あらすじ
【内容紹介】
今、世界のビジネスパーソンやリーダーたちが禅に惹かれています。
それは、禅が「頭でこねくり回した理論」ではなく、「余計なものを削ぎ落とし、本質に向き合う実践」だからです。
禅の実践は、知識を積み上げることではなく、むしろ余分な執着を手放すことにあります。心を観察する中で、自分を縛っている思い込みや雑念が浮かび上がり、それを一つずつ手放していく。余分な思いを手放したときに、本質を見抜く洞察が生まれる。これが禅の本質です。
禅の本質を体現する象徴的な例が、「Apple」を創業したスティーブ・ジョブズです。
彼は自らの複雑な生い立ちから人生の意味を問い続け、やがて禅に出合いました。
数々の書物や実践を通じて禅に触れ、「言葉では説明しきれない体験的な知恵」に彼は強く惹かれました。理屈ではなく、心を澄ませて本質に向き合う。その感覚が、彼の創造力と結びついたのです。
ジョブズは、西洋のテクノロジーと東洋の禅の思想を掛け合わせ、「Apple」という世界的企業を生み出しました。
「Apple Store」に足を踏み入れると、そこには余計な広告や装飾はなく、シンプルに製品が並びます。まるで坐禅堂(僧侶や修行僧が坐禅を行い、禅の修行に励むための建物)のように、不要なものを徹底して削ぎ落とし、本質だけを際立たせる空間です。
「Apple」のシンプルな製品づくりの背景には、ジョブズが抱いた禅への深い憧れが息づいています。
今、世界中のリーダーがジョブズと同じように、混迷する時代を生き抜くための「本質」を求めています。その答えのひとつが、禅なのです。
本書は、仏教や禅を宗教として学ぶためのものではありません。リーダーとしてのあなた自身が「どう生き、どう導くか」を見直すための1冊です。
【目次】
第1章 禅とリーダーシップ
第2章 人を動かす
第3章 人を育てる
第4章 チームを導く
第5章 決断力を培う
第6章 リーダーの器量を養う禅思考
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「出来事は、
ただ起きたことにすぎない。」
あなたは、
この言葉を受け入れられますか?
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✾リーダーの器量を問う禅
✾大愚元勝
✾日本能率協会マネジメントセンター
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“出来事はただ起きたことにすぎない。
良い悪いを決めているのは自分の心である”
失敗しちゃったからもうだめだ。
あんな事を言われて悔しくてたまらない。
私たちは、
起きた出来事そのものではなく、
その出来事に対する
自分の解釈によって苦しんでいるのかもしれません。
ーーーーーー
だからこそ仏教は、
・怒りに流されないこと
・私欲ではなく志欲。
みんなのためにどうあるかを考えること
・何のため、誰のためかを問い続けること
を教えてくれるのです。
仏教は、
「生きている私たちの苦しみを救うための教え」
なのだから。
ーーーーーー
リーダーとは何か。
仏教が示す答えは明快です。
それは、
「人を支配する人」ではなく、
「人を支え、導く人」
であること。
“誓願を抱き、
変わり者と呼ばれることを恐れず、
熱量を持って行動する人”
そんな人こそ、
真のリーダーなのだと本書は語ります。
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如来の十号、戒律、四摂法などの
禅や仏教の教えを通して、
・仕事
・組織
・自分自身の生き方
を見つめ直したくなる一冊でした✧
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リーダーの器量を問う禅
大愚元勝
日本能率協会マネジメントセンター
仏教
生きている私たちの苦しみを救うための教え
理念と規範
「揺るがぬ軸」と「日常を支える仕組み」
余計な飾りをそぎ落とし、本質へと立ち返る
仏教教団という「世界最長の組織」は、「イノベーション」と「人材育成」の2つを絶えず繰り返してきた
三宝
仏:「ブッダ(仏陀)」つまり、お釈迦さまのことです。お釈迦さまは、お悟りを開かれブッダ(=目覚めた人)となりました
