【感想・ネタバレ】NHK「100分de名著」ブックス フランクル 夜と霧のレビュー

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Posted by ブクログ 2016年05月08日

フランクルの話は何度も読んでいるけれど、何度読んでも素晴らしい。「あなたがどれほど人生に絶望しても、人生のほうがあなたに絶望することはない」この言葉はスゴイ。

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Posted by ブクログ 2024年04月15日

悩んで悩んで悩みぬくこと。苦しんで苦しんで苦しみぬくこと。絶望のはてにこそ、一条の希望の光が届けられてくる。人生の真実。

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Posted by ブクログ 2024年01月30日

素晴らしい解説本だと思う。姜尚中さんの寄稿も非常に心にくるものがあり、私のように今人生最大の危機に陥っている方はぜひ読んでほしい。そして、人生に絶望せずに困難と向き合って生きてほしい。

印象に残ったフレーズを記載する。

——
どんな時も人生には意味がある。
あなたを待っている誰かがいて、あなたを...続きを読む待っている何かがある。
そしてその何かや誰かのためにあなたにもできることがある。
———

—-
あなたがどれほど人生に絶望しても、人生の方があなたに絶望することはない。
———

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Posted by ブクログ 2023年02月05日

最初は、怖い印象で読み進めていたが、人生とはどんな逆境でも立ち向かえるすべを持っていることが分かり、どんどんこの本に引き込まれていきました。
生きる意味について、模索している人には読んでみるべき本だと思います。

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Posted by ブクログ 2022年11月03日

フランクルの『夜と霧』のガイド本。
諸富先生の授業はとても楽しくてご本人も楽しい方なので、本文にあった苦悩された青年時代があったなんて、かけ離れていて想像できなかった。

実はまだ『夜と霧』は未読で、でもこの本を読んで、「買わねば、読まねば」という気になり、即購入した。

自分の本棚の一部を、「将来...続きを読む子どもに読ませたいスペース」にしたいなと考えていて、『夜と霧』そしてこのガイド本は、加えたい二冊になった。

もっと早くに出会いたかった。でも、そんな素敵な素晴らしい本に、これからもたくさん出会いたい。

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Posted by ブクログ 2022年11月01日

「あなたが人生に絶望していても、人生はあなたに絶望していない」という事
「人生から問われている」立場であるという事
物事に対する姿勢や態度はどんな時も自分で選べるという事

そういう事をわかりやすく解説してもらえる本です。

少し重い気持ちになりそうで『夜と霧』を読むのに抵抗があったので、こちらを読...続きを読むみました。
購入して良かったと思っています。

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Posted by ブクログ 2021年09月11日

人が生き方を求めるのではなく、人生から何を問われているのかを考えよ、というのがフランクルの考え方。自らの欲望や願望中心の生き方ではなく、人生から、その時々に問われるものに対して答えを出していく、意義や使命中心の生き方への転換を図る。欲望や願望は際限なく出てくるため、キリがない。創造価値、体験価値、態...続きを読む度価値に関する考察も面白かった。

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Posted by ブクログ 2020年11月18日

わかりやすく絶望的状況に置かれた人間の陥る心理や行動を知ることができる。

「待っている人がいる」
「実現を待たれている何かがある」

自分がしたい、したくない、という主観の世界ではなく、未来への希望を抱き続ける技術として使える。

上の二つが自分がやらないといけないと強く認識することで、絶望せずに...続きを読む生きれるよ。という内容の本でした。


アウシュビッツでの環境と、現代のリアルの環境が、似ている!と思える人にとっては、切り開くヒントがここにあり勇気つけられます。

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Posted by ブクログ 2020年10月26日

一気に1日で読みました。
NHKの100分de名著の内容をもとに書かれた本。
2012〜2013年に放送されたものとのこと。
それを一部加筆修正して、さらに姜尚中(カン・サンジュン)氏の寄稿などを収録しています。

「夜と霧」についてはあまり知らなかったのですが、勧められたことをきっかけに、原著を読...続きを読むむより簡単かと思い、本書を読みました。

文体もそれほど難しくなく解説されており、丁寧な本だと思いました。

ナチスのホロコーストを経験した精神科医で心理学者のヴィクトール・E・フランクルの著書「夜と霧」や、彼の著書をもとに、人生における苦難をどう捉えるかについて書かれた本です。

