あらすじ
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アート思考はアーティストやデザイナーだけのものではありません。
人生も仕事も一種の創造行為であり、だからこそアート思考はすべての人に求められるものなのです。
―山口周氏
なぜ、今アートなのか? アート思考とはなんなのか? なぜ「アート思考」が仕事にも必要なのか?
2019年に発売した『ハウ・トゥ アート・シンキング』を‘超’加筆&修正。
AI時代を面白おかしく生きていくための考え方―効率や正論の先にある、人間にしかできない「いびつな創造性」を解き放つ!
【本書「はじめに」より】
『超・アート思考』─タイトルの「超」には3つの意味を込めました。
一つはAIが急速に進化する時代を踏まえてアート思考をアップデートすること。
そしてもう一つには、アート思考単体ではなく他の思考や社会との関係まで改めて俯瞰し、その射程を拡張すること。
そして最後に、「アート」という西洋的概念を日本や東洋の視点から相対化し、西洋的思考を超えて人間の創造性とは何かを問い直すこと。
(中略)
AIが一瞬にして情報を集め、思考だけでなくエージェントとしてタスクをこなし、クリエイティブの「生成」までしてくれるようになりました。
これまで人間が行っていたことをどんどんAIが代替していきます。もはや人間に残された仕事はなくなってしまうのでしょうか?
そんなことはありません。むしろAIの時代だからこそ、本質的な人間の創造性が重要になる、僕はそう考えています。
19世紀、現代のAIを巡る議論とよく似た議論が西洋で起こりました。きっかけは「写真」技術の登場です。
ポール・ドラローシュは1839年に写真を見て「今日から絵画は死んだ!」と叫び、
ドミニク・アングルは写真が「画家の生活を脅かす」としてフランス政府に禁止するよう抗議しました。
しかしご存じのように、今でも絵画は死んでいませんし、画家という職業はなくなっていません。
写真は、絵画を殺すどころかむしろ美術を「再現性」というパラダイムへの囚われから解放
するきっかけとなり、印象派や野獣派、表現主義にキュビズム、シュルレアリスム、抽象主義など、むしろ絵画の可能性を花開かせ、美の多様性を増しました。
AI時代にはたしかに、多くの人間の活動や労働が代替されていくでしょう。
これまで人間にしかできないと信じられていた、「思考」や「創作」すら、AIが代替していくようにも思えます。
しかしむしろ、AIという技術に「挑発」され、人間は創造性を増していくにちがいないと僕は期待しています。
※本書は「ハウ・トゥ アート・シンキング」に加筆修正したものになります。ご購入の際はご注意ください。
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Posted by ブクログ
サブタイトル「 AI時代の人間の創造性とは何か?」にあるように、 AI時代の創造性、人間ができることについて書かれた本。
従来言われる「 AIは身体を持たない」「アート思考」からさらに一歩深掘りした本。
個人的には、コンテンツクリエイターにとって役立つ本でもあったが、アーティストはもちろん、ビジネスパーソンにも、AI時代の今こそ、何が大切か、何を大切にしたらよいのかはっとさせられる。
★アート思考とは、「ちがい」を生み出す思考法
工場は「おなじ」が価値。
「ちがい」が生まれると不良品や欠陥として扱われる。
アートの価値は、「おなじ」ではなく、「ちがい」で生まれる
「おなじ」ものは代替可能だが、
「ちがい」は代替不可能
ex)箱テッシュはメーカー名を思い出せない(代替可能)だが、スマホは思い出せる(代替不可能)
・ロジカル思考は「説明文」
…「テクニック」や「テクノロジー」のように広く遠くまで行き届き、最も情報伝達がよいが、「透明化」「記号化」しがち
