【感想・ネタバレ】船頭安五郎 (1)のレビュー

あらすじ

『茄子』『セクシーボイス アンド ロボ』著者、
待望の最新長篇は時代劇!

時は天明。安五郎は親方の甚左衛門、半人前のてんせいと共に利根川を高瀬船で往復し荷を運ぶ船乗り。ある夜「朝には戻る」と言い残して出掛けた甚左衛門が一向に帰ってこない。積み荷を管理する「上乗り」の吉三郎も現れ、江戸への出発が迫るが……。船を操り世を渡り、乗り合わせるのはクセ者ばかり。水上運送道中記(ロードムービー)、開幕!

道端のカエルと小石に心を持っていかれる、
自分が安五郎の船の板の一枚になって川を下れる、
ぴかぴかの銀シャリのそばから誰かのゲキオコ声が聞こえる。
こんな体験ができるのは、黒田硫黄作品だけだと思います。
──宮崎夏次系

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Posted by ブクログ

時は江戸・天明。安五郎は利根川を高瀬舟で往復して荷を運ぶ船乗り稼業。
今日も、変わらぬ一日が始まるはずだったが、船頭の甚左衛門が出かけたまま帰ってこない。船頭不在ではあるけども、日当のために仕事をしなければならないので、船を出すこととなった安五郎。

船頭の甚左衛門の不在の理由に不穏なものを感じるのは、彼が裏の仕事を請け負っているであろうことを薄々感じていたから。道中で出会う同業者もきな臭い情報を持ち込んできたりと、知らず知らずのうちに厄介なことに巻き込まれているのではないか、という不穏さが押し寄せてくる。ごろつきアガリの人間もいたりするし。
江戸へ荷物を運ぶ道中、安五郎は無事に仕事をやり遂げることができるのか。

夜の場面の、黒さがいいです。
自分たちが思っている以上に、明かりのない夜の闇というのは「黒い」もので。ちょっと山道に車でいいてライト消すとわかります。洒落にならないほど暗いし、怖い。
そこに何が潜んでいるのか、が全くわからない。
賭場から出た後のいざこざの場面で、いちゃもんつけてきたごろつきが、見当違いのところへ啖呵を切っているのが、暗さの演出としてにくいなぁと思います。
そして、闇の中にあって見えない甚左衛門が隠していることも、わからない。

昼と夜の明るさの違いがくっきりしているのが、安心と不安を掻き立てますね。
陽の光が待ち遠しい物語であります。

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2026年05月09日

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