アウシュヴィッツ強制収容所などを経験したフランクルが言うように、「人間は苦悩する存在、ホモ・パティエンス」である、とのこと。

その苦悩を超えて得られる、「人生からの問いかけ」こそ本質であり、「人生が何を我々に期待しているか」が問題であると提唱している。よくある人生の今探しとは真逆で、ある意味でコペルニクス的転回です。

「幸福」や「自己実現」も追い求めるものではないとし、人生からの呼びかけに応える「意味と使命中心の生き方」を求めています。

また、三つの「生きる意味を見つける手がかり」として、「創造価値」「体験価値」「態度価値」を挙げています。

苦悩自体が一つの業績。苦悩を超えて、これらの価値を体験できるとしています。

そして、全ての価値が相対化した真っ平らな世界にあって「垂直性」を生きることを提唱しています。

この辺りは本書の図を参考にした方が良いと思います。

姜氐の寄稿も感慨深かったです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年07月11日

番組を観て面白かったので読んだ本。著者の著作の中で初めて読んだ本。「夜と霧」の内容やフランクルのことについて知ることができて面白かった。「夜と霧」の内容で、「誰か」や「何か」が待っているというところが1番印象に残った。この本を読んで「悼む人」の主人公の考え方を思い出した。この本を読んで「夜と霧」が読...続きを読むみたくなった。今悩んでいる人に薦めたい本。

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Posted by ブクログ 2019年04月06日

201904/

人生から何をわれわれはまだ期待できるかが問題なのではなくて、むしろ人生が何をわれわれから期待しているかが問題なのである。そのことをわれわれは学ばねばならず、また絶望している人間に教えなければならないのである。/

人間の原点は「人生から問われている者」であるところにある。したがって...続きを読む、人間にできること、しなくてはいけないことは、人生のさまざまな状況に直面しながら、その都度その都度、状況から発せられてくる「問い」に全力で応えていくことである。/

私たちがなすべきこと、行うべきことは、私たちの足下に、常にすでに送り届けられてきている「意味と使命」を発見し、実現していくこと。「自分の人生には、どんな意味が与えられており、どんな使命が課せられているのか」それを発見し、実現するように日々を全力で生きていくこと。ただそれだけであり、私たちは、何も、それを求めて思い悩む必要はないのだ。/

自分を待っている何か(仕事)、自分を待っている誰かとのつながりを意識した人は、けっしてみずからの生命を絶つことはない、とフランクルは言います。/

苦悩そのものが問題なのではない。「何のために苦悩するのか」という叫びに対する答えのないことが問題なのである。/

これを裏返していえば、もしその苦しみに意味を見出すことができたなら、人間にとっては大きな救いとなる可能性がある、といえます。たとえば、「愛する家族を逃がすために、自分はおとりになってとらえられたのだ。だから、自分は今ここで苦しいが、それは愛する家族に安全なところで幸せに暮らしてもらうためなのだ」といったふうにです。意味に満ちた苦悩であれば、多くの人が耐えることができるのです。/

渡辺崋山がみずからの命を絶つとき、考えあって一週間、期日を遅らせたのです。なぜならば一枚の絵を描くためでした。彼は「邯鄲の夢」という中国の故事を描いたのです。
人生はかくも長く、かくも短い。かくも短く、かくも長い。まさに夢まぼろしのごとくなり。そんな崋山のつぶやきが聞こえてきそうです。
崋山のその絵はいかにも悠々自適の境地に遊んでいて、私は初めて見たとき、たいへん胸をうたれました。咎めの渦中にあったころは、彼もさぞかし悩み苦しんだことでしょう。しかし、その果てに永遠の至福が訪れたのです。/

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Posted by ブクログ 2018年01月13日

感情が大きく揺さぶられる。

フランクルはひとつの真実にたどり着いた人なんだろう。

フランクルは特別だ。

彼が悲惨な体験を潜り抜けてきたからだけでない。
もともとそうだから、
死線を超えてこられたんだろう。

きっと、問いかけを大事にしてきたんだろう。
自分の初めての問い。
誰もが「社会」にうす...続きを読むうす気づき始めた頃に思う疑問。
忘れないで、
自分の胸で考え続けてきた人なんだろう。

