あらすじ
「神が監視カメラのようなものなら、逆に監視カメラは神のようなものと考えることができる」
異なる文化で、なぜ似たような神が信仰されているのか? 神の誕生が農耕革命を可能にした? 推し活や陰謀論はどこまで宗教か?従来の宗教学では答えの出せなかった巨大な問いに、認知科学や進化論の見地から迫る! 日本宗教学会賞受賞の気鋭による初の新書
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
一見非合理な宗教、だが各民族ごと存在する。なぜ宗教が生まれ今でも大きな影響を与えているのか。神、物語、儀礼、呪術という要素ごとにそれらを信じ行動する仕組みを考察していく。
それぞれの構成員の目の届くダンバー数(おおむね150)を超え、フリーライダーの存在を許さぬ組織のため、監視する存在として神があったという説が個人的には納得。
推し活との比較など、わかりやすくしかし丹念に検証していく「宗教認知学」入門。知的好奇心大満足の一冊でした。
Posted by ブクログ
なぜ儀式という不合理な行為が存在するのか。そんなことが知りたくて読んでみた。
洗脳を解くための条件の一つとして示されていた一文が頭に残る。
「世界を変革できないということを認識すること」
つまり、逆にいうと世界を変えられるという共通認識を持った集団が宗教団体ということだ。
そうかもしれない。わかる。
「呪術や儀礼は因果的・物理的メカニズムがあいまい」
「宗教においてもっとも重要なのは神を信仰することではなく、聖と俗の区別」
呪術は問題を起こさないように祈るわけではなく、問題の起こる場所にたまたま居合わせないように祈るのだ。
Posted by ブクログ
宗教を認知科学の観点から分析。
宗教かどうかは、0か1かの問題ではなく、「わずかに宗教的」から「とても宗教的」までのグラデーションで捉えるべきものである。
結局のところ最後まで宗教が何であるか定義されなかった。
研究者の間でも定義が曖昧なことは解るが、筆者の意見を知りたかった。
哲学や宗教の他の本を読んで、自分なりに考えよう。
Posted by ブクログ
神は最小反直観的存在
宗教認知学は、宗教を不合理で反理性的なものとは切り捨てない。なぜなら、世界中の神は人間に似てるけどどこか違う部位や力を持つなど、共通点を持つから。そんな共通点は偶然生まれない。共通の原因がある。
それが例えば最小反直観的なものは記憶に残りやすいというヒトの認知の特徴だ。例えば体は人間だが、頭はゾウのガネーシャ。腕を複数持つ阿修羅。手をかざすだけで病人を治すイエス。皆直観では理解できない特徴を持っている。
世界中の宗教の共通点、つまりヒトが生み出したものという側面からその本質に迫る、宗教認知学の案内書といえる一冊。