あらすじ
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夢にも固有の歴史があった。夢を独自なうつつとして信じた「古代人」の文化と精神の構造のなかに、「忘れていた今」を想い起こす独創的な精神史。
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Posted by ブクログ
明快にさくっと物語と夢のあり方がわかる。こんなふうに書ける人ってすばらしいと思った。蜻蛉日記と更級日記の関係が源氏物語と浜松中納言物語、これはわかりやすい。そして、夢によって物語が展開する図式は、古代物語の固有のあり方であるとの指摘も良い。その上で源氏物語とは違って、浜松は読者を置いていってしまうような「無雑作」な表現方法があるとのこと。
Posted by ブクログ
本書では「夢」をみられる人、それを信じられる人を古代人と定義されている。ここでいう夢は、将来のdream として夢ではなく、「正夢」「夢のお告げ」としての夢、寝てから見る夢である。また、現代、寝てから見る夢は深層心理の現れとか、実は本音とか言われるが、当時の夢は「神のお告げ」であり、それを得るために体を清め、禊をし、専用の部屋でお告げを待っていた。言霊とか、息=魂とか、こういう身体感覚をもうちょっと意識してみようと思いました。