【感想・ネタバレ】玩具修理者のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年03月21日

読んでいて頭がごちゃごちゃになる感覚が堪らないし個人的には酔歩する男がドストライク。限られた理解力しか持たないわれわれの脳があまりにも複雑な世界に対面した時に壊れてしまわないために脳自身が設定した安全装置が因果律っていう文章が超好きで、なんて言うか自分が生きてる時間は存在してると考えるのかとかまだま...続きを読むだ人間として未熟な知識しか持ち合わせていなかったり、本当に原因が先で結果が後なのかとかぐるぐる考えた。時間が進んでいるように見えて、自分だけが眠りについたら違う空間や時空にいたらって考えるとものすごく不思議な感覚.読んでてすごく楽しかったし考えさせられたしこういうお話って大好き、だから小林先生の小説他のも読んでみるドキドキさせてください。

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Posted by ブクログ 2024年03月16日

面白い。玩具修理者(短編)と酔歩する男(中編)の二本から構成されている。グロテスクな表現が食欲を失うほどリアル。どちらも最後のページで鳥肌が立つ後味の悪い(褒めている)ラストが待ち受けている。ぜひホラー、ミステリー好きに薦めたい!

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Posted by ブクログ 2024年02月15日

酔歩する男

ホラーSF本の中で一番衝撃を受けた。
時間の概念、タイムトラベルもの
読後、めまいが起こったのは初めて
この体験を是非してほしい

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月14日

結局玩具修理者の素性も発する言葉の意味も何もわからないまま終わるのめちゃくちゃ怖い。クトゥルフ由来との事。
なんとなく、喋り方に葛葉ライドウシリーズのイッポンダタラを想起させる玩具修理者、ちょっと好き。

酔歩する男、タイトルの印象から夢遊病の追体験のような、足元の覚束無い所感のあるお話だろうか、と...続きを読む思いながら読み始めたが全然真逆であった。そして切ない。主人公たちの記憶に何も担保がないが、手児奈の存在だけは確実に漂っている…
結局手児奈って実在したのか?という点で、今となっては確実な事は何もわからなくなってるの恐ろしい。

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Posted by ブクログ 2023年12月29日

最高に面白い
酔歩する男
200Pも無いが、本当に面白い作品 酔っているような感覚に陥る
結局てこなとはなんだったのか?主人公はどうなっているのか そこはモヤモヤしている
ただ主人公の親友 の語り が話の9割を占める 主人公の親友の状態は読めば理解出来る 本当に恐ろしい状態だと思う 初めは羨ましいと...続きを読む思ったが、最後には絶対にこんな状態にはなりたくないと思った
また読み直して、主人公がどういう状態なのかまで理解したい

