あらすじ
賭けに飛び込め! 運命を挑発しろ!
ガルシア=マルケスをはじめ数多の作家に影響を与えたラテンアメリカ文学ブームの先駆者にして、メキシコの国民的作家フアン・ルルフォ。
デビュー作『燃える平原』、不朽の名作『ペドロ・パラモ』に続く、その文学的終着点が、本邦初訳でついに登場!!
メキシコのとある田舎町。片腕の不自由なディオニシオ・ピンソンは、町の知らせを大声で触れ回るお触れ屋をささやかな生業として、病身の母と貧しく暮らしている。
ある夜、闘鶏で深手を負った一羽の軍鶏を譲り受けたところから、彼の人生は思いもよらぬ方向へと転がりはじめることとなる。
やがて息を吹き返した"黄金の軍鶏"は、闘鶏で勝ち続け、富と名声を彼にもたらす。
こうして町から町へと渡り歩き、賭けと歓声の中に生きる道を見出したディオニシオは、ある日、妖艶で抜け目のない巡業歌手ラ・カポネーラと出会う。世知に長け、男たちの欲と金のにおいを嗅ぎ分ける彼女と行動をともにして、彼は勝負の世界の裏側を知り、ますます運に身を委ねてゆくのであった。
欲望と勝利の陶酔、目に見えぬ運命の鎖に引きずられ、孤独な男が行き着く先は……。
巨星が放つ最後の閃光!
ガルシア=マルケスとカルロス・フエンテスの脚本によって映画化もされた、欲望と宿命の物語。
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Posted by ブクログ
作品紹介・あらすじ
賭けに飛び込め! 運命を挑発しろ!
ガルシア=マルケスをはじめ数多の作家に影響を与えたラテンアメリカ文学ブームの先駆者にして、メキシコの国民的作家フアン・ルルフォ。
デビュー作『燃える平原』、不朽の名作『ペドロ・パラモ』に続く、その文学的終着点が、本邦初訳でついに登場!!
メキシコのとある田舎町。片腕の不自由なディオニシオ・ピンソンは、町の知らせを大声で触れ回るお触れ屋をささやかな生業として、病身の母と貧しく暮らしている。
ある夜、闘鶏で深手を負った一羽の軍鶏を譲り受けたところから、彼の人生は思いもよらぬ方向へと転がりはじめることとなる。
やがて息を吹き返した"黄金の軍鶏"は、闘鶏で勝ち続け、富と名声を彼にもたらす。
こうして町から町へと渡り歩き、賭けと歓声の中に生きる道を見出したディオニシオは、ある日、妖艶で抜け目のない巡業歌手ラ・カポネーラと出会う。世知に長け、男たちの欲と金のにおいを嗅ぎ分ける彼女と行動をともにして、彼は勝負の世界の裏側を知り、ますます運に身を委ねてゆくのであった。
欲望と勝利の陶酔、目に見えぬ運命の鎖に引きずられ、孤独な男が行き着く先は……。
巨星が放つ最後の閃光!
ガルシア=マルケスとカルロス・フエンテスの脚本によって映画化もされた、欲望と宿命の物語。
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まず驚いたのが、フアン・ルルフォの新しい小説が出版された、ということ。彼の作品は短篇集の「燃える平原」と唯一の長篇「ペドロ・パラモ」だけだとずっと言われていたのに、突如として「デビュー作『燃える平原』、不朽の名作『ペドロ・パラモ』に続く、その文学的終着点が、本邦初訳でついに登場!!」なんて帯に書かれた状態で出版されたのだから、驚かないわけがない。
この作品自体、映画用の物語原案ということでルルフォの小説とは別枠に数えられていたのだそうだ。事実、ガブリエル・ガルシア=マルケスとカルロス・フエンテス、及び監督のロベルト・ガバルドンの脚本によって映画化もされている(この2人の著名な作家の名前が脚本に連なる事実だけでも十分に驚かされる)。だから彼の作品は上記の2作品のみ、ということになっていた。それが「時間の流れを経て、当初の誤解はしだいにほどけ、いまではルルフォの三作目にして最後の著作として」(訳者あとがきから引用)こうして陽の目を見たというのが経緯とのこと。
なんといってもスピード感がすごい。トントンと物語が進む。よって一気呵成に読み進めることもできるのだけれど、「もっと掘り下げて書かれるべき場面では?」と思える箇所が沢山でてくる。まるであらすじに少し肉付けしただけのようにも感じられる。そう考えるとやはり映画化ありきが前提となって書かれたのだな、と妙に納得してしまう。実際にかなり映画的な作品という印象を受ける。カメラ・アングルを意識したような表現や、クリアにその場面が脳裏に浮かんでくる箇所も多い。そういう意味では「そういう作品だ」と受け入れて読めば、なるほどかなり面白い作品だと思う。
その映画的なスピード感は、ルルフォの代表作「ペドロ・パラモ」と比べると特に際立つ。「ペドロ・パラモ」などは時空があちらこちらに駆け巡り、語り口も一人称から三人称に突如として変わる。それぞれの小さな断片の積み重ねが大きな流れとなって物語を織りなしている。そして最後は最初に繋がる。まるで自分のしっぽを咥え込んだウロボロスのような状態。それに比べるとこの「黄金の軍鶏」の時間は一定に過去から現代へと流れ、空間は移り変わるものの、混乱することもなく、物語はきちんと完結する。そんな大きな違いがある。なので「燃える平原」や「ペドロ・パラモ」のような作品を期待すると、肩透かしを食らわされると思うけれど、僕はなんだかんだ言ってもかなり面白く読み進めることができた。
YouTubeを検索すると、前述の脚本陣による映画版がアップされている。僕も飛ばし飛ばしで観たのだけれど、ラスト・シーンは異なっているようだ(本書の方が悲劇的)。