【感想・ネタバレ】疫病退散たべもの記のレビュー

あらすじ

食に祈りをこめて、病を退散させる。その驚くほど多様な「食」と「病」と「祈り」の世界を追い求めて筆者は全国を旅する。病に翻弄されてきた長い歴史の中で、人々は身近な食べ物を通して、どのように病と向き合ってきたのか。

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Posted by ブクログ

日本各地の様々な祭事・風習・民俗行事にある、
疫病退散や病除けを祈る食についてを詳細に紹介する。
・まえがき
1 コロナ禍とアマビエ和菓子の誕生 2 日本人と疫病
3 花を鎮めて疫病除けを祈る
4 花を鎮めるやすらい祭と無病息災のあぶりもち
5 無病息災の食べるお守り
6 五体をあらわす団子で無病息
7 わかめが万病の薬に 8 漬物が万病の妙薬に
9 しょうがで無病息災・風邪をひかない
10 薬草・朮で無病息災
11 月が欠けるようにぜんそくが消える
12 病気を引き起こす虫とこんにゃく
13 笹酒でがん封じ 14 大根・かぼちゃで中風除け
15 焼きみかんで中風除け16 唐辛子断ちで咳止め祈願
17 眼病平や歯痛封じの祈り
18 夏バテ・暑気あたり除けに 19 いろいろな病除け
・あとがき
・疫病や病の歴史がわかる本3選、参考文献有り。

日本の歴史の変遷には、様々な疫病の流行が登場する。
病気が起こる仕組みが分からなかった時代に、
人々が考えていた数多くの原因があった。
花びらが病を運ぶ。神仏の怒り。君主の不徳や失政。
鬼の仕業。非業な死を遂げた人の祟り。風や体内の虫、
気が枯れる、など。では、その対処は?
薬草、呪術、呪禁師や陰陽師の役割、密教の護摩や加持。
それらが供物などに結び付き、病除けの食が生まれた。
著者は、全国の祭事・風習・民俗行事を訪ね、
疫病退散や病除けの祈りと食を体験し、考察する。
祭事・風習・民俗行事では、鎮花祭、香乃物祭、
をけら詣り、へちま加持、庚申まいり、竹供養と笹酒祭り、
大根焚き、京のお火焚き、こんにゃく閻魔など。
食はふるまいや縁起物も含めた、水と信仰、あぶりもち、
耳うどん、みたらし団子たみそぎ団子などの団子類、
漬け物、今は無きへちま汁、庚申こんにゃく、焼きみかん、
ぶっきり飴、水無月、はなくそあられなど。
唐辛子断ちで咳止め、鯖断ちで虫歯封じもある。
祈りの伝承や継続での疫病退散や病除けがある一方で、
知らず知らずのうちに口にした食の効用が
現存しているというのも、興味深いものでした。
また、著者が実際に参加した祭事・行事の話も楽しい。
コロナ禍でのアマビエ・フィーバーが、現代人の切なる
祈りになったという考察も、面白かったです。

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2025年12月16日

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