【感想・ネタバレ】命どぅ宝のレビュー

金子節子

[miゆノ · ★★★★★]

残酷な実話に忠実なストーリー

沖縄では小学校の宿題に「家族・親族・身近な人たち」から戦争体験を聴き取り作文をすることが有りました。現在はどうか分かりませんが、令和3年現在50歳代後半の私は毎年そんな課題が有りました。私の家族は那覇市在住でしたが祖父母以下、大阪や中部地方の親戚に身を寄せていてその宿題は叶いませんでしたが、同級生の親世代の体験談は生々しく記憶に残っています。
背負っていた赤ん坊の首が無かったとか、一緒に走って逃げていた隣の人の手足が吹き飛んだなど、淡々と発表する同級生たち。聴き取る方も語る方も心が傷付かないわけは有りません。語れない人も多いと聞きました。大人になって考えさせられる出来事でも有りました。しかし当時はそんな心の傷を抱えて生きることが私達の日常だったような気がします。年に一度の終戦の時期だけでも思い出す事、そして平和に繋げていく事がせめてもの供養かと。
この作品はどれも沖縄の人たちの体験談ではたびたび聞いた内容で、まさに日本唯一の地上戦体験談の代表作だと思いました。

＃深い ＃怖い ＃ダーク

[ブクログ · ★★★★☆]

金子節子さん、この「命どう宝」で完全にファンになったという記念すべき一冊♪その後次々と彼女のコミックを読むきっかけになりました。戦争の理不尽さをいろんなところに感じられる涙無くしては読めない感動の一冊。