あらすじ
超常の怪談で世界が壊れる
怪異との遭遇がすべてを変える超体験型怪談集
怪異を貪欲に求め、怪異に愛される小田イ輔が贈る4年ぶりの渾身の一作!
・体験者を諫めるように現れる謎の異形「うねった仏像」
・彼女と手を繋いだときにだけ見える恐ろしいもの「ディスコミュニケーション」
・奇妙すぎる悪夢を見て目を覚ますと…「怒りの遠投」
・歯車が回るような巨大な怪音が鳴り響く…「機械音のポイント」
・関係者が次々に事故に遭う! 曰くつきの物件で著者が遭遇した恐怖とは…「ある怪談現場の一側面」
・かつて路上でとある怪異を目撃した男性、やがて降りかかる戦慄と絶望の末路「1」「44」など。
読んでしまったら足元が揺らぐ――アナタの見ているその人はこの世のモノですか?
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Posted by ブクログ
表題作の「44」と別視点で語られるその前日譚となる「1」。そこで作者と読者に「共有」される、怪異体験をキッカケにして、今まで信じていた世界と認知が決定的にズレてしまう、信じられなくなったズレた世界で、それでも生きていかなくてはならないという苦痛と恐怖。しかもそのキッカケが、怪異体験に限らず「その辺に無数にある」ものなのだと言われてしまえば、もうこの世界で生きること自体が不安で怖くなってしまうじゃないか!という話だった。
さらにここで
「様々な人と出会い、それぞれが体験した怪異を収集していくと、日常の感覚がおかしくなる。自分自身がこれまで生きて学習してきた“常識”や”枠組み”といったものが酷く偏ったものなのではないかという懸念を覚え始める。」
——『厭怪談』「マナアナ 一」
という以前読んだ作家の言葉も思い出してしまえば、その収集された様々な人が体験した怪異を読むことでも、「日常の感覚がおかしくなる」はずだし、怪談実話を読むことも「その辺に無数にある」キッカケのひとつになり得てしまうではないか、と考え始めてしまえば、めちゃくちゃ怖いんですけど。でもこの本は名作だからもう三回読んでるんですけど。