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月26日

 「玩具修理者」目当てで読んでみたが、読後は「酔歩する男」の方が印象に残った。ただただ「タイムトラベルなんてするもんじゃない。」という気持ちになった。

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Posted by ブクログ 2023年11月19日

狂気とは裏表
本当はどちらが狂っているのか
それともどちらも狂っているのか
ドグラマグラのような世界観

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Posted by ブクログ 2023年06月18日

玩具修理者
始:彼女は昼間いつもサングラスをかけていた。
終:わたしはどうしても姉の左目を見ることができなかった。

酔歩する男

始:誰もが経験することかどうかはわからないが、わたしは絶対にあるはずの場所にどうしても行けないことがよくある。

終:わたしは手児奈。

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Posted by ブクログ 2023年04月11日

玩具修理者はとても面白かった。最後の一文が衝撃です。

酔歩する男は難しい内容ではあったが、真剣に読めば理解出来る範囲の難しさだった為読解することができてよかった。

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Posted by ブクログ 2023年04月03日

「玩具修理者」と「酔歩する男」の2編。
特に「酔歩する男」が気に入りました。
「玩具修理者」は50ページほどの短編です。ホラー小説のおすすめで検索して知った作品でしたけれど、そこまで怖さを感じることはなく良くも悪くも世にも奇妙な物語っぽい内容でした。
2編目の「酔歩する男」はうってかわってSFテイス...続きを読むトの強い作品でした。タイムトラベルホラーってキャッチコピーが似合う感じ。
エントロピーの減少とか量子力学とか波動関数の収束とか難しい単語か連呼されます。なかなかに難しくややこしく想像しにくい作品でしたけれど読後の満足度が非常に高い作品でした。
ノーラン監督の「テネット」という映画でまさにこのエントロピーの減少によって時間の逆行が起こることがテーマになっていたのですが、あんな感じ(厳密には全然違うが)世界観を想像するとある程度分かりやすいかと思います。
「テネット」を観たとき、そのエントロピーを減少させる装置によって物質の時間の逆行が可能になったっていう発想に個人的にかなりの衝撃を受けたのです。2020年の映画ですが、初めて鑑賞した時かなり画期的で斬新なアイデアだと思っていました。
この「酔歩する男」ではそれをさらに上回った展開のタイムトラベルを行うことになります。本当に発想が素晴らしい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月23日


がっつりネタバレ注意。

2023/10/23
1ミリも覚えてなかったので再読。(おれの人生こんなことばっかりや。本自体見つからないから再購入した。前のレビューが2014年なので、俺の記憶は9年以内に消え失せることがわかる)

「玩具修理者」と、「酔歩する男」の二篇を収録。

◆玩具修理者
夕暮れ...続きを読む時、喫茶店で話をする男女。女はサングラスをしている。
男「なぜいつもサングラスなんだ?」女「いつもじゃない。夜はしてない時もある」男「だいたいいつもしてるじゃないか。なぜ夜もしなきゃいかない」女「子どもの頃の事故のせい」男「そんなこと今まで一度も言わなかったじゃないか」……。

女は、子どものころの事故の話を語り始める。
子どもの頃、近くに玩具修理者が住んでいた。石で作った小屋のような家に住んでいて、何歳なのか、男か女か、何人か、分からない。一応日本語は通じるが、時折り変な言葉を叫ぶ。近隣の子どもたちは、玩具が壊れた時、親に怒られないようこっそり玩具修理者のもとへ持って行く。玩具修理者にどこをどう直して欲しいか頼めば直してくれる。その時修理者は、複数の玩具を同時に分解しごちゃ混ぜにしてから組み立て直す。部品は混在してしまうだろうが、不思議なことにすべて元通りに直るのだ。
ある暑い夏の日。女は、10歳にいかないくらい。まだ赤ん坊である弟の道雄をおんぶしてお使いに行くところだった。両親は厳しく、弟の世話をしっかりできなければ厳しい折檻を受けるのだ。歩いていると、前から知り合いの女の子がやってくる。その子は死んだ猫を引きずっている。「どうしたの?」「子猫が動かなくなったから玩具修理者のとこへ持ってくの」
子猫が生き返るなんて思わないが、無視して女は歩き続けた。歩道橋を登るとき、あまりの暑さで朦朧とし、階段を踏み外す。気がつくと、全身から血が流れていた。おんぶしている弟は、息をしていない。女は、急ぐ。
玩具修理者の家へ着いた。ふすまから出てきた玩具修理者に、元の形に、動き、話し、食べ、飲み、汗をかき、泣き、考え、感じるよう治してくれと頼む。玩具修理者はやはり、複数のおもちゃたちを集めて分解を始める。弟も、毛の一本一本まで丁寧に分解されていく。そして再構築。弟は蘇った。
しかししばらくして、弟が成長しないことが発覚する。病院に行っても原因は分からない。姉は、あらためて玩具修理者に修理を依頼した……。

男「そんなもの、嘘だ妄想だ」
女「いいえ、すべて本当のことよ」
男「二度目の修理はどうなったんだ」
女「途中で帰ったから見てないわ」
男「そんなバカな。なぜそんなことをする。やっぱり嘘なんだろう」
女「道雄が泣き出したからよ。カッターナイフで皮膚を切った時に泣き叫んだの。さすがに見てられず帰ったの」
男「……サングラスの話は結局どうなったんだよ、なんの関係もないじゃないか」
女「私、歩道橋から落ちた時に顔の四分の一がなくなったの。だから、わたしも修理してもらっていたのよ。私が気を失っている間に。さあ、見て!私の瞳は強い光を受けると細くなるのよ、猫の目だから」
男「……姉さんはいったい何者なんだ?」
女「道雄こそ何者なの?」

