あらすじ
なんで、そんなに楽しそうなんですか?
稲葉剛さんが代表理事をつとめるつくろい東京ファンド。家を失った人に一時的な住まいを提供し、生活を立て直す「ハウジングファースト」に基づく支援を東京・中野区で実践している。本書は、「無関心・無知」であった筆者が、その活動に伴走した2年半の記録である。
「私はつくろい東京ファンドの活動から、人と人とが関わり合いながら生きるとはどういうことかを教えてもらった。背負っている事情や立場の違いがあっても、お互いに影響を与え合い、ともに生きるにはどうすれば良いのかを」
===
【目次】
はじめに
第1章 福祉は「貧困ビジネス」に抗えるのか?
「例外」の支援/貧困は見えにくくなった/新型コロナ災害緊急アクション/不安定の安定/せかいビバーク/受け皿は貧困ビジネス/支援者になるまで/消費社会の影響/悪用ではなく、アラート/支援というもの
応援団① 大角さん(株式会社ネクスト総合企画管理代表)
第2章 ふつうの支援者、大いに悩む
仮放免の実態/一番の動機は生活費/きっかけはアミーゴス/在留資格がないと、人間扱いすらされない/「不法滞在」は悪なのか/困っているから助ける/「行動を起こした人」を増やす/ふつうのこと
応援団② 岩波孝穂さん(ゆうりんクリニック院長)
第3章 当事者とともに、「曲がりくねった道」を行く
通院同行の理由/曲がりくねった道/当事者の側に立つ/山谷で教わったこと/介護の資格/強烈な説得力/野放図な場所/依存症のある利用者/入り口となる場所へ
応援団③ 吉水岳彦さん(浄土宗光照院住職)
第4章 アンフェアなこの世界で、私たちはどう生きるか
ライター業のはじまり/『桐生市事件』を書いた理由/フェアであること/日本での生きづらさ/年越し派遣村/ひとまず形から/得難い瞬間/相手を知ることから/少しでもマシになりたい
第5章 「人が人を排除する社会」に抗い続ける
定例ミーティングの様子/子ども時代/活動家の原点/お鉢が回ってきた/新宿ダンボール村の解散/自立生活サポートセンター・もやい/制度の外側へ/ハウジングファーストの実践/活動家集団
後日談
あとがき
ブックガイド
参考文献
===
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「つくろい東京ファンド」っていう団体で働く5人の人のお話。
すっごい大変そうで、とても私にはできそうもない、偉大なことをしてる人たちだというのが、率直な感想。
ITを活用して、生活困窮者を支援する佐々木大志郎さんの話
「泊まるところがない お金ない 東京」
みたいな検索をすると、
佐々木さんの「せかいビバーク」が出てきた。
こうやって生活困窮者からのSOSを受けていく。
でも、貧困ビジネス(助けるふりをして、劣悪な環境に押し込め、生活保護を申請させて、家賃とかの名目でほとんどをピンハネするらしい)も、めっちゃSEO対策してるってこの本に書いてあった。
どっちにたどり着くかが勝負なんだね。
「チャットGPTには傾聴の可能性を感じている」
って佐々木さんは考えてたらしい。
それは私も完全に同意。
それをチャットGPTに話してみたら、
AIは傾聴は得意だけど、弱点もある。
* ご飯を持っていけない
* 住む場所を用意できない
* 役所に同行できない
* 生活保護を申請できない
って言ってた。その通りだ…(^^;
仮放免の人たちを支援する
大澤優真さんの話。
ー僕には崇高な理念とかがないから、左翼的な言葉を聞くと、ちょっと引いちゃって。「越冬闘争」と言われて、いや、戦いたくないなとか。「新自由主義批判」がバンバン飛び交うのを聞いて、何か怖いなとか。ー
激しく同意。大切なのも必死なのも分かるけど、すごく攻撃的に聞こえて、怖くなっちゃう。
仮放免の話は私も全然知らなかった。
外国人にお金使いすぎてる!って主張をしてる政党とかあるけど、
逆じゃね?
と思ってしまう…
生活困難な人の話をひたすら聞いて寄り添っていく村田結さんの話は、一番好きだった。
相手がどんなにとんでもない人であっても敬意を持って接する、っていう姿がすごいと思った。
ー支援を必要とする方の中には、公的制度につないで施設からアパートに転宅し、仕事をみつけて…という一般的なルートに乗れない方もいます。そういう方たちを受け入れてきたー
なんかこれっぽい話は聞いたことあるな。
ホームレス状態の人は、国や市町村が、ちゃんと屋根のある家を用意してるのに、そこに入るのを拒否してる、だから、自分で好きで路上にいるんだって。
でもこの本によると最初は「施設」らしくって、そこに馴染めずに路上に戻っちゃう人もいるみたい。
用意してるのに来ない人の自己責任
と切り捨てるのもちょっと違ったのかもしれない。
ー当事者の考えが社会のルールに合わないとき、村田さんは「一般的にはこうですよ」と諭すことをしない。ー
ーどんな行動にも、ご本人なりの理由があるんですよね。それを他人が見て「一般的じゃないから、おかしい」と言ってしまうのは悲しいことです。ー
村田結さんは音楽活動もしてるそうで、ちょっとググったら、同姓同名の人も何人かいたけど、Xで発見できました。
村田さんが介護の仕事をしながら、目の前の人は話を聞いて欲しいのに効率を重視しなきゃいけないのが嫌だったって話。
それこそ普通なら
それが仕事だから自分が合わせるべき
って同調圧力もあっただろうに、心の方を曲げなかったのが、私は好きだった。
私も、理不尽だと思うことに対して、自分の心を曲げなくていいかな、って思った。
その後の小林さんと稲葉さんの話は。もちろん大切な活動だとは思うけど、
大澤さんの言葉を借りると、
私には崇高な理念とかがないから、いや、戦いたくないなとか。何か怖いなとか。
な感じ…(^^;
それにしてもさ、226ページに
稲葉さんいわく、世の中には「ホームレスという人間」がいるのではなく、「ホームレス状態の人」がいる。その際、「どういう人がホームレス状態に陥りやすいかは、時代によって大きく変わる」
ということなんだけど、本をぱらぱら見返してみたら、ちゃんと「ホームレス状態」って書いてあったわ!
全然気づいてなくて読み流してた。
人間、気をつけてないことには気づかないんだな。
読書が、こうやって気づくことを増やして、世界をほんの少し広げてくれる。
「状態」の2文字分ぐらいちょっとずつ。
蛇足ですが…
生活保護の申請の水際対策がこんなに恐ろしいなら、
メンタル豆腐な私には、絶対申請できないな…
って Gemini に言ったら、
今の時代、困ったときは1人で役所の窓口に行っちゃダメっていうのが鉄則なんだよね。
だそうで、この本に載ってるようなプロの団体に助けを求めるのが良いらしい。
それもなぁ…何やってんだ、日本…