【感想・ネタバレ】燃ゆるときのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年02月26日

高杉良さんが書いた、企業実名モデル 小説。

インスタント食品で名高い東洋水産を取り上げ、森社長がどのように会社を立ち上げ、苦労し、育て上げたかを詳細に記した、社史とでも言うべき一冊。

お金のやりくり、親会社との駆け引き、競合他社との熾烈な裁判。一世紀近く前のことにはなるが、リアルな会話と共に著者...続きを読むが現代に甦らせている。

東洋水産といえば、インスタントラーメン、マルちゃんの愛称でおなじみだが、なぜ「水産」の文字が入ってるのか、いまいち分からなかった。しかしこの本を読んで、合点がいった。東洋水産にとって、水産は「祖業」。外せないわけですね。

これも、時間を忘れて、読みふけった。

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Posted by ブクログ 2023年03月05日

困難を社員一丸となって乗り越える物語。会社サイトを見ると、まだ活躍されている方もいて親近感が湧いた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年01月31日

経済小説、ビジネス小説なんてほとんど読んだことがなかったのですが、こんなに面白いとは。
「マルちゃん」で知られる東洋水産の創業者森和夫の生き様がかっこいいのです。

北海道ではインスタントラーメンといえば「サッポロ一番」より「マルちゃん」です。(個人の感想です)
カップ焼きそばといえばマルちゃんの「...続きを読む焼きそば弁当」。
うちの子たちは魚肉ソーセージもマルちゃんのが一番美味しいと言います。
そのくらい身近。
物心ついた時から、当たり前のようにあったので、まさかこんなに苦難続きの企業だったとは思いませんでした。

戦後4人で起業した零細企業ですから、大企業や商社から無理無体を押し付けられ、会社が大きくなったら今度は、つぶれそうな会社の再建を頼まれては引き受けています。
経営者ですからもちろん論理的ではあるのですが、行動の根本には「義」があります。
だから人がついてくるのだろうなあと思いました。

まあ、小説なので、すべてが事実ではないのかもしれません。
一番びっくりしたのは日清食品の(作中では日華食品)の安藤百福(作中では安東福一)の姿です。
これまで私が見知ってきた安藤百福という人は、おなかをすかせた人がなくなるようにとチキンラーメンの特許をとらず、戦後の日本の食品業界をけん引した人、でした。
が、この作品を読むと、チキンラーメンは彼の発明ではなく、実際に発明した人から特許権を買い取ったらしい。
そればかりか、社員は使い捨て、権力者にはすり寄り、弱者を恫喝し、マスコミを使ったイメージ戦略に長け、えげつないほど金に汚い人物。

さすがにそれはないだろうと、読書の途中でちょっと中断し安藤百福氏を調べてみたら、結構黒い噂はあるみたい。
日清食品自体が、業界ではあまり評判が良くない。
だからドラマも小説も、フィクションであることを念頭に、あんまり信じすぎてはいけないなと思った次第。

でも道民だからマルちゃんが好きなのよ。
これからも食べると思うわ。

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Posted by ブクログ 2022年06月27日

経済小説家の高杉良による実名小説。マルちゃんラーメンで有名な東洋水産の創設・拡大、アメリカ市場進出やそれに関わる日清食品との特許紛争などを通して、創設者である森和夫のフィロソフィーを描いている。経営判断、采配、人づきあいなどにおいて、仁義や筋を通すことを大切にして仕事に命をかけている姿や、人の良さが...続きを読む逆に仇となったような事例を見て、森の人となりを知ることができるほか、一人の職業人としてもまたこんな生き方をしたいと思わせてくれる。

なお同じ著者による実名小説で公認会計士事務所TKC創設者の飯塚毅を描く「不撓不屈」と比較して、本書の話の筋はよく似ている。両者とも、裕福ではない出身から努力して会社を興し、仁義や努力や熱意を大切にして会社を軌道に乗せていくが、当局や競合の巨大会社などの既得権益を持つ強大な敵から言われなき咎めを受け、苦しみながらも、諦めず、一所懸命に立ち続け勝利する、というストーリーである。

高杉小説の魅力は仕事に命をかける人の生き様だと思うが、同時に仕事に命をかけることが非常に難しいしそれだけが価値ではないということも思わされる。命をかけられるだけの仕事をしてきた覚悟の強さや、そういう仕事を作ったり見つけてきた人としての強さなどは魅力的だが、これを読んで「じゃあ私も命をかけよう」とすぐに思えるものがあるわけではない、覚悟をできない、というのが感想である。また、同様のテーマに触れていた小説として、城山三郎の「官僚たちの夏」があるが、熱血官僚が前時代的になり、ワークライフバランスをとりなが、仕事に命はかけないクールな若者たちが台頭してゆく姿が描かれていたように、仕事以外の部分にも楽しみを持つ生き方にむしろ共感する面もあるのもまた素直な感想である。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年01月22日