これでおしまい。約40ページの掌編。とてもよくできている。


◆酔歩する男
主人公は血沼壮士(チヌソウジ)というサラリーマン。おそらく40〜50歳。血沼の独白形式の短編。
血沼は、時々、馴染みの店にたどり着けないことがある。いつも行ってるのに、なぜか歩いてみても見つからない。次の日行くと見つかったりする。
ある時、酒場で帰りのタクシーを待っている時、同年代くらいの男が話しかけてくる。「私を覚えていますか?」「いいえ、人違いでは?」「そうですか。私はあなたを覚えていますが、あなたが覚えていないのであれば私たちは無関係でしょう」
血沼は、そんな記憶ひとつもない。しかし小竹田丈夫(シノダタケオ)というこの謎の男は、血沼のことをよく知っている。そして、血沼の知らない2人の過去を語りはじめる。

かつて2人は大学の同窓生で、同じ研究室に所属していたという。ある時シノダは、研究室に新しく来た女性、菟原手児奈(ウナイテコナ)と付き合うことになる。しかし勝手な嫉妬心からテコナに別れを告げる。数ヶ月後?テコナは血沼と付き合う。シノダは、今もテコナを忘れられず、テコナもきっと自分を愛していると信じている。ちょっとボタンの掛け違いをしてしまっただけだと。それを聞いた血沼にとってはたまったものではない。テコナに話したところ、3人で会おうとのこと。そこで誰を選ぶか発表すると。
変な提案だがそれを飲み、待ち合わせ場所に向かう2人。しかし、テコナは電車に轢かれて死んでしまう。ふらふらと吸いこれるように落ちていったという。絶望する2人。
葬儀から一月。廃人のようになったシノダが正気を取り戻し、血沼のもとを訪ねる。シノダ同様、血沼もショックから立ち直っていない。血沼は、テコナが死んだのはお前のせいだとシノダを責め、ひとつの提案をする。「医学部への編入試験を受けろ。俺も受ける」。提案の理由は分からないままに、シノダはつぐないのため、要求を受け入れる。しかし合格したのはシノダだけだった。
血沼は言う。「お前は医学でテコナを救う道を探せ。おれは今の学部で別の道を探す」「血沼、もうテコナは死んでしまった。命を呼び戻すことはできない」「お前が殺しておいて、簡単に諦めるのか。俺は、あの事故の日、テコナの一部を入手した。クローン技術が使えるはずだ」。
血沼の手には、ビニール袋に入った謎の個体/液体があった。シノダは絶句する。「いいかシノダ、俺は俺のやり方を試す。俺が失敗したときに備えてお前は医学を研究しろ」。
三十年後。シノダは医者で、大学教授になった。そこに血沼が現れる。
「研究は進んだか?まだならまぁいい、そんなに簡単ではないからな」。血沼は、30年間同じ思いで狂気の研究を続けていた。
「俺は30年間考え続けた。テコナを助ける道は大きく2つ。ひとつはクローニング技術、もうひとつは時間逆行だ。医学部へ行ったのはお前だから、おれはクローンでなく時間逆行を研究した」。