フランクルは特別だ。

私も、私の「問い」を考えていこうと思う。

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Posted by ブクログ 2017年11月11日

夜と霧だけでは分かりにくかったフランクル思想がわかりやすく知れる。
わずか4歳から人生について思考したフランクルが、どのような考えを持ち、他の思想家たちとどのように関わったかが良くわかる。
それでも人生にYESという、という一見楽観的な思想も、実はたいへん厳しく、開き直りであったり、自己満足に終わら...続きを読むせないような内容。
この苦しみを引き受け、人生からの期待に応える、私を待つなにかが誰にでもある、という考えが、収容所にいたときの基盤にあったという話は、夜と霧だけでは分かりにくく、苦悩の上で体得した考えがある人間の方が、収容所で絶望しなかったという話が印象的。

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Posted by ブクログ 2024年01月05日

230101〜230103
夜と霧を読む前の導入本。
簡潔にまとめられているし、これ一冊でも心動かされる。

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Posted by ブクログ 2023年08月29日

夜と霧と続けて読んだことでフランクルの思想の理解が深まりとても良かった。
「人が生きる意味を問うのではなく、常に人生から問われているのだ」という思想は、試練に押しつぶされずに生きていくために希望の光となる言葉だと思う。

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Posted by ブクログ 2022年12月13日

よく様々な自己啓発書に出てくるフランクルの夜と霧。
それを短く解説しているこちらの本を見つけたので読んでみました。

全ては気の持ちよう。
人間は、どんな人生を送るのかではなく、常に人生に問いかけられているというところに感動した。

自分がやらなければならない事、自分を必要としてくれている人、自分で...続きを読む無ければできない事。

決して大きな事ではなく些細な事でもいい。

それらを日常の中で見つけて、生きる意味を考えてしっかりと生きていこうと思った。

次は夜と霧のオリジナル版を読んでみたいと思う。

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Posted by ブクログ 2022年01月31日

“あなたがどれほど人生に絶望しても、人生のほうがあなたに絶望することはない”


生きる意味を問うのではなく、目の前のことを一生懸命こなすことで見えてくるものがある。

そして今感じているつらさ、生きづらさにも意味があると知れたら
心が軽くなった。

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Posted by ブクログ 2020年05月25日

解説本を読むことで、やっぱりフランクルは哲学者なんだなと実感したし、彼はユダヤ教徒だからこそキリスト教的考えに目覚めたのだと思った。
そう信じられたら楽だなと思う。
脳を騙すしかない。

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Posted by ブクログ 2018年10月22日

ここ数年、自分は何を目指して生きてるのか。
どうしてこの先まだ生きるのか。
何を信念にして生きるのか。
わからずに悶々としていたが、これをきっかけに
悩んでいても仕方なく意味がないと知った。
常に課せられることを黙々とやる、
大切な人に向けて何かをする、
求めるより与えられたことに対して誠意を持って...続きを読む取り組むことを今はするべきなんだと思った。
また、自分がぶれた時に読む。

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Posted by ブクログ 2015年07月28日

自分の存在する意味とかではなく、人生からの
問いかけに、どれだけ最善を尽くしていけるかが大事。
なかなか厳しい人生になりそうだ・・

”自己実現の追求は、けっして満足することなく永遠の欲求不満状態になってしまう。
人生からの呼びかけに応えていく意味と使命中心の生き方へ転換が必要だ。”

”自分に与え...続きを読むられた仕事にどれだけ最善を尽くしているか”
”苦悩することは人間の一つの能力”
”悩むべき人生の本質的問題に直面した時には、ごまかさず、真正面からとこと苦悩してよい”
”意味に満ちた苦悩であれば人は耐えることができる”
”苦しみから逃げず、yesと答えて耐えていけ”
”人生があなたを絶望することはけっしてない”
”人生からの問いに答えなくてはならない存在”

