あらすじ
独ソ戦最大の謎といわれた「カティンの森事件」──そのなかにたったひとり女性の犠牲者がいた。彼女の足跡を追う旅は、やがてポーランドという国家とある一家の激動の歴史を明らかにする。
カティンの森事件──二万人のポーランド将校が何者かによって虐殺された独ソ戦の闇。
その犠牲者のなかに、たったひとり女性がいたことはあまり知られていない。
彼女の名前はヤニナ・レヴァンドフスカ。優秀なパイロットであった彼女の頭蓋骨は調査隊によって持ち去られ、長らく歴史の表舞台から姿を消した。
彼女の足跡を追う旅は、ワルシャワからクラクフ、グダニスク、ポズナン、そしてカティンの森へ……。
ポーランドという国家と一人の女性、そしてその一族の運命が重なり合う、歴史紀行ノンフィクション。
◆目次◆
プロローグ
第一章 ポーランドいまだ滅びず
第二章 ふたりの将軍
第三章 ヤニナは空を目指した
第四章 開戦前夜
第五章 収容所のクリスマス
終 章 カティンの鳥たち
エピローグ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
歴史の狭間、カティンの森の虐殺の犠牲者の唯一の女性、バイロットの生涯を追いかけるスケールの大きなノンフィクション。
ソ連とドイツの間、歴史に翻弄されるポーランドを舞台としたノンフィクション。
Posted by ブクログ
ポーランドの歴史に触れると共に、その惨状を知ることは知るべきことだと思う(なかったことにはできないこと)。ただ、非常に胸が痛くなった。今のロシア・ウクライナ戦争を考えると歴史を繰り返してしまっている。スターリンがプーチンに変わって。本の話に戻るが、そもそも独ソ戦争なわけで、その2か国から侵略され惨殺されるポーランド。当たり前のことだが、戦争はあってはならないことということを思い知らされる。そこで唯一の女性飛行士(戦闘員)として戦争に参加したヤニナ。そして妹も・・。決して彼女たちの人生をなかったことにしてはならない。無駄にしてはならない。知ることができてよかったと思う。
Posted by ブクログ
歴史の詳細さは、全体の大きな流れを想起させ、知識になる感じがある。「カティンの森」で行われた虐殺。この本が出版されなければ、私は殺戮の事実を知らないまま過ごしていただろう。
Posted by ブクログ
『カティンの森』事件は知っていたから、そこのヤニナってなに?誰?ぐらいの気持ちで読み始めたんだけれど、犠牲者の中に女性が一人いたと知って驚いた。多分、無意識に虐殺された将校とはすべて男と思い込んでいたんだろうな。そのヤニナを追ったノンフィクションであるけれど、最初はなにか紀行文を読んでいるような感じだった。ソ連、今はロシアか、の人たちはこの事件をどう考えるんだろう。あれはドイツのやったこと、とか、あの時代のことだから、とか言うんだろうか。それ以前にこんなことがあったということも知らないのかな。
Posted by ブクログ
カティンの森事件で虐殺されたポーランド軍将校に一人だけ女性がいた。飛行士だったヤニナはなぜ虐殺に巻き込まれたのか。その謎を追う。
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カティンの森事件のことを知ったのは数年前、きっかけは今次ウクライナ戦争でしたが、大きな事件ながらあまり詳しく調べたりはしませんでした。本書の存在を知って、詳しい経緯などを学んでおこうと思いました。
ちょっと余分なエピソードが多いきらいがありますが、カティンの森事件については独ソ戦の流れの中での位置付けがわかりやすく記されていて、概要を知るにはよかったかと思います。一方で深い掘り下げには至っておらず、ヤニナについても人物の概略に終始してしまい、その人物像の深みまで探れていなかったのは残念です。しかし資料もほとんどない人物だけに、ここまで肉薄した筆者の熱意と執念を感じます。今となっては取材もままならないロシアの、貴重なドキュメントかと思いました。