あらすじ
◆音楽稼業20種25人のインタビュー集
音楽教師、PA、舞台監督、イベンター、リペアマン、レーベル、ディストリビューター、音楽ライター、ミュージシャン、DJなどなど、あらゆる「音楽の仕事」に従事する人たちに対して、その仕事や生活について根掘り葉掘り聞き込んだノンフィクションです。
一日の大部分を占める、つまり人生そのものといっても過言ではない「仕事」というトピックを通して市井の人々の人生観を垣間見る、という意味では、本書は単純に業務内容を紹介した本では終わりません。本書を読むことは、清も濁も幸も不幸もすべて飲み込ん だ、つまり社会そのものを覗き見る体験となることをお約束します。 とはいえ、音楽業界への就職や転職のためのハウツーとしても、ちまたにあふれる「実用書」「ガイドブック」よりも、図らずも役に立つ内容になっています。
◆第一章 業界のはずれで働く。
スタジオミュージシャン●高木壮太/エンジニア●中村宗一郎/レコードショップ●岩島代介/DJ●クボタタケシ
◆第二章 我々はサービス業である。
音楽教師●尾 久美子/音楽ライター●妹沢奈美
◆第三章 自分でやってみた。
ミュージシャン●曽我部恵一/マネジメント●豊岡歩/ミュージシャン●江森丈晃/レーベル●松谷健
◆第四章 金は稼ぐさ、仕事だもの。
マネジメント●工藤卓巳(仮名)/オンライン中古CDショップ●村上拓也(仮名)
◆第五章 ときには闘うのだ。
編集●松村正人/レーベル●永田一直
◆第六章 先の先を読む。
ディストリビューター●神保和哉/アグリゲーター●皆川直也/レコードメーカー●細田日出夫
◆第七章 食い扶持にするのか。
個人出版●福田教雄/制作●又場聡
◆第八章 世に広める
プロモーター(宣伝)●佐藤香織/プロモーター(招聘)●田村直子
◆第九章 たたき上げ
リペアマン●鈴木武雄/PA●三浦正仁/舞台監督●牛山上
◆番外編 『ローライフ』のつくり方 イベンター●浜田淳
この本には、いわれのない罵詈雑言もあれば、仕事に対する真摯な想いもあります。物事を裏側から見てしまう人もいれば、妙に前向きな思考で日常をすごしている人もいます。付き合いやすい人もいれば、そうでない人もいるかもしれません。つまり、正義も不正義も、条理も不条理も、生理的思考も論理的思考もすべてそのままに記録してあります。
そしてこれはなにかに似ています。そうです、これはぼくたちが暮らす日常そのものではないでしょうか。(省略)
(本書「おわりに」より)
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Posted by ブクログ
音楽を仕事にする人々への取材録、500P超。
別にP数が多いからといって小難しいわけでもなく、
どっかの雑誌の20000字インタビュー!みたいなインテリ臭もない。
取材先は音楽教師であり、エンジニアであり、プロモーターであり、
ミュージシャンやDJも含んで計25名。
「夢をつかもう!」とか「憧れの◯◯になるには!?」
そんな、夢を無理矢理売るための言葉はそこにはなく、
それぞれの距離感で、仕事としての音楽と付き合う姿が描かれている。
で、圧倒的にリアルなんすわ。
飲み屋で話を聞いているレベルにリアル。
しかも多分意識してrawな感じに編集されているので、
一定の価値観に誘導されない感じも心地良かった。
(もちろん著者の価値観は見えるけれど)
読んでるうちに、自分の好きなものとの付き合い方を
自分なりに考えるヒントをもらったように思います。
ちなみに著者の浜田さんは、2004年から2006年まで
「RAWLIFE」を主催していた方。
当時遊びに行くことはできなかったけれど、
きっと素敵で最悪でリアルなイベントだったんだろうなぁ。
Posted by ブクログ
質感が物語る
音楽に関わる職業の人たちがどう生きてるか
他の本ではなかなかスポットが当たらない人たちも含まれてると思う
そんなアングラな雰囲気が質感・装丁からビンビン発してる
Posted by ブクログ
「ジョニー・B・グッジョブ/浜田敦」
本書では、高校の音楽の先生・クラフトマン・PA・スタジオミュージシャン・ミュージシャンetc…20種類にわたる「音楽の仕事」に携わる人が紹介されている。良くも悪くも音楽の仕事についている人の生の声が聞ける。
スタジオミュージシャン/高木壮太
エンジニア/中村宗一郎
DJ/クボタタケシ
音楽ライター/姉沢奈美
ミュージシャン/曽我部恵一
レーベル/永田一直
この人たちのインタビューは面白かった。この本を読んで、音楽の仕事をしている人の話を聞いて、音楽だけをやってお金を稼げるわけだから文句も出ないはずだし、それだけでも人生成功じゃないかとも思った。