あらすじ
日本の政権党の「裏金」問題を始めとするさまざまな腐敗と不正。トランプ前大統領など世界中での「ポピュリスト」の跋扈、旧社会主義諸国および中国など権威主義国家の台頭・・・近年の世界の政治状況は、「政治」という営みについての従来の常識を揺るがしかねない事象に満ち満ちています。逆に言えば、そういう時代であるからこそ、「正しい」政治のあり方について今一度あらためて、その根本から考えてみる必要があるのではないでしょうか。
そこで本書では、西洋の政治学の基礎を作ったとされるアリストテレスに始まって、様々な思想家達の議論の跡をたどり、そもそも「政治」とはどのような営みとされてきたのかを再度確認することを通して、政治の本質を明らかにしてゆきます。そしてその上で、現代においてどうすれば「正しい」政治、「よりよい」政治は実現可能となるのか、その条件を探ります。
アリストテレスは「人間とは政治的動物である」と言いました。つまり人間にとって「政治」とは、その存在の根本をなす重要な営みの1つだということです。「政治」を抜きにして人間存在はありえない。本書はそのような人間の根本の営みとしての「政治」について知る恰好の1冊であるとともに、平易な政治思想史の教科書としても最適です。
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Posted by ブクログ
これからの政治のあり方を政治学説とりわけ大戦間の危機の時代の思想を引きながら語る。共同体や共同の意識を重視。理想はともかく実現の道筋も示すものの、困難。
19世紀のヨーロッパの秩序がWW1で崩壊した後両大戦間は危機の時代。現代も同様の危機、情報革命による新たなメディアの政治への活用、グローバル化、覇権の崩壊・弱体化・新たな覇権の不在という共通点。
政治は、「みんなにとって善いこと(共通善)」を正当な手続きによって実現する営み。
・政治とは、複数性の共存をはかる人間の知恵の技術
・透明性を確保された公共の場において、暴力ではなく言葉によって、共同の意思決定を行うこと
・政治を考察する際は、アリストテレス以来の西洋政治のタームに縛られるが、本来西洋だけに政治があったわけではない。非西洋化・相対化は困難。
・フクシマ「政治の起源」では、国家、法の支配、民主的アカウンタビリティを政治の3要素として中国から始めているが、タームは西洋政治
・グレーバー「万物の黎明」では、首長部族社会が国家を出現させない精緻な仕組とされているが、人間は政治的動物との概念は西洋政治。
・ダール「ポリアーキー」では、野党による批判と政党間の公平は競争のもと、多元的な集団間の競争で一元的支配を避ける。
・政治2.0を目指す。人々の個人主義への縮退を止め、グローバルな抽象的権力に対抗し、人々の間に共通感覚を回復させる。そのためには、自分の当事者意識が及び範囲からスタートして、社会を変革するための実験を。