あらすじ
自身が切り盛りするニューヨークの一流料理店を閉店し、母とも仲違いして落ち込んでいたビリーの元に、ジュリアナという南部の町への移住勧誘メールが舞い込んだ。たった百ドルでヴィクトリア朝様式の邸宅を提供し、しかも起業の資金援助もするという内容に、疑いつつも好奇心に駆られ返信して以降、ジュリアナの魅力に惹かれたビリーは夫と幼い娘と猫とともに移住を決断する。穏やかな気候、豪華な館、親切な住民、理想の仕事……だがジュリアナを支配する奇妙なルールが徐々に家族の生活を侵食してゆく。シャーリイ・ジャクスンを彷彿とさせるアメリカン・ゴシック・ホラーの新機軸。
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Posted by ブクログ
割と長めではあるけれど、読み続けられる面白さはあった。
ただ、果たしてホラーと言えるのか?
そして何より、オチが弱い…。
何人もの人間を手にかけ乍ら、自戒などは皆無、それどころか、傲慢と尊大な態度で町を支配し、それが全て160年も前に亡くなった少女の為、彼女への生贄のため、としてであった。
そんな目を背けたくなるほど醜悪な輩が、たかだか『司法』の手によって裁かれるとは?
正直、拍子抜けだった。
人生の全てを蹂躙された主人公の慟哭と憤怒から、彼女の手に依る胸のすく様な復讐劇を待っていたのだが…些か消化不良でモヤッとした。
作中にもあったが、為政者にとって奴等が大義と呼ぶたわごとの前では、市井の民草など消耗品でしか無い、この小さな町はそのまま今の世界のメタファーと言える。
戦時下では人のいのちなど銃弾と同じ意味しか持たない事は、トランプやネタニヤフ、そしてプーチンを見れば明らかだろう。
げに恐ろしきは人間也。