法:お釈迦さまの教えです。その教えは「お釈迦さま個人の意見や考え」ではなく、お釈迦さまが見極めた、「この世の真理のありよう」です。
僧:「法の世界観のもとに、自分自身の努力によって人生を切り拓こうとする者たちの集まり」
出来事は「ただ起きたこと」のすぎず、そこに「良い」「悪い」と価値をつけるのは自分の心
経営理念は、企業と社員の存在理由を示す原点です。その原点に立ち返れば、提供すべき価値が明確になり、新しい発想とイノベーションが生まれます。
ビジネスは、人間の幸せのための手段である
如来の十号…お釈迦さまのすぐれた性格、能力、資質を示している。
①如来:「真如(真実)から来た」と言う意味で、「真理を悟った人」のこと
真理を正しく理解し、人格・経験・学びを兼ね備えた存在
②応具:供養を受けるにふさわしい人
供養とは、感謝や尊敬をかたちにあらわすこと。応供とは、人々が心から敬意を抱き、「この人には報いるべきだ」と自然に感じられる存在
③正遍知:正しく、あまねく(隅々まで広く)知る人
人間の心、心のマスター
④明行足:知恵と実践を兼ね備えた人
「明」とは智恵の光を、「行」とは実践を、「足(具足)」とは備えること
智恵とは、その暗闇を照らす光のようなもの
⑤善逝ぜんぜい:善く逝った人
迷いの世界から抜け出し、悟りの境地に至ったことをあらわしています
⑥世間解せけんげ:世間を解き明かした人
「世間」とは、人と人との関係や社会のありよう全体を示します。
⑦無上士むじょうし:この上なくすぐれた人
人格や品格を兼ね備えた存在を指します。
仏教において「博学」とは、知識を知っているだけでなく、その人の人格が磨かれていることを含みます。
「心・技・体」をバランスよく兼ね備えた人
⑧調御丈夫ちょうごじょうぶ:人々を整え、導く立派な人
必要なときはきちんと「それは違う」と伝えられるリーダー
優しさと厳しさの両立こそが、人を育て、組織を正しい方向に導きます
⑨天人師てんじょうし:人間だけでなく、天上界の存在すら師と仰ぐ人
神々もまた真理に従う存在
⑩仏世尊ぶっせそん:「悟りを開いた人」であり、「世に尊敬される人」のこと
四摂法ししょうぼう:人々やしゅうだんをまとめるための「4つの実践」
道元禅師(曹洞宗の開祖)の『正法眼蔵』にも説かれ、仏教徒の生き方の規範
①布施:与えること
お金やモノだけでなく、知識、経験、技術、労力、時間など、自分の持つ力を惜しみなく分け与えること
②愛語:相手を思いやる言葉をかけること
③利行:他者の利益のために尽くすこと
④同事:相手と同じ心・境遇に立つこと
相手の喜びを自分の喜びとし、哀しみを自分の悲しみとする。相手を尊重し、立場を理解したうえでともに歩むこと
相手を思いやる言葉
真理に基づいた誠実な言葉
厳しさの本質は「一貫性」を保つこと
何のため、誰のため」を問い続ける
内的同期を育てる鍵
人を育てる
・その人が長く社会で生きていける力を育むこと
・自身やほこりを持って働けるようにすること
・将来どこへ行っても通用する人材に育てること
協力し合う中で仲間を気遣う心が育ち、職場全体の文化をいい方向へ導きます。これが5Sの持つ「心の教育」としての力
十大弟子の資質と企業での役割
・知恵第一/サーリプッタ:客観的に物事を見通す知恵を持つ
・神通第一/モッガラーナ:未来を見通し、時代の変化をとらえる先見性を持つ
・頭陀第一/マハーカッサパ:修行を着実に重ね、無駄を省く実行力を持つ。
・天眼第一/アニルッダ:表面的な出来事に惑わされず、心の眼で見る力を持つ。
・説法第一/プンナ:わかりやすく人に伝える力を持つ
・解空第一/スブーティ:全体を俯瞰して物事の本質を理解する力を持つ
・論議第一/マハーカッチャーヤナ:教えを論理的に説明する力を持つ
・密行第一/ラーフラ:人に見られなくなくても努力を続ける誠実さを持つ
・多聞第一/アーナンダ:教えを正確に記憶し、理念を伝え遺す力を持つ。
目的と目標の関係性
・目的は「なぜ」/目標は「なにを」
目的は「なぜをれをするのか」という存在理由や意味付けで、目標は「何を、いつまでに、どこまで達成するのか」という具体的な行動指針
目的を実現するために目標を設定し、目標を積み重ねることで目的が実現する
・目的は不変に近く、目標は変化する
・育成における関係性
誓願
目的や目標を掲げ、それを必ず達成するという強い「近い」と「願い」が一体となったもの