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年01月23日

おすすめ度:85点

生きる意味。。。
人生から何をわれわれはまだ期待できるかが問題なのではなくて、むしろ人生が何をわれわれから期待しているかが問題なのである。何かがあなたを待っている。私たちは常に人生から問われている。
「人間は人生から問いかけられている。そして、どんなに人生に絶望しようとも、人生...続きを読むがあなたに絶望することは決してない。」
生きる価値は?
創造価値。情熱をかたむける。
体験価値。心ふるわせす経験。
態度価値。人生にどう向き合うか。
姜尚中(カン サンジュン)氏の寄稿文は自らの実体験に基づくもので、私の胸に突き刺さった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月02日

本書の中に「幸福は求めることができないもの」「求めようとすれば逃げて行くも」「仕事に没頭したり愛する人を愛せばおのずと幸福は手に入る」とあるが(少し略してあります)、何にせよ求めて行くから手に入ることが多いんじゃないかなとは思う。自分の欲の為に求めるなという意味かもしれないけど、結局は自分の為になる...続きを読む行為に繋がるものも多いだろうし。でも、とても大事な事だとは思う。生きて行く上で「深く愛したあった経験」の重要性も解いているが、「確かにそうだよな」と思わせてくれる。
勅使河原蒼風「花伝書」の「求めなければ授からない〜」を連想する内容だった。

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Posted by ブクログ 2023年04月24日

人は人生から意味を問われているとあるが、もう意味に価値を見出せないとすら思う今日この頃。
困難な状況下にあってもアイデンティティーを失わないように…

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Posted by ブクログ 2022年09月19日

フランクルの考える「人生を生きる意味」は、独特だ。自己実現のために努力して「追い求める」というポジティブ思考ではなく、人生で起こること=「人生から問われていること」ととらえ、それに全力で応えていくという使命感から成り立つととらえている。
追い求めていては、際限なく欲求が高まり、欲求不満状態に追い込ま...続きを読むれるのだと。
「人生から問われている者」だと原点に立ち戻ることで、慢性的な不満状態から解放されるという。

これまでに読んできた哲学書とは異なる視点であり、このような考え方もあるのか…と感じる。
生きる意味の根本を「使命感」でとらえるのは、窮屈ではないかな?と思う一個人の感想。

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Posted by ブクログ 2022年06月26日

フランクルの研究で有名な諸富先生による、わかりやすい解説本です。人生に意味はないと悩む方必読。強制収容所での体験を心理学的に考察したフランクルの、厳しくも優しい眼差しが、人生をふと立ち止まらせてくれます。姜尚中の寄稿も興味深い。

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Posted by ブクログ 2021年09月21日

1ヶ月前にフランクルの「夜と霧」を読んだところだったが、分かりやすく解説してくれていて、理解が深まった。

夜と霧についてもそうだし、フランクルの生い立ちや、どのような思想家の影響を受けてきたのかがよりわかったので、フランクルの別の著書やフランクルに影響を与えた思想についても知りたいと思った。

...続きを読む富氏や姜尚中氏が引用している中の、「それでも人生にyesと言う」という言葉というかフランクルの思想に感銘を受けた。

夜と霧が、ジャーナリズムとして戦争の悲惨さを伝えるものではなく、一人の人間が究極まで生と死について悩み、希望を見出した過程を描いた作品であったことを再認識した。

自分にも絶望と呼べる時期があったし、毎日悩み苦しんでいた時期があった。その頃にフランクルの夜と霧に出会っていたら、あるいはもっと強く感銘を受けていたかもしれないし、絶望の時期ではない今だからこそ、穏やかな気持ちで理解できたのかもしれない。

いずれにせよ、絶望と思える人生の中で、悩みぬくことで希望を見つけた経験や自分を成長させてくれた経験を思い返し、それらを肯定することができた。

さらに読みを広げていきたい。

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Posted by ブクログ 2021年08月06日

本作はフランクル『夜と霧』の解説本。フランクルの、人は人生に問いかけられている、という考え方や、ホモパティエンス(悩む人)について、説明されている。予約誤りで借りたけど導入本としては分かりやすく読みやすかった。自分の人生に与えられている意味と使命を見つけるための3つの手がかりである「創造価値」「体験...続きを読む価値」「態度価値」。どんな過酷な環境で、前の2つが奪われても態度価値は体現しうる、という考え方は良い指針になると思った。

