あらすじ
赤い封筒が招く怪異。
二つの謎が導く衝撃の結末。
文芸編集者の春川澄香は、新人作家の山科和美を訪ね、岩手の温泉宿へと向かう。
温泉宿の部屋にあった「赤い封筒」を見つけてから、体にまとわりつく不気味な幻聴や老人の幻影など、不可解な出来事が春川を襲い始める。
時を同じくして、東京で起きたベストセラー作家の失踪、岩手の町で起きた女性の不審死……。
この二つの謎が、過去の絶望と交錯する時、澄香が町を訪れた本当の理由と驚愕の真相が明らかとなる!
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Posted by ブクログ
五十嵐貴久『スカーレット・レター』実業之日本社文庫。
ホラー小説である。まさかそんな結末が待ち受けているとは考えもしなかったのだが、全体的に安直なストーリーのように感じてしまった。
舞台となる岩手県の染田町は架空の町であろう。東北新幹線でいわて沼宮内駅に降りて、いわて銀河鉄道をモデルにしたと思われる岩手銀嶺鉄道で1時間半の駅から車で30分というから、一戸とか奥中山高原辺りがモデルかと思ったのだが、黒石寺を連想させる墨跡寺や蘇民祭を連想させる草民祭などが登場するので奥州市近辺がモデルという可能性もある。いずれにせよ、ロケーションは沼宮内近辺でモデルとした町は奥州市から花巻市の間のどこかなのだろう。
文芸編集者の春川澄香がデビューの切っ掛けを作り、デビュー作がベストセラーとなった新人作家の山科和美と第2作の打合せを対面で行うために、澄香は編集長の古田と共に山科和美の実家の岩手県の温泉宿へと向かう。
和美の両親と兄の奏人が切り盛りする山科荘という4部屋しか無い温泉宿に入ると、机の上に置かれた『赤い封筒』を目にした後から身体にまとわりつくような不気味な幻聴や老人の幻影など不可解な出来事が澄香を襲う。
編集長の古田が1泊で東京に戻り、澄香は連泊して和美と第2作について打合せをしていると、和美の同級生が自宅の納屋で首吊状態で発見されたことを知らされる。さらに古田が編集部に戻るとベストセラー作家の深町が締切り目前で失踪するという事件が持ち上がっていた。
やがて、『赤い封筒』、澄香を襲う幻聴や幻影などの怪異、和美の友人の変死、ベストセラー作家の失踪などが全て一本の糸でつながっていく。
定価880円
★★★