あらすじ
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末っ子のかよ子は、弟ができて大はりきり。日本が戦争をしていたって、かわいい弟の孝ちゃんと、やさしい家族がいれば、かよ子はしあわせいっぱい。ないたりわらったり、毎日元気にすごしています。でも、そのしあわせが、ある日…。戦争で、ひとりぼっちになった著者が、いま、弟への愛と平和への祈りをこめてつづる、ほんとうにあった物語。小学校中学年から。
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Posted by ブクログ
以下、ストーリー含む感想です。
元気で甘えん坊な末っ子かよちゃんは、弟の孝ちゃんが生まれて大張り切り。
かよちゃんは大好きな家族やお友達に囲まれ、戦時下でも生き生きと成長していきます。
可愛い可愛い弟の孝ちゃんは、いつもお世話してくれるかよちゃんを「ネーネ」と呼ぶようになりました……胸がいっぱいになって思わず泣いてしまうかよちゃん、弟が小さかった頃を思い出して私まで泣きそうになりました。
弟もよく「お姉ちゃん」が言えず「いーちゃん」と言いながら私の後を追いかけてきたものです。
戦況が厳しくなり、かよちゃんも家族の元を離れて疎開することになります。
当時は当たり前のように行われていたことかもしれませんが、小学生程の子供がやむを得ず家族の元を離れて生活するというわけです。
どれほど寂しく心細かったでしょう。出発前日のかよちゃんと家族とのやりとりから、痛いほど伝わってきます。
一時帰宅での再会、出発の時に孝ちゃんがくれたひょっとこ柄のめんこ……
著者の海老名さんは今もこれを大切に保管しているそうです。
やさしい語り口と可愛らしいイラストで描かれているので、ショッキングな表現がどうしても苦手という方やお子さんでも読めると思います。
「戦時下だから当たり前だったこと」は、現代でも他の国で起こっていることなのですよね。
私の弟は成長して体も大きくなり生意気に煙草をふかしたりしていますが、元気に生きていてくれることを決して当たり前にしてはいけないなと感じています。