証明している。
のような具合。そのあと解説エッセイが続く。
正直、超訳より難解だと言われる訳のほうがわたしとしてはグッとくるのだが、そこは好みだろう。
いちいちかっこいいシオランの言葉。
エンターティナーだなと思う。
ちょっとアニメの悪役のセリフみたいだな、とも思ったけど、シオランがアニメに影響を与えたのだろうね。
他にも好きなものを少し。
【鉄腸超訳】
無意味に生きられないのが人間。俺は生きてるけどね!
【訳】
人間は動機なしでは生きていけない。
私はもうそんなものを持ってないが、生きている。
【鉄腸超訳】
生まれるスペック聞いてなかったから、俺には一切責任なし!
【訳】
責任という問題は、私たちが生まれる前に相談を受け、どんな人間になるかに同意していた場合のみ意味をなす。
【鉄腸超訳】
自分が生まれてなかったらって考えてみる。ただそれだけでなんか幸せ!
【訳】
生まれてこなかったと考えてみよ。
何という幸せ、何という自由、何と大いなる余裕に恵まれることだろう!
【鉄腸超訳】
復讐したい!でも誰に!?って思いながら起きるのが俺の朝活
【訳】
復讐心とともに目覚める。
だが、誰に復讐すればいいのか分からない。
【鉄腸超訳】
生きる事になれるためのコツは?
シャツ着替えるみたいに絶望もとっかえていくこと。
【訳】
人生に適応する秘訣は?
絶望をシャツのように変えたこと。
【鉄腸超訳】
地獄の底ではほんの小さな出来事だって全部奇跡!
【訳】
私たちは皆地獄の底にいて、
そこではあらゆる瞬間が奇跡だ。
なんか、元気出てきません?
暗すぎ、ネガティブ、と言われがちなシオランだけど、私はぜんぜんそうは感じないなあ。
もしかしたら、ネガティブが体臭のように身体にこびりついていて、鼻が効かない状態なのかもしれないけれど!
シオランの言葉は落伍者のためのセーフティーネットだと思う。
届くべき人に届けばいい。
ちなみに、生まれてこなければよかった、という思想が好きという面と、あなた(甥っ子や姪っ子)が生まれてきてくれてよかった、という思いは、相反するけれど共存できると思う。
弟には心からおめでとうといいたい。
Posted by ブクログ
正直、シオランという哲学者の存在すら知らなかったが、タイトルのインパクトに惹かれて手に取った。難解になりがちな哲学書だが、現代的で分かりやすい「超訳」のおかげで、彼の思想がすっと頭に入ってきた。
特に印象的だったのは、その根底にある「反出生主義(生まれてこないほうがよかったという考え方)」の視点。シオランに言わせれば、生きづらさや虚無感は「生まれてしまった」時点で確定していること。だからこそ、自分のダメさや努力不足を責める必要なんてないのだと教えられた。
「ポジティブに前を向こう」という圧に疲れたとき、この徹底したネガティブさは最高の救いになる。
「生まれてしまった以上、肩の力を抜いてテキトーに生きていけばいい」と思わせてくれる、手元に置いて何度も読み返したい一冊。
Posted by ブクログ
いつか国内でシオランの名言集が出るだろうと思っていたのだが、ポップな装いで登場。
内容は文句無し。星五つ。素晴らしい。シオラン最高。反出生主義万歳。
生誕の災厄や告白と呪詛、カイエ等を読破された方にはおわかりかと思うが、シオランの言葉には秀逸なものもあれば何とも理解しがたいものも多い。
当書はその中でも秀逸なもの、理解しやすいものを厳選しているので、シオランに初めて触れる諸兄にはうってつけの一冊になるかと。
内容は文句無しだが、紙質が固いのと紙そのものが厚いので持ちにくい。
これがなければ星五つだった。