絶句するシノダ。血沼はまたも狂気の提案をする。「脳の障害で時間感覚が狂ってしまう患者がいる。三半規管が損傷すると平衡感覚が狂うように、特定の脳の部位を破壊すれば、時間感覚が狂う。これを意図的に行い、過去に戻る」。
大学の装置を使い、シノダは血沼の言う通り、血沼の脳をいじる。しかし処置後、血沼に変化はない。血沼は、プログラムのバグだ。バグを直しもう一度やる。次はお前だ、と。
シノダはそれを受け入れる。処置において、すべての色が知覚され、過去の記憶が津波のように押し寄せる。永遠のように長く感じられる処置が終わり、装置からシノダが出てくるが、やはり変化ぎない。時間は通常通りに感じられる。
失意のなか互いに帰宅し、眠る。翌朝起きると、シノダは1ヶ月先の未来で目覚めた。次の日は、また別の過去で目覚めた。どうやら、眠るたびに数ヶ月の間を過去や未来にジャンプし続けてしまっているようだ。ある日目覚めて研究室に赴くと、血沼が同じ状態になっていると言う。ただし、ジャンプするたびに別の世界に飛んでいるようなもので、もう一度どこかで会っても、それは今の俺とは別の意識の俺であり、もう二度と会うことはないかもしれないという。
シノダはその後も何度もジャンプを経験するが、数千回に一度、大跳躍が起きることがわかった。何十年も過去あるいは未来へと飛んでしまうのだ。あるときは小学生、ある時は老人、胎児……。
自殺をしても、また別の時間へ飛ぶだけ。
話を終えたシノダは言う。
「主観的にはもう、何万年も生き続けています。絶望さえも枯れ果てました。いいですか血沼さん。タイムトラベルは能力ではない。能力の欠如です。時間認識、時間制御、その他いろいろな能力を私は失ったのです。あなたはいかがですか?本当に街は昨日のままですか?行きつけの店の場所は変わっていませんか?友達の中に見知らぬ人はいませんか?……」「私とあなたは、あの日病院で脳に処置を行いました。あの処置が原因なのです。テコナは、あれが原因となって生じた存在であり、だからこそ彼女はすべてを知っていた、いまはそう思えるのです」
血沼は、もう普通には戻れなかった。自分に声をかける同僚の顔を見られなかった。相手は私を知っていて、私は相手を知らないかもしれない。

というお話。
タイムトラベルものの宿命だが、後半になるほどなかなかややこしい。原因と結果が入れ替わる。また、最後の最後に、血沼の家にいる妻が、テコナであることが明かされる。そうなるともうわけがわからんが、とにかく圧倒される物語である。


2014.08.04
すげぇ。
玩具修理者は、上質な怪談って感じ。
酔歩する男は、読者の理性とか当たり前に思ってる現実を揺さぶろうとする話。
どんどん読める。どうなるんだ?って強く思うから、ページを進めるのがまったく苦にならない。

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Posted by ブクログ 2024年01月27日

良い狂いっぷり!
正常と狂気の狭間で、何が正しくてなにがおかしいのか、その境目が曖昧に溶け出し、気づくと混乱の渦。
淡々と進む会話が泥沼にはまるかの如く、ずぶずぶ思考力を失わせ、新しい世界線に立たされる気分。

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Posted by ブクログ 2023年11月20日

電車の中で読んで、最後変な声出そうになった。
お見事。
会話で崩れていくのを描写するあたりがとても好み。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月14日

1.玩具修理者
よくある話で普通だった.最後の文まわりが少し腑に落ちないにはなった.
2.酔歩する男
凄い面白いになった.時間に対しての概念を根底から考え直すきっかけにはなった(?).この物語の構造にケチをつけようとしても、結局自分主観の世界で、逆にいうと視点がそれしか無いので、物理法則などは第三者...続きを読む視点から見ると当てにならないのはそれはそうだし、かなりメタだなと思った.(波動関数が発散するという体で押し通すなら意識が過去に戻った時に引き継がれるのは理屈的におかしく無い?にはなった.)最近は量子力学の一部の理論を切り取って(マルチバースなども含む)都合よく脚本を描いたものが映画や小説などでよく見られてうんざりしていたけど、この話なら良いなぁにはなった.(けど彼女の正体などはかなり謎でそれは説明されることを想定してないのではと思った.また暇な時に考察サイトでもみようかな...)(ところで..最近読んだ姑獲鳥の夏でも同じようなことが本質にあったなということを思い出した.)色々書いたけど2話目にこんなに言及しているということは少なからず心には残った素晴らしいものだということ...
日本語が下手すぎて思ってることと全く違う書いてるになってる(やっぱり、意識の繋ぎ直しならやり直し時(つまり波動関数が発散)に記憶が引き継がれてるのはおかしい)

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Posted by ブクログ 2023年10月04日

「玩具修理者」
会話文主体で淡々と物語が進みますが、修理過程の描写など妙なリアリティがあり面白かったです。最後に分かる真実で、初めから読み直したくなります。短いので読みやすかったです