・願…「こうありたい」「こうなってほしい」という未来像
・誓…その願いを自らの責任として引き受け、行動に移す決意
「こっちのほうが早い」が最善とは限らない。安全・正確さが優先される場面では、あえて一手間を入れて基本に従う。これが「守」の知恵
個性的な人たちが同じ方向を向く組織は強い
自分ひとりではなしとげられないことに挑戦するため
早く行きたければひとりで行け、遠くへ行きたければみんなで行け
戒律は個人と集団が守るべきルール
戒=セルフマネジメント
個人のルール。嘘をつかない、盗まないなど、自らを律する約束事。破っても罰則はないが、守らない蹴れば仲間からの信頼を失う。
自分自身の反省」によって守られるもの
律=チームマネジメント
集団を健全に導くための集団ルール
私欲…個人的な願い。満たされても自分の周囲で完結し、社会全体をよくする力にはなりにくい
志欲…自分の力を他者や社会を役立てようとする願い。視野が自分から外に広がるほどに、仲間の力も引き出す。
サンガ:仏教の修行共同体
組織を円滑に運営する2つの仕組み
布薩:サンガの中で半月に一度開かれる「反省会」
こんま:サンガに関わる重要事項を決定するための「合議」
三蔵
経(経蔵)お釈迦さまの教えをまとめたもの
律(律蔵)教団を運営するためのルールをまとめたもの
論(論蔵)経と律を正しく理解するための解釈・注釈。
蔵は「所蔵する、収める」の意味です。この3つを合わせて「三蔵」と呼び、三蔵を修めた高僧を「三蔵法師」と呼びます。
経=理念やビジョンの浸透
律=就業規則やコンプライアンス
論=ナレッジの共有
決断とは「決めて、断つ」こと
選ぶ勇気(決める)と手放す覚悟(断つ)を同時に持つこと
リーダーシップにおいて「断つ」が大切な理由
①選択だけでは前に進めない
②「断つ」が行動を生む
③リーダーシップに直結する
心を整え、正しく生きる多衛野8つの実践法として、「八正道」
八正道における「思考」に関する実践が「正思惟」
正思惟…言葉や行動の源となる「心の動き」を正しく導く要素
「無貪欲」「無瞋恚」「無害心」
無貪欲…個人の利益や執着に基づいた決断をしない
組織全体にとって本当に必要なものは何か
無瞋恚…強い怒りに基づいた決断をしない
瞋恚とは、怒りのこと。怒りは「自分の欲望が邪魔されたときに生じる」
怒りに左右されず、冷静さと思いやりを保つこと
相手の欠点を責め立てるのではなく、長所や可能性を見出し、状況をより良い方向に活かそうとする姿勢
無害心…他者を傷つけたり、害を与える決断をしない
社会全体が「よし」となる決断をする
三方よし売りてよし、買い手よし、世間よしー三者がともに満足する状態
社員(働き手)よし、取引先よし 五方よし 関わる全ての人々が」が幸せになること
内なる声に耳を傾ける
自分の心と体が発しているサインを逃さない
視点①…私欲ではなく志欲か
視点②…直観と体感に違和感がないか
①外の声に振り回されないため
②長く続けられる決断になるため
③後悔しにくいため
部下の決断力を高めたほうがいい理由
・リーダーの分身を育てるため
・主体性と責任感を育てるため
・組織の知識を広げるため
苦しんで落ちきったら、落ち着く
応量器」と呼ばれる食事の器。
そのときの必要な量に応じる」という柔軟さ
・一番大きな器=人格・人徳
・入れ子の小さな器=場面ごとの関わり方・スキル・手法
リーダーの器量とは、能力や肩書ではなく、『どのような誓願を抱き、そこにどれほど本気で行動しているか』によって決まる
「こうなりたい」と願っただけではなく、その実現に全力を注ぎ続けた結果、その人自身が理想そのものと一体化した
「誓願に向かう人」ではなく、「誓願そのものを生きる」。
誓願を抱き、変わり者と呼ばれることを恐れず、熱量を持って、行動する人が、真のリーダーです。その姿に共感した仲間が加わり、大きな力となって社会を動かしていきます。
「自灯明」は、自分の外によりどころを求めず、「自分自身を拠りどころにして歩む」こと
権化や世評に流されるのではなく、常に自分の心に問いかけ、自分の足で立つことを示しています。
「法灯明」は、この世の真理(=お釈迦さまの教えを示した真実の言葉)を拠りどころにすること
リーダーとは何か。仏教が示す答えは明快です。それは「人を支え、導く存在」であること。