あらすじ
業績評価から政策まで、あらゆる局面でエビデンス(確かな根拠、特に数値やデータ)が求められる時代。しかしデータには恣意的な解釈や嘘がつきもの。ならば数字に表れない物語を重視すべきなのか? だがよくできたストーリーが人心を惑わすこともある。気鋭の公共政策学者が、数値によるマネジメントの歴史や陰謀論の問題などを取り上げ、「賢慮」を行う道を探る。 〈目次より〉●ある学生寮の思い出 ●エビデンスの罠と物語の罠 ●エビデンスの歴史 ●企業におけるエビデンス――科学的管理法とKPI ●監査という儀式 ●外国人問題におけるグラフの恣意的な読み違え ●誰が言っているかが重要?――徳認識論 ●党派性から離れることは難しい
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
人は機械ではないのでデータだけ数字だけでうまくいくとは到底思えない、広くたくさんの有用な情報が集めやすい世の中になったとはいっても溺れてしまっては意味がない。かといってデータ万能主義を全否定するのもおかしな話で何事も極端に走るのは簡単で楽だけどいい結果を生まないのは日本のプロ野球でデータ活用を得意とするはずのIT系のチームが強い方と弱い方両方にいることからもよくわかる。本作での筆者は適切なバランスをとることがいかに大事であるかを伝えようと尽力されている。しかしバランスをとるということは単細胞的にインパクトの強い結論をださないということでもあるから筆者があとがきでいうとおり「結論はいささか凡庸に映るかもしれない」になっている。
ただ、学者やら専門家やら有識者やら肩書をつけられて難しい言葉を使うことで上から目線で自説を啓蒙するがごとき人たちに比べれば、わかりやすい表現で筆者の意図は充分に伝わってくる。現役時代にこの本と出合っていたら後輩に(もちろん相手は選ぶけど)すすめていたと思う。
Posted by ブクログ
序盤は小難しいな…と思いながら。
ただ途中から社会人あるあるがいっぱい出てきて楽しくなっちゃう。
どの世界でも、数値目標を決めれば水増しするし監査は儀式になってるし。
決して歯切れはよくないし強い言葉も使ってないけど、そこが逆に信頼を置ける重心の低い本。
Posted by ブクログ
エビデンスを正しく使うことはできるか。
エビデンス重視の危うさを伝えるような内容かと読む前は考えていたが、どちらかというとポストトゥルースなどが叫ばれる今、エビデンスについて正しく理解して、使えるところで使いましょう、という側面を強く感じた本だった。
エビデンスの歴史的な話を始めに入れつつ、4,5章のビジネス書でエビデンス(数値化)がどのように使われているかを取り上げたり、恣意的な数値の選別に触れたところなどは、正しく使う上ためエビデンスへの理解を深める上で、有用に感じた。