【感想・ネタバレ】特捜取調室―『国家の罠』20年目の再対決―のレビュー

あらすじ

鈴木宗男事件に連座して逮捕された外務省職員・佐藤優氏と、その取り調べを担当した特捜検事・西村尚芳氏。「尊敬すべき敵」として対峙した二人が、プレサンス事件や大川原化工機事件などを題材に、検察や特捜の在り方について徹底的に議論し、今だから語れる「国策捜査」の真実を明かす。検察への見方が一変する一冊。

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Posted by ブクログ

村木厚子さんの本を読んだ直後にこの本を読んで、この世界が立体的になった。
まずこの二人の関係は、
鈴木宗男事件に連座して逮捕された外務省職員・佐藤優氏と、
その取り調べを担当した特捜検事・西村尚芳氏。
佐藤優という論客が、検察をどのように語るのかと思えば、、、
20年前の事件を退団の形で振り返ることができるということは、
お互いを尊重している、ということ。取り調べの最中から。
つまり、村木さんの事件で、いや、それ以外にも、プレサンスの事件や、
大河原化工機の事件で地に堕ちた感のある検察だが、佐藤優氏からすれば、
「自分への取り調べは適切だった」ということなのだ。
検察を認めている。
村木さん、プレサンス、大河原の担当が若いか、上司が悪いか、なのだと。
あれが例外で、ほとんどの検察担当はまとも。特捜検察は日本に必要なのだと。
これは意外だった。
まあ確かに考えてみれば、あんな事件のような担当ばかりならとうにつぶれている。
しかし、、ここにきて多発している気はする。
この本の西村氏(1960年生まれ 佐藤優氏も)のような人材は、
相対的に減っている、組織として劣化している気はする。
・・・それこそ私の持論の偏差値エリートが増殖しているのではないか?

この本を読んでいて、私が、公安と、検察と、特捜と、あまり区別がついていない
ことに気づいた。
大河原の件など、元は公安があほで、それを検察がチェックできなかったのが問題。
公安警察もあほなのだ。
まあみな公務員。検察と特捜は司法試験合格者、、、
頭はいいはずなのだ。でも劣化している。
いやしかし、深い。fact(事実)とtruth(真実)。国益と公益。認識しよ。

序章 再会
20年ぶりの対面/逮捕と取り調べ

第1章 検察改革とは何だったのか
「検察なめんなよ」/プレサンス事件と郵便不正事件/筋読みとノイズ/金持ちは怖い/大阪地検特捜部の特殊性/「割り屋」の悲劇/大阪地検検事正の準強制性交容疑/人を人として尊重する文化を

第2章 検察批判をどう見るか
(1)黙秘権
黙秘のプラスとマイナス/特捜事件は黙秘で無罪を取れない/弁護士の職業的良心/検察官が怒っていいのは/情状面で不利になることも/過数派が黙秘する理由
(2)人質司法
角川会長はなぜ記者会見後に逮捕されたか/身柄を拘束するもう一つの理由/ゴーン事件のトラウマ/保釈保証金は弁護士費用
(3)取り調べ可視化
明らかになった検事の暴言/動機は「恨み」/検事が怒鳴る時

第3章 ある検察官の歩み
なぜ検察官になったか/7回目で合格した司法試験/消えた6億円事件/あえて「相手の土俵に乗った」オウム事件/自治労の脱税事件/財政系の検察官の仕事/黒とグレーがわからなくなるとき/脱税する人の内在的論理/7000兆円詐欺と地面師とアパグループ/美容師バラバラ殺人事件の衝撃/首の行方/日産自動車不正競争防止法違反事件/検事は「建前」で動く

第4章 『国家の罠』再び──国益と公益がぶつかる時
突然、蓋が開いた/外務省の組織防衛/外務省を揺るがした「有権解釈権の否定」/偽計業務妨害捜査の内幕/三井物産にディーゼル発電機工事を発注した事情/「非日常が日常」の世界の危うさ/官邸からの機密費であれば/北方領土返還外交のリアル/取り調べはフェアだった/鈴木宗男事件との弁護方針の違い/外務省キャリアの嫉妬/拘置所生活は「面白かった」/事件にもプラスがあった/国策捜査とは何だったか/国策捜査の後遺症

第5章 特捜検察必要論
なぜ大川原化工機事件は起きたのか/萩嵜ボガチョンコフ事件/公安警察との付き合い方/特捜はどこから情報を取ってくるのか/政治と検察との距離/特捜検察必要論/特捜検察を立て直すための方策/これからの特捜部への提言

あとがき

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2026年08月29日

Posted by ブクログ

被疑者と検察官の20年ぶりの対峙。決して敵対しているわけではなく、むしろ作家佐藤優の世に出るきっかけを作った一人。
検察、司法の改革が叫ばれて久しいが、西村氏のスジの通った理屈を聞いていると、検察という組織の良心を強く感じる。
実際に取り調べを受けた人、取り調べをした立場双方の意見なので、説得力がある。
息をつかせぬ展開の楽しい対談。

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2026年07月10日

Posted by ブクログ

勿論対談本でノンフィクションなのだが、どんな検察小説・政治小説よりも数段面白い傑作対談。博覧強記の知の巨人・佐藤氏が元官僚の矜持で国益をうたい、東京地検刑事部長までつとめた現弁護士の西村氏が元検事の矜持で公益とフェアの大事さをうたい、相反する彼岸ながら、その人格の核となる部分が共鳴することにより、相手への尊重と友情に近い関係性にまで昇華していることが犇々と伝わる。本作を読むにあたり、佐藤氏の「国家の罠」を読んでおくことはマスト。これ以上はないのではと思わせる対談本の極致。。

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2026年06月09日

Posted by ブクログ

佐藤優とあの「取調検察官」の20年越しの対決。書籍の内容は基本的に特捜部含む検察の不祥事解説とその原因。「国家の罠」の裏側にも触れています。佐藤優の「書かなかったこと」「書けなかったこと」を補完するために必読。ただ検察ネタは繰り返しが多くて少し食傷気味で評価は3.5〜4。

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2026年09月02日

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