今日から、緑のきつねを買います。

読んでてあまりにも面白く、気持ちが高ぶったので
本を読まずに、ネットで事実関係を調べてしまいました。

でも、結果を知って読んでも、それでも尚読み応えのある作品でした。

もっと頑張らなくちゃ。

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Posted by ブクログ 2013年12月07日

読んで気持ちが熱くなった。
努力したり、がむしゃらにやったり、する事は無駄では無いんだなと。改めて思う。成功する人は、意思の力と体力が凄まじい。
自分も情熱的にビジネスに取り組みたいと思わせてくれる一冊。

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Posted by ブクログ 2010年08月02日

これを読んでしばらくはどん兵衛を食べなかったなあ。。熱くこころ優しい社長の物語。
最近読んだ「できる会社の社是・社訓」にどん兵衛の会社が出てたけど、安藤さんは安藤さんで大変に苦労をされてるんだなと思い、一方的な評価はダメだなと反省。
「一方を聞いて沙汰するな」(篤姫)ですね。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

築地市場の6坪のオフィス?から、一代にして大会社に育て上げた東洋水産の社長の物語です。どんな苦難にも負けず、お客様のため、従業員のため頑張りぬく彼の鉄の意志に感動します。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年03月29日

「燃ゆるとき」
高杉良作
2005年
角川書店
(初出版は1990年、実業之日本社)

「まんぷく」がヒットする中、インスタントラーメンはモデルの安藤百福が考えたのではない、という噂がネット上を飛び交うようになっているけど(そのことも書いてある)、ここで、実名企業小説でおなじみの高杉良の古い小説を読...続きを読むんでみた。日清食品を痛烈に批判したとされる「燃ゆるとき」。マルちゃんの東洋水産の創業から成功までの話だけど、実名は東洋水産や政治家の名前だけで、あとは誰でもわかるような仮名。例えば、日華食品の安東福一、村野証券と言った具合。しかし、最後の解説で中沢孝夫兵庫県立大学教授(当時)が、実名と照らし合わせて解説し、東洋水産が一時子会社となっていた三井物産と日清食品を辛辣に批判している。実名小説だし、書いてあることは基本的に全部事実だと思っていいかも。

以下、メモ

第一物産(現在の三井物産)。この商社の汚さには反吐が出るが、詳しくは本書を読んでもらう以外にない。起業家の苦労を知らないサラリーマン根性の悪さ丸出しである。さんざん東洋水産に儲けさせてもらいながら、下請け扱いどころか、泥棒のような社員を「経営監督者」に押し込んだり、巨額な負債を隠して、ゴミ会社と合併させたり、トンあたり六万円から七万円が普通の建設コストの冷蔵庫を十二万円でつくらせたり、不良品の冷蔵設備を買わせたりと、とにかくめちゃくちゃなのである。<中沢氏解説より>

東洋水産がアメリカ進出をした。その時、N新聞(日経新聞)が「日華食品(日清食品)が米国で特許を確立し、輸入差し止め権も。東洋水産など大打撃」と昭和51年6月に報じた件に関して・・
N新聞は裏付けもなく書き、日華食品のお先棒をかついだ。事実関係は本書の中にあるとおりで、日華食品が特許を取得した事実はなく、全ての行動が東洋水産への妨害活動でしかなかった。裁判で危うくなったら、今度は和解工作に来た。相手側に森和夫(東洋水産創業者)はこういう。「安東社長は臆面がなさ過ぎます。わたしは恥を知らない人間だけにはなりたくないと思っています」。こんなことまで森にいわれる相手側(日華)の担当者もたまったものではないが、まったくの嘘をリークするばかりか、嘘の広告まで新聞に掲載したのだから、安東福一(安藤百福)の神経の凄まじさに驚くのである。<中沢氏解説より>

インスタントラーメンを発明したのは自分だと吹聴していますが、事実に反します。鶏糸麺としてはじめに発明したのは陳という人で、安東さんはそれを盗んだんですよ。お話にならないくらいえげつない人なんです。(本文292P)

フクイチアントウさんは一九五五年ごろ、大阪の信用組合の理事長をしていたのですが、信用組合の資金を小豆の買い占めに注ぎ込んで、背任罪で起訴されたのです。執行猶予になりましたが、犯歴であることには変わりません。(本文301P)←ドラマでは2度逮捕されているが、いずれも冤罪扱い。それとは別の話もあったのか?

