【感想・ネタバレ】地域と人口減少の経済学 スマート・シュリンクという選択肢のレビュー

あらすじ

「人口1億人目標」「東京一極集中の是正」「コロナショックで人の流れは変わった」――人口減少と地域問題にはびこる通説・俗説や、問題含みの地方創生政策を著名エコノミストが覆す。人口が減ってもウェルビーイングを損なわないための処方箋として、スマート・シュリンク(賢く縮む戦略)を提唱。行動経済学やマーケットデザイン等の理論、豊富な経年データにもとづき、多くの地域で応用できる「共有型」モデルを打ち出す。

はじめに 人口・地域問題を経済学で解決する

第1章 人口変化の姿とコロナショック

1日本の人口構造の変化
「確かな未来」の「確かな変化」の「確かな課題」/日本全体の人口構造の変化/外国人の流入をどう考えるか
2人口オーナスがもたらす諸課題
人口オーナスとは何か/ますます高まる度合い/人手不足、社会保障などの諸課題
3コロナで厳しさを増す人口の姿
コロナショック後の人口動態/衰える結婚・出産意欲、低下する希望出生率

第2章 地域から見た人口構造の変化

1地域間の人口移動を考える
社会増減の重要性/地域間人口移動の姿
2地域の人口展望
将来人口の姿/前回の人口推計との比較/「率」で見た高齢化、「数」で見た高齢化/老いる都市の課題
3二つの悪循環
人口オーナスによる悪循環/人口規模を介した悪循環

第3章 地方創生政策の検証

1戦後の地域政策の流れと地方創生
全国総合開発計画の歩みと変質/薄れる国土計画への関心/難しかった東京一極集中是正/小泉構造改革は何を目指していたのか/消滅自治体論の登場/消滅自治体論の四つの問題点
2人口1億人目標について考える
地方創生と人口1億人目標/人口1億人とはどういうことか/人口1億人目標に意味はあるのか/2・07の達成は不可能
3「地方創生1・0」の批判的検討
地方創生の手順/少子化対策と地方創生のデカップリング

第4章 東京一極集中は是正すべきか

1一極集中という診断は正しいか
多層的集中という診断/「足による投票」という考え方/人はなぜ集まるのか/政策目標としての東京一極集中是正
2一極集中の是正は少子化対策になるのか
東京一極集中と少子化対策/東京都の出生率は見かけほど低くない
/注目すべき東京のマッチング機能/簡単な数量的チェック
3コロナ危機は変化をもたらしたのか
流出超に転じた東京都の人口/東京圏外への人口移動につながる3ステップ/コロナショックとテレワークの普及/対面型への回帰/もう一度東京一極集中是正を考える

第5章 地域政策のイノベーション

1求められる地域政策とは
国主導型からの脱却/「規範型」から「共感型」のプロセスへ/分散から集中へ/ソーシャル・キャピタルで伸びる地域を伸ばす/逆方向だった地域政策
2共有型の地域活性化方策
地域政策の二つのタイプ/劇場型と共有型の四つの違い/経済学から生まれた共有型の政策/行動経済学が実証したバイアス/ナッジという智恵/フューチャー・デザインと住民参加/岩手県矢巾町の例/マーケットデザイン
3スマート・シュリンクの時代へ
スマート・シュリンクの考え方/人口が減っても経済が縮むとは限らない/人口減少と地域経済
4スマート・シュリンクの実践
岡山県美咲町の例/政府が進める地域のスマート・シュリンク/自由な人の移動を通じて/自由な人の移動は、地域問題の解決に資する/地方部のアンコンシャス・バイアス

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Posted by ブクログ

2026年5月25日発行なので、新しい本です。
著者の言いたいことは、
人口1億人を維持するのは不可能。
人口1億人維持の目標は、理論的な意味付けはない。
人口が減少するのを前提に行政は動くべき。
人口が減少していても、個人個人は豊かになれる。
ということだと思いました。
著者は経済企画庁、国土庁などで働いていたので、その当時のことなども書かれていて面白いです。

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2026年05月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小峰元局長のコンパクトにまとまった地域政策論。思っていることを立場を離れ主張。地域政策のイノベーションは賛同できないところもあるが、よくまとまっている。
1 人口変化の姿とコロナショック
2 地域から見た人口構造の変化
・人口推計による人口オーナスの悪循環と地域人口の簡潔な記述
3 地方創生政策の検
・国土計画に沿って、局長時代の経験も交えた記述。
・消滅自治体論により地方自治体が人口減少の最前線に立ったのは問題、少子化対策は国の責務。地方自治体は人口をコントロールできないし、地方版人口ビジョンは人口の奪い合いのゼロサムゲーム。
・地方創生1.0の2060年人口1億程度は、2014年骨太に目標として盛り込まれたが、戦後人口が目標となったのは初めて。この目標に合理的理由はないし、達成は不可能。希望出生率(結婚希望者はすべて結婚し希望の子供を持つ)1.8は目標たり得るが、その場合の目標出生率は1.6。
4 東京一極集中は是正すべきか
・足による投票の結果。東京の低出生率を理由とするが、出生率の低さは未婚女性の流入の効果、またマッチング機能と周辺での出生。
・東京一極集中是正は政策目標たり得ない。
5 地域政策のイノベーション
・国主導型から地域主体型
・規範型(政策当局者が目標を示す)から共感型(地域住民自らが合意形成に参画する、行政区域にとらわれない)
・分散から集中
産業構造の変化、情報通信の発展による暗黙知・face to fe、高齢化
・取り残された地域の配慮は必要だが、本当に必要な地域を助ける、公共事業の嵩上げの効果は薄れる。
・伸びる地域を伸ばす。
・劇場型地域政策を横展開するのは難しく共有型地域政策
・行動経済学・ナッジ、フューチャーデザイン、マーケットデザインの活用
・人口減少でも経済学縮小するわけではない。人口減少県も県民所得は伸びているし、人口減少率が高い県は一人当たりの伸び率が高い。

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2026年06月17日

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