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Posted by ブクログ 2020年10月08日


人間の欲望には際限がないので「もっともっと」と何かを求め続けてしまいます。
そしてその結果、人は絶えざる欲求不満の状態に追い込まれていくのです。
p59

人間は、人生から問われている存在である。
人間は、生きる意味を求めて人生に問いを発するのではなく、人生からの問いに答えなくてはならない。
そし...続きを読むてその答えは、人生からの具体的な問いかけに対する具体的な答えでなくてはならない。
p60

幸福それ自体を追い求めるのはやめて、仕事にただ夢中になって没頭したり、愛する人を心をこ込めて愛し続けていれば、結果として、おのずと幸福は手に入ってくるもの。
p71

自分の幸福、自分の喜びを追いかけ回しているうちに、人は目の前にニンジンをぶら下げた馬のように「永遠の欲求不満の状態」に陥り、結局、ほんとうの幸福も喜びも得られなくなってしまう。
p72

「人間は結局、何によって救われるのか。
それは、たった一つでいい。
本当に自分が愛した人、自分が本当に大切に思う人と深く触れあうことができたという、その一瞬の思い出があれば人間は救われるのだ」
p89 ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』

否定的な気分や感情は、さらなる成長に向けてあなたが大きな一歩を踏み出し始めているからこそ生じているのかもしれない。
p109

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Posted by ブクログ 2020年09月11日

<感想>
「成長欲求」と「退行欲求」という考え方がある。個人的には「現実に対してどのようなマインドセットにするか」というアプローチと、「自分自身の内面の問題を自覚する」というアプローチの違いだと捉えている。
本書籍は「現実」の前で人間はどのようなマインドセットになるのか、また、どのように戦えるのか、...続きを読むという内容になっている。ある意味で精神的な健全さ(人間を信じている)を前提にした前向きな書籍であった。

現状の自分にとって必要な知識は、自分自身の内面の課題を自覚する点にある。そのため、本書籍を読むには時期尚早だったと感じた。一年後に再読したい。

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Posted by ブクログ 2020年08月21日

これとは別の本を読んでいたところ、コンタクトレンズが原因で右目を病んでしまい、痛いわそもそも見えないわで、本を読むどころではなくなってしまいました。
しかし眼科の薬のおかげで少しずつ読める状態になってきたので(コンタクトはまだ禁止)、字が大きめで紙面が見やすい本書なら、と思って手に取ってみました。
...続きを読む
『夜と霧』は、これは必読だと思い、旧訳、新訳両方とも買ってあるのですが、恥ずかしながら未読です。
そんな私にとって、著者のフランクルがいつどのようにナチスにとらえられ収容所へ連れて行かれたのか、家族はどうなったのか、収容所ではどのように過ごしたか、終戦後はどうなったのかといった背景知識を得られたことは、とても有益でした。

また、フランクルの思想(ロゴセラピー)、傾倒した学者たち、人生の意味とそれを見つけるための手がかりである「三つの価値」、人間の一つの能力であり本質だとした「苦悩」についてなど、人々を苦しみから救う精神科医としてのフランクルを、豊富な写真とともに、『夜と霧』以外の著作からも引用して説明されているのも、彼の人物像をつかむ助けになりました。

ただ、同じ内容が繰り返されている印象を受けます。
フランクルの基本的な考え方としてある程度は仕方ないのかもしれませんが、本文のみならず、姜尚中氏の特別寄稿でも、さらにあとがきでも、フランクルの思想がまとめられているので、ちょっとくどいように感じました。

でもフランクルの言葉には、時代を問わず、生きる意味を見出せずに悩み苦しむ人たちの心にひと筋の光を差し込ませる力が、間違いなくあると思います。
だって、「何のために生きているのか」と問うて思い悩む必要なんてないとフランクルは言ってくれるんですから。
逆に〈人間は、人生から問われている存在である。人間は、生きる意味を求めて人生に問いを発するのでなく、人生からの問いに答えなくてはならない〉のだと。

こう言われたらさ、生きようと思うよね。

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