【感想・ネタバレ】最高の教訓 倒産 決算分析のプロが教えるのレビュー

あらすじ

朝倉祐介氏推薦!
(独立系VC・アニマルスピリッツ代表、『ファイナンス思考』著者)

永遠に続く「最強のビジネスモデル」「盤石な収益構造」「最高の戦略」。
そんなものは、ない。
だから、学び、考え続けなければならない――。
100以上の「倒産」と「再生」の現場を見てきた決算分析のプロが、
スタートアップ企業から大手企業まで、25社の財務構造を徹底分析!

本書で分析する企業
ヤマダ電機の子会社になった「大塚家具」/ビジネスモデルに致命的な欠陥があった「WeWork」/黒字でも倒産した「アーバンコーポレイション」/倒産の運命を銀行が握る「ヴィレッジヴァンガード」/子会社が親会社に民事再生を申し立てた「レナウン」/親会社は倒産しても子会社は残った「トイザラス」/倒産しても事業は残った「オンキヨー」/不良債権投資ビジネスの裏がわかる「そごう・西武」/債務超過でも財務は強い「スターバックス」/倒産から大復活した「ハルメク」……

1万505件の企業が経営破綻する大倒産時代に、
企業の実力を正しく評価する分析力が身につく1冊。

目次
序章1 企業の倒産とは何か
序章2 ニトリの決算書で学ぶ 企業の「財務構造」と「安全性分析」
第1部 環境の変化とビジネスモデルの崩壊
第2部 資本の論理と企業の倒産
第3部 常識はずれのファイナンスと事業再生

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Posted by ブクログ

一般的な財務分析ではあまり取り上げられない企業が分析対象となっており、興味深く読めた。
営業キャッシュフロー(CF)の重要性は、「倒産」という事実を前にすれば強調しすぎることはない。例えばトライアルホールディングスにおいて、マイナス25日というキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の短さが事業基盤を強固に支えている点は納得感のある分析である。小売業でよく見られるデポジット(預り金)の活用がCCCの改善に寄与するという構造についても、改めてその効果を認識させられた。
個人的には、第3部で描かれる「常識外れのファイナンス」——アップル、スターバックス、ハルメクの事例が特に面白かった。アップルがあえてデット(負債)による資金調達を選択する背景に財務レバレッジの論理が存在する点は、実に興味深い。一方、スターバックス(特に米国本社)に関しては、営業CFの創出を追及し続けた結果、事業の行き詰まりが顕在化しつつある。ブランドや「のれん」としての評価を踏まえると、同社のファイナンス手法を単純に礼賛することはできないだろう。
そしてハルメクの事例は、企業にも不可逆的な命のありよう(生き死に)が存在するという事実を教えてくれる。「倒産」という事象は、人間の人生と同じく多様な病状や容態が存在することを再認識させられる一冊である。

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2026年09月13日

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