あらすじ
過労から味覚を失った、社会人二年目の鈴原依織。出社したくないな――身も心もくたくたの彼女は、会社の最寄り駅を乗り過ごし、長閑な田舎の駅に行き着いてしまう。そこでふと立ち寄ったのは、『古民家ベーカリー&カフェ とまり木』。久々の美味しい食事に心を動かされ、いつしか涙を流していた依織は、スタッフ募集の貼り紙を見つけ、転職を決意する。そして、周囲の人々に支えられて、古民家での穏やかな毎日が始まる――これは、パンの香りに誘われて動き出す、癒やしと成長の物語。
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Posted by ブクログ
パワハラ上司と営業から解放されて、味覚も戻り、穏やかな生活ができるようになった主人公。
「とまり木」の店長さんも店員さんもお客さんもいい人たちばかりなので、前半は主人公の過去話以外、割とまったり読めた。
美味しそうなパンも登場するし、何ならライバル店になり得るベーグル店が出店しても、売上が落ちて困るなんて話はなく、寧ろイベントで苦戦していたベーグル店の方に「とまり木」の店長さんがアドバイスする始末。
平和である。
ただ後半は、「とまり木」が動画で紹介されてから店が賑わったり、主人公の父親絡みの話で慌ただしいことに。
動画の件は、ちょっとトラブルかなくらいで済んだのだが、父親の件はまあまあヘビーだった。
そういえば「とまり木」のメンバーも、パートナーに先立たれている人が多くて、割と重い過去を抱えている人もいるのだが、主人公もまあまあややこしいという。
父親にも勿論都合があったのだが、主人公にどうしても肩入れしてしまうので、父親の言い分は少しばかり飲み込みづらいものがあった。
そんな父親との和解でこの物語は終わる。
主人公の救済話としてはこの終わり方でもいいが、個人的には「とまり木」に帰って終わって欲しかった。
終盤は「とまり木」が少し空気になってしまっていたので。
そこが勿体無いなと思ってしまった。