【感想・ネタバレ】言語学に消えそうなことばを守れるのかのレビュー

あらすじ

いま、記録しなければ
調査・分析で何が分かるのか? ことばとは何か? フィールドから考えた言語の本質。

ことばが滅びたりうまれたりするとはどういうことか、ことばには大小あるとは? パキスタンの山奥でゼロから現地調査してきた著者が案内する言語学の世界。

あらゆる言語は言語学的に見れば等しい価値を持っている。等しい能力をそなえていて、等しく大切なものだ。それなのになぜ、社会的には不平等で扱いが異なるのか。現代社会のあり方や思想にも関係する言語の本質に迫る。

===
【目次(抜粋)】
第一章 ことばと言語学
・私たちが使っている日本語はひとつのことば?
・英語はグローバルな言語だから偉い?
・独自の書きことばを持ってないことがある!?
・言語学をやれば何カ国語も話せるようになる?
・フィールドへ出ていく言語学もある

第二章 社会の中のことば
・世界共通語を作れば便利なのか?
・ことばは文化を色濃く反映している
・話す人がいなくなるとことばは滅びる
・ことばが滅びる時/ことばが生まれる時
===

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

これまでの著書では、冷静と情熱の混ざったブラックユーモアだったが、今回は冒頭からずいぶんと熱い攻撃態勢だったので、少し心配した。
しかし「言語学者だからって多言語じゃべるわけねーだろ」からのオチなどは、やはりいつも通りだった。
最後まで読んでみて、これだけのブラックユーモアの裏にある、最大限に他者を尊重する温かさを改めて感じた。吉岡先生は、確かにわかりにくい。でも吉岡先生は、すべての人に対して、分かろうとする温かさを向けてくれている。

0
2026年07月15日

Posted by ブクログ

 著者の淡々とした語り口には、達観とも諦観ともいえない風合いがあって、若干読み進めていくと何を訴えているのか、やや迷子になってしまう。
 ところどころに差し挟まる謙遜が、ややノイズとなっている部分はあるものの、全体としては誠実に《言語学》について語っている本であった。
 言語学という学問というよりは、学習と研究の違いについて言及したり、言語学と語学(語学学習)の違いについて論じたりと、文化的な面での言語を理由にしたある種のインテリの暴走を牽制している気がしている。
 そこには豊かで多様であって良い世界が、徐々に失われつつあることに対する憤りもあるのかもしれない。
 正しい言語なるものは存在しない。言語はツールであり、使い手によって使い勝手の良いように工夫されるものである。著者のそういった論は、頼むから他者を殴る道具に言語を使わないでくれという切実な思いがあるのだろうと感じた。
 正しい日本語も、美しい日本語も存在しない。
 言語学は言葉をどうこうすることは出来ない。ただ、そこにある多様な芳醇さを書き留めて、知識を蓄え伝えるだけである。その知識が多くの人の知性を豊かにするならば、無関心という社会最大の敵に対してのたしかな武器になるはずである。たぶん、そういうことなのだろう。
 それはそれとして、現存する文字はおおざっぱにいって元をたどれば2種類に分類出来るとか、第一言語話者の数でいうと一位が中国語で、二位がスペイン語、三位が英語で、意外と英語は低いとか、日本語が実は十位内で検討しているとか、ナスは英語で複数の名称があるとか……いろいろと面白い雑学もあるので、楽しく読める一冊だと思う。

0
2026年09月13日

Posted by ブクログ

言語学とはどういうものか、ことばを研究するとはどういうことか。ことばが滅びるとはどういうことか。
そこから民族についての流れで、差別の問題も扱う。
あらゆることばは等しい価値を持っている。読み応えがありました。

0
2026年08月16日

「学術・語学」ランキング