【感想・ネタバレ】技術の思想史のレビュー

あらすじ

人間が生み出したものでありながら脅かす存在ともなりうる「技術」。古代ギリシアから現代のAIまで、哲学者の思想から考察する。

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Posted by ブクログ

人類は技術とともにあった。ベルクソンが言うように、たしかにある意味で人間の本質はホモ・ファーベルでもあろう。(私見では、人間が発明した最高の道具は言語である。そして、この言語も、その他人間が作り上げてきたさまざまな技術も、人間に限りない恵みと、それに勝るとも劣らぬ禍いをもたらしてきた)

この本は技術をめぐって哲学者、思想家がどのような思索をめぐらしてきたのかを、プラトンからハラリまで、広く渉猟してそのエッセンスをまとめたものである。
広大な視野と、それぞれの論者のエッセンスを端的に要約するその力量はこの著者ならではといえる。通史のため、掘り下げ方に深みが足りないのは、書物の性格上やむをえないだろう。

個人的には、かつて読んだことのあるハイデガーの技術論とイリッチの現代文明批判をあらためて紐解きたくなった。彼らの批判の眼差しの射程は、やはり他の論者をはるかに圧倒しているということを確かめることができたのが、私にとってはこの読書の収穫のひとつである。

特に最終章のAIが人類にもたらす功績と厄災については、アメリカ人のレイ・カーツワイルの能天気さは仕方がないとして、ニック・ボストロムもユヴァル・ノア・ハラリもこの程度の考察しかできないのかと、むしろ唖然とした。

あらためて、自分の頭で考えなければならないテーマであることを、思い知らされたという意味でも、役に立った。

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2026年07月30日

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