あらすじ
ボールが動けば世界が動く――。
今やサッカーは、ピッチの上だけで語れるスポーツではなくなった。
日本代表の快進撃、W杯招致の舞台裏、スター選手の移籍、FIFAの腐敗と癒着、オイルマネーによるイメージ・ロンダリング──そのすべての背景には、国家の思惑や経済、移民、人材育成といった“見えない力”が働いている。
本書は、サッカーを動かす巨大な潮流を「地政学」という切り口で読み解く試みだ。
・なぜ日本が急激に強くなったのか、
・なぜ特定の国でスターが生まれるのか、
・なぜW杯は政治を揺らすのか、
ボールが動くたび、ゴールが揺れるたび、同時に世界も動いている。その仕組みがわかると、試合はもっと面白く、ニュースはより立体的に見えてくる。
サッカーファンにも、世界を知りたい人にも贈る一冊。
【1章】日本代表と地政学
【2章】W杯と地政学
【3章】ナショナルチームと地政学
【4章】スター選手・英雄と地政学
【5章】サッカーマネーと地政学
【著者プロフィール】
木崎伸也 (きざき・しんや)
1975年生まれ、東京都出身。中央大学大学院理工学研究科物理学専攻修士課程修了。
2002年日韓W杯後にスポーツ紙の通信員としてオランダへ移住。2003年から拠点をドイツに移し、日本代表FWの高原直泰の担当としてブンデスリーガを取材。2006年ドイツW杯では、現地在住のスポーツライターとして記事を配信した。2009年2月に本帰国し、現在は『Number』『BRODY』『footballista』などに寄稿している。
著書に、『2010年南アフリカW杯が危ない!』(角川SSC新書)、『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『直撃 本田圭佑』(文藝春秋)、共著に『勝利へ』(光文社文庫)、『蹴球学 名将だけが実践している8つの真理』(KADOKAWA)がある。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
地政学がサッカーに与えてきた影響を切り口に、現代起きている現象を読み解く一冊。めっちゃ面白いし、ワールドカップを観戦するのに解像度が一つ上がる。
第一章では、なぜ日本代表が強くなったのかについて、Jリーグ創設前から現代までを語る。フットボールの中心の欧州から10000km以上離れているというハンデをどう乗り越えたのか。2002年のW杯招致の裏側、2014年ブラジルで惨敗した理由、2018年ハリルを切らざるを得なかったことなど、日本サッカーの物語を楽しく読んだ。そして現在、森保ジャパンは世界で唯一のボトムアップ型の監督。そこに行き着いた理由は日本でしか起こり得ない現象なのかもしれない。
3章『ナショナルチームと地政学』では、スペイン、フランス、ドイツ、オランダ、ベルギー、モロッコの趨勢を地政学の観点から。スペインのマドリードとカタルーニャの対立、ベルギーの南北問題など、やっぱり壁を乗り越えた先に強くなってきているのがわかる。移民と植民地の歴史と、アフリカの身体能力とヨーロッパの規律が融合していく様子が印象的。
5章『サッカーマネーと地政学』が特にブラックで面白かった。選手やクラブの裏側のオーナーや代理人の法律スレスレのビジネスは、これからも問題になり続けるだろう。ここが一番、世に出にくい話だろう。巨額が動くピンハネビジネスは聞いているだけでワクワクする。