あらすじ
【劇場版“潔く柔く”で高校生のカンナが読んでいた!?】須藤晴美は中学生。自分のまわりのあらゆることが気にくわない。担任はサイアクだし、冬休みは講習があるし、ねーちゃんの男は足がデカイ…。 表題作「ベイビーブルー」の他に、不登校の江口と実の友情物語・「10年も20年も」も収録。
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Posted by ブクログ
中篇2作が収録。って感じですかね。
表題作の「ベイビーブルー」より、もう一篇のほうの作品「10年も20年も」が、途轍もなく好きです。たぶん、いくえみ綾の作品の中で、一番好きだと思う。めちゃ正直に本音を言うと、そらもうこれより後の作品の方が、絵がどんどんと上手くなっていっていると思うので、この時点では「うーん、いくえみ綾、この時、まだ、あんま、絵、上手くないよなあ」とか、死ぬほど生意気な事を思ってマジごめん、って感じですが、
まあ、とにかく。「10年も20年も」は、本当に本当に本当に好き。もう100回以上読み返してると思うのですが、どれだけ読み返しても、全然飽きません。
圧倒的に瑞々しい。といいましょうか。なんというか、全然、少女マンガ、って感じはしない?気がしないでもないですが、まあ、抜群に青春ド真ん中、だと思うのです。「あの感じ」というものを、どうしてもう、これほどに見事に漫画化できたのか?物語化できたのか?本当に凄い。
なんといいますか、もう、芸術。としか、言いようが、ない。あまりにも名作過ぎて、おいちゃん、もう、泣いちゃうよう。って感じですね。
江口暁洋が、年齢誤魔化してラブホテルで清掃のバイトしてた時に、自分の実の母親が、知らない男とホテルに来ているのを知ったときの、江口のあの絶望感。
小梨実が、水泳部の練習の時、泳いでいるとき、カツ丼に向かって泳ぐ、って思うあの気持ち。
あともう、その他モロモロ、この作品を形作っているエピソードのほぼ全てが、あまりにも美しいんだよなあ。もうね、どうしようもなく好きです。
自分の人生を生きてて、この作品に出会うことが出来たっていうのは、まじラッキーでしたね。知らないまま死んでたかもしれないんだもん。それを考えると、いやもうラッキーって、どこに転がってるか、わかんねえもんですね。