【感想・ネタバレ】猟奇博物館へようこそ : 西洋近代知の暗部をめぐる旅のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルからスプラッター的なものを想像していたら、
西洋で実際にあった見世物小屋や、貴族の趣味全開のブンダーカマー、そしてそれらに纏わる『視線』のお話などなど、割と(失礼)真面目に色んなことが書かれています。
抽象的なお話、映画や文学作品からの引用などこちらの知識を試される部分もありますが、載ってる写真と筆者の語り口が軽いので(スマホ片手に色々調べながらですが)楽しく読めます。
個人的に一番印象に残っているのはパリのカタコンベのお話。フランス革命前夜のハイパー合理主義・最強のSDGs。ぜひ読んでほしい。

0
2022年10月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルの「猟奇博物館」は、この名前の通りの博物館が世界のどこかにあるというわけではない。世界各地に点在する、「猟奇的なモノ」を展示する博物館や教会、史跡などを、著者が自分の足で訪れ、その内情を細やかに記したうえ、その展示物にまつわる蘊蓄まで述べていて、この本自体が「猟奇博物館」になっている。自宅の椅子に座りながらにして、世界各地の「猟奇的なモノ」を見聞できるという、なかなか贅沢な読書体験ができる。

1トピックあたり10ページ弱と短いので、目次を見て面白そうなものだけ拾って読むのも良いかと思うが、オススメは頭から通して読むこと。なぜかというと、大まかではあるが歴史的な時間の流れをふまえて「陳列物」が紹介されている箇所があるのと、前のトピックで出てきた陳列物や製作者、所在地を受けて、複数のトピックが緩やかな繋がりを持って紹介されていく箇所があるから。
むしろ、こうした「そういえば前の章での陳列物を見て思い出したが」的な書き方がされていることで、次へ次へとスルスルと読み進めることができる。異なる「陳列物」を、キーワードを介して次に繋げていく、著者の作家としての筆力が素晴らしい。

惜しむらくは、各展示物の写真がカラーではないこと。このご時世、ネットで調べれば原色の写真も出てくるとは思うが、この本だけで「猟奇博物館」として完成させるならば、全てでなくてもいいので(どうせ骸骨は白黒でもカラーでも変わらないし)、いくつかはカラー写真で見てみたかった。

0
2022年02月12日

「学術・語学」ランキング