アメリカでの特許侵害訴訟で嘘がばれてきて、負けが濃厚になった日華食品は、和解案を提示してきた。そこで、米国進出している先輩企業に挨拶料を払えと1億円を要求。東洋水産の森社長は、マフィアかヤクザでもあるまいし、と怒る。

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Posted by ブクログ 2016年03月31日

東洋水産創業社長を主人公にした小説。

骨の髄から来る誠実さと、何があっても諦めない不屈の精神があれば、こんな人間になれるのかと感動した。

明日からまた心を磨こうと思わせてくれる。

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Posted by ブクログ 2016年02月29日

東洋水産が好きになりました。会社の理念は創業者に宿りますね。
さっそく赤いキツネと緑のたぬき買いました。
実名では無い日清と物産が悪の権化みたいに書かれてますが、これはほんとかなぁ。
東洋水産の、商品がなぜ売れたか?すなわち、どのようにして商品開発を行ったのかが描かれてなかったので、それも知りたいな...続きを読む

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Posted by ブクログ 2015年10月09日

マルちゃん正麺でお馴染みの東洋水産創業の物語。
実名小説であるため、物語にはある程度のリアリティがある。創業者森和夫が第一物産、日華食品(日清食品)という大企業からの圧力に真っ向から立ち向かう姿が痛快。創業者の森和夫は第二次大戦を生き延びた人物で、長いものに巻かれない大胆な姿勢は、その経験によるもの...続きを読むだろう。
大企業に立ち向かう若社長という構図はドラマの様だが、それでいて実在の人物や組織をモデルにしているのだからドラマ以上に面白い(どこまで事実かは知らないが)。ビジネスの後ろ側を大胆に描いている。
この森和夫のように常に清くありたいものだ。しかし、自分にはそんな忍耐は無いので生きるうえで大事なことは清濁併せて飲むことだろう。

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Posted by ブクログ 2014年08月30日

 仕事をしていて何となく不完全燃焼になる時がある。仕事が行き詰っている訳でもなく、やるべきことや課題は明確になっている。それでも燃えない。いや、燃えているつもりなんだけれども、まさに不完全燃焼な感じがいなめない。

 そんな時に読んで、気持ちをググッと持ち上げてくれた一冊がある。

■東洋水産社長...続きを読むの熱い想いを感じる一冊

 「マルちゃん」マークでお馴染みの総合食品会社が舞台の物語だが、激動の時代を生き抜いた誠実な創業者の姿が熱く描かれている。

内容(「BOOK」データベースより)
わずか四パーセントの生存率といわれるノモンハンの激戦を生き抜いた森和夫は、「どんな苦労も苦労のうちに入らない」と、築地魚市場の片隅に従業員四人で起業した。商社の横暴、ライバル企業との特許抗争、米国進出の苦難を乗り越え、東洋水産は、「マルちゃん」のブランドと「赤いきつね」のCMで知られる大企業へと育つ。「運命共同体」を経営理念に、創業以来社員と共に歩んだ経営者の情熱と成功を実名で描く、経済小説の傑作。

 会社名や商品名だけではなく、創業者であり長く社長を務められた森和夫氏も実名で書かれている。それだけに、読んでいて胸に迫ってくるものは大きい。

 小説だから多少は脚色が施されているかとは思うが、事実を踏まえた小説は訴えかけてくるものが大きい。創業時は私が生まれる前のことだが、まるで自分がその時代にいたような錯覚に陥るのは、筆者の文章力の高さゆえんであろう。

 ただし、私が生まれたのは戦後の東京オリンピックが開催される数年前なので、物語に出てくる街の風景や会社の雰囲気などは、幼いころの記憶としてほのかに残っている昭和中期の風景と重なる。それもあって、この小説に感情移入が行いやすいのかもしれない。

 それにしても、戦後の混乱期から一代で優良大企業を興した人物をモデルとして書かれた本書は、読み進めていくうちにひとつの経営哲学のようなものが見えてくる。それは、近年特に推奨されるようになった従業員重視の経営であり、大企業の圧力に屈しない強い経営者の姿でもある。

 得てしてこういった本が世の中に出ると、モデルとなっている方について「本当はこんな立派な人ではなかった」という話が出てくる時がある。それはもしかしたら事実かもしれないが、伝記ではなく小説ならば不要な情報だと思う。他人に対する評価は千差万別であるからだ。