「酔歩する男」
タイムトラベルについての部分が物理学や時間の定義などかなり難解で文系の自分は頭痛を起こしました。考...続きを読むえながら読むほど没入して怖くなります。人は自分を守るために知らない方がいいことにはうまく目を背けているのかもと思いました。

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Posted by ブクログ 2023年09月01日

・小林泰三の魅力を感じるに相応しい2作品の抱合せだった。
・玩具修理者は、グロい表現が日常表現のように違和感なく出てきて、それがまた不気味さを感じる。
・予想の一歩先のオチも面白かったし、これだけの読後感をあの短さで与えられるのはすごい。
・酔歩する男は、とてつもなく巨大なものがゆっくり迫りくるよう...続きを読むな、SFらしい恐怖を感じた。

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Posted by ブクログ 2023年08月28日

小林泰三の真骨頂。
ヤバいホラー。うまく言えないが、行間に静かな狂気と怨念がいる気がする。

玩具修理者、酔歩する男、兆し、人獣細工

これらはホントにヤバい。
ホラーという括りに収まらないなにかがある。
筆力と情景が迫ってくる。
読めばわかるこのヤバさ。
是非。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年07月13日

・玩具修理屋
淡々と話を進めていくから不気味さがあった。
「クリーピーパスタ」にある「おチビちゃん」を思い出した。
最初に修理屋に行くところがグロかった。

・酔歩する男
話の始まりからは想像できなかった展開になって面白かった。
タイムトラベルに対してのイメージが明るいものから暗くなった。

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Posted by ブクログ 2023年05月25日

小林泰三の小説は以前から拝見したく、ウズウズしていたのですが、ズルズルと先延ばしし成人の会を、超えてようやく手に取って読むことができました✌️
本書の「玩具修理者」は、短編の「玩具修理者」と小長編の「酔歩する男」の2部が一冊になったもので彼の嗜好による名状し難き理論に引き込まれてサーっと時間の流れを...続きを読む、まるで「時間を制御する能力」「時間を認識する能力」を奪われてしまったかのように読み進めちゃいました。
↑オノマトペという単語を覚えたので無理やり使ってみました✌️
「玩具修理者」の方はグロ耐性がない私には、目を背けてしまうような内容でしたが、sfの理論展開を横目に非日常の恐怖を並行進行していくシュルレアリスム的な怖さがありました。それまた良しでしたけど。
好みは「酔歩する男」です、圧倒的に。
愛する女を取り戻すために時間の跳躍を試みる二人の男の間に起こるタイムトラベルという話かと思いきや、いやはや複数の平行線を巡る話かと思いきやまたまた、「波動関数を発散」してしまうことによる因果律の乱れ、が私の頭を混乱させ終始???でしたけれども、それによる物語の因果関係を求める脳の機能が??だらけで疲れと気味悪さで悪酔いのような感覚になりました。
コナイテコナ?、なんだこの読み方ってずっと思ってました。

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Posted by ブクログ 2023年05月10日

ホラー小説の中でも特に好きな一冊です。表題作の玩具修理者もそうですが、酔歩する男が最高に面白い。高校生のときに読んで衝撃を受けた本。

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Posted by ブクログ 2023年05月07日

表題の『玩具修理者』はかなり短いけど気色悪くて面白かったけど描写がグロテスクなので人は選びそうな感じ
もうひとつの『酔歩する男』は頭使うけど面白い、しっかり気持ち悪い、行きすぎた愛情は人を狂わせます

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年05月05日

玩具修理者
ネフェルピトーの念の元ネタ。グロ描写も怖いが、ラスト1ページで主人公も修理されていたことが分かりぞっとする。

酔歩する男
ホラーというよりは筒井康隆風のSF。話としては分かるようで煙に巻かれた感じもする。

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Posted by ブクログ 2024年04月21日

表題作はグロテスクで不条理なホラーですが、まだ理解できるという感じ。
二本目の「酔歩する男」は本当にこれは読んでもいい話なのかと不安になるような怖さでした…

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Posted by ブクログ 2024年03月14日

喫茶店での衝撃のやりとり。
壊れたものