あらすじ
上へ上へと伸びるより、奥へ奥へと歩みなさい――強運の人・愛される人の共通点とは? 失敗の多い人生こそ、人の言葉も身に沁みる。二千年生き続ける所作・しきたりにこめられた智恵を紹介。
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Posted by ブクログ
チェック項目11箇所。人生に迷ったとき、もうこれ以上歩めないと思ったとき、この本を手にとってもらい、生きるよすがにしていただければと念じています、日本人が目指してきた「即実践」を心がけて書いてみました、心に感ずることがあれば、すぐ実践してください、幸せはあなたの隣にいるのです。機械や装置をスムーズに動かすための余裕を「遊び」といいますが、人間も同じで、遊びがあるから心が豊かになり、人間関係も円滑になります。古代、名を告げるということは、相手に対して身も心も捧げることを意味しました、名前には魂がこめられているので、その名を告げると、告げた人間のものになる、ですから、いにしえの女性たちは夫にしか名前を教えないものでした、ゆえに平安時代の女性たちの本名はわからないことがほとんどです、紫式部や清少納言というのも、実は宮中の女官としての源氏名であり、本名はわかっていません、それほど名前は大事なものだったのです。昔の人は不吉な言葉を用いることさえ嫌って、メデタイ言葉に言い換える「忌み言葉」を使いました、「猿」は「去る」と重なるので「えて」といい、「すり鉢」を「あたり鉢」、ひげを「剃る」のではなく「あたる」というのは、すべて不吉な言葉を避けるためです。もしも最初から神仏の存在が確認できたら、人々は打算をもって参詣するに違いありません、ゆえに人の真心を試すために、わざと神仏は存在がわからないようにされているのです。偶像を作って神の姿を一律にしてしまえば、それぞれの信者が自分なりに心に描いた理想的な神の姿を損なってしまうというのです。コップに水を入れ、満杯になったら、それ以上水を入れることはできません、でも、コップが倒れて水がこぼれると、また新しい水を注ぐことができます、同じように、ためになる話や言葉は、つまずいたときにこそ、心に入ってくる、順風満帆のときは人の話に耳を貸さないのが我々人間です。時間に追われる現代人の生活から考えると、季節によって時刻が変わるのは不便です、しかし、夜明けとともに働き、日が暮れると眠るという生活パターンを送っていた頃は、起きている実働的な時間を六つに分けた方が働きやすかったのです、その頃の日本人にとって、不定時法は実践に即した、合理的な時間の計り方なのです。日本人はもともと農耕民族です、農作業は、皆が歩調を合わせなければうまくいきません、一軒の家が田んぼや畑に草を生やし放題にすると、そこに害虫が発生し、周囲の家にも虫がうつるため、草を刈るならば皆が一斉に刈っておかなければいけません、農業で大事なことは協調性で、抜けがけや手抜きは許されないのです、こうして「みんなで幸せや苦しみを分かち合う」という独特の気風が必然的に生まれました。一方、狩猟民族だった西欧諸国では、狩るものと狩られるものという関係から社会が成り立っています、強い者が勝ち、弱い者が泣くという弱肉強食の文化は、本来、日本にはそぐわないのです。神様にほめられるには、「ほめられる資格」が必要です、それは、失敗を繰り返しても諦めることなく常に前向きで、反省を重ね、たとえわずかずつでも向上しながら只々歩む続けることではないでしょうか。