デザイン仕事術は「コピーライティング」
アート思考は「詩」…「異化」の力で「記号」的な言語世界にヒビを入れる
・アートが「ちがい」を生むのは徹底してユニークな「自分」に即して創作するから
「他分」を脱ぎ捨てながら自分を彫刻するように「自らの本来的なつとめや性質」に向き合うという意味
・アート思考は「身体」に重要性をおく
「身体」は「ちがい」を生み出す「変化」と「異質性」の源だから
アート思考は「頭」だけに比重をおかず、分散ネットワークとして身体を捉え、全体としてのパフォーマンスを大事にする
cf)日本でmanagerは管理職と訳されるが極めて工場的な訳語。わかる状態で、コントロールしようとする意味がある。頭で理解できること以外は「異物」「不正解」となる。
それに対して「管理」ではなく「活用」と訳した方が個々のプレイヤーを活性化できる
★アート思考で大事なのは「新しさ」より「らしさ」
「新しさ」は、スピードの速い時代にすぐにコピーされる
しかし、「偏愛」や「違和感」のような自分だけよ無尽蔵のエネルギー源を持っていれば、必ず一歩先んじることができる
→「偏愛」起点に仕事してみる
★つくってみて、初めて自分がつくりたいものがわかった(第9章)
★作品はつくりながら、当初の構想からどんどん変わっていく(第9章)
自分に出合い直す行為、「自分」をつくりだす行為
AIによる「生成」と人間の「創作」のちがいかも
★アートにとって制約や抵抗は敵ではなく、むしろ自分をアップデートしてくれる源泉(第9章)
・事故や偶然が思いがけないものを生む
★アートには遊びに通じるものが要素がある
両者の共通点は、「非効率」と「余白」
仕事vs遊びという対立は「工事」のパラダイムの遺物
「仕事」の中に「遊び」をつくり「生き生きとしたilve」にするのがアート思考的な仕事術
★「アート」と「ビジネス」
共通点:「手持ちのものを組み合わせて新しいものを作り出す」
「死なずにやっていける損失を見極める」
「異質性を組み合わせられるか」
「想定しない事故や偶然を友にするスタンス」
ちがい:「期限」と「約束」があること
・黒歴史は「自分」が隠れていることがよくある
★相手のニーズに合わせることは、ビジネスの基本にも思えるが、実は「価値をなくすこと」にもつながる
「価値」は自ら相手に提供するもの。
「自分」をなおざりにして相手に合わせてしまうのが「同化」で、相手の考えと「おなじ」ことをするだけになる
「当てにいく」ほど、自分の価値が希薄になる。
最終的に「自分」がこの仕事をしている意味ってなんだろう、という疑問に突き当たる
「当てにいく」が癖になると、「誰かの答え」に頼れるので、自分をかける不安がなくなる
逆に自分時間で決断し、行動するのは「怖さ」がある。
なぜなら、言い訳ができないから
★やりたいには3種類ある
①「得」…儲かるなどメリットがある
②「楽」…楽しくて気持ちいいことや快楽
③「愛」…「得」や「楽」と異なり葛藤をはらみながらも進む←アート思考的な行動原理
・変えられる部分は「自分」ではない
アート思考が出発点にある自分は常に更新され、変化しつつ、逃れようとするたびに戻ってくる動的プロセス
アートは「自分」と葛藤する愛の中で生まれる
★AIは確かに便利だが、それを燃料にしているのは過去に人間が蓄積してきた「文化」という資源
生成「 AI」というが、実際は生み出しているのではなく、「消費」ないし「加工」
「分からない」価値を創り出し続ける培養力(≒感染、伝染し、誰かの中で発症し新たな価値を生み出す)が今後ますます必要
・アート思考をするとうまくいくか?
→アート思考はうまくやるためのものではない
「つい」そうなってしまう「業」のような「自分らしさ」
そういうやり方しかできない、というゾーン
・AIはクリエイターの仕事を助け、創造性をさらに解放してくれる
人間の「ちがい」をAIが分析し、AIの「おなじ」を人間が「歪さ」で乱す