 年齢も違い経歴はさらに自分とは大違いの主人公だが、不完全燃焼気味だった心に新鮮な酸素を送り込んでくれて、完全燃焼に向けての心の中の活力になってくれた。

 この本をこのタイミングで読めて良かったと、心からそう感じた一冊だった。

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Posted by ブクログ 2011年02月11日

東洋水産の立ち上げから、アメリカ進出までの30年間にわたる企業の歴史を読みやすく小説として書かれたもの。

ちょっとした縁があって読んでみようと思い、買ったわけだがなかなか面白い。商社系の資本に入ることの生々しさや競合他社とのウェットな争いなどが見れて、やはり物事きれいごとばかりではないなあと、今の...続きを読む自分の現状を踏まえるとより一層感じられる。
でも、ここで得られる知見はそこではなく、それでもあきらめず「やる気と誠意」で戦い抜いている森社長率いる、東洋水産の力強さであると思う。

うむ、うまくはめられているような気がしないでもないけど、東洋水産のこと少し好きになりました。

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Posted by ブクログ 2010年09月26日

「マルちゃん」でお馴染みの会社の話。森社長の魅力にクラクラ。日清の社長は腹が立つように書かれている。とても面白く、感動的。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

東洋水産が主役の小説。
東洋水産を過去の就活で受けるにあたって買った本。
まあ、日清食品のヤクザさが分かる本。

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Posted by ブクログ 2015年06月10日

東洋水産をモデルにした実名小説。東洋水産がいかにして、今の地位を確立したか、その時々にどのようなドラマがあったかを記録したもの。なかなか面白かったなー。
日清食品の安藤社長の書き用がけっこう辛辣なのが印象に残った。実際のところはどうだったのかな?

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Posted by ブクログ 2013年03月16日

「赤いきつね」でおなじみの東洋水産社長の実録サクセスストーリー。
タイトルどおり、読んでいるこちらが燃えてくる。

築地魚河岸の片隅にある小さな事務所から始まり、東証一部上場企業まで成長していく企業の社長は、魚屋のおやじだった。汗水たらして陣頭指揮をとりさまざまな困難を乗り越えていく様は手に汗握...続きを読むる。

三井物産との経営権争奪バトル、アメリカ子会社の放漫経営、日清食品との訴訟合戦(日清食品がこんなにヤクザな会社だと思わなかった!カップヌードル好きだったのに、なんだかイヤになった)、キャンベルスープとの合弁会社設立……
トラブルばかりのエピソード。それでも、会社とそこに仕える従業員に対して愛情を注ぐ森社長には頭が下がる。

ヴィジョンなんかなくても、とりあえず突っ走ってしまいたくなる衝動にかられた一作。

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Posted by ブクログ 2012年11月24日

初高杉良作品。東洋水産(赤いきつね、緑のたぬき)の社長の伝記。伝記なので話しがタンタンと進むため話の盛り上がりやオチはなし、水産業がなぜカップ麺を作ろうと思い付いたクダリが全くなかったのも消化不良。それでも成功者の話を読むと「ヨシ、頑張ろう!」と思う。どん兵衛より赤いきつねを買おうかな。

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Posted by ブクログ 2012年06月20日

マルちゃんで有名な東洋水産の創業からアメリカ進出頃までの話が
実名で描かれている実名小説です。

まあ、この作者お得意の製作パターンですね。

高度成長期を背景に着実に大きくなっていく企業。
時代だけではなく、創業社長の決意と意思決定で着実に
大きくなった様が描かれています。

確かに時代背景は、拡...続きを読む大均衡ですが、決意が無ければ、
時代に飲み込まれてしまう。

かといってむやみに拡大すれば均衡は保てずに破綻する・・・。
バランス感覚にも優れていた証拠ということでしょうか。

現在の日本経済は果たして縮小均衡状態なのか、単なる縮小だけなのか、
意外に拡大傾向で拡大均衡ではなく、拡大のバランスを崩した状態なのか・・・。

私には判断できません。

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Posted by ブクログ 2011年10月03日

「ザ・エクセレントカンパニー」を読んで、その前編である本書が読みたくなった。内容は、マルチャンブランドの東洋水産を、昭和28年の築地魚市場での創業から一部上場の企業に育てていく、創業社長森和夫の実名小説。 「下町ロケット」が共感を生む時代として、本書も大手商社との闘い、特許闘争など、ワクワクする部分...続きを読むが多い。つねに『ヤル気と誠意』で中小企業魂を忘れずに何事にも立ち向かっていく姿にこちらが大変元気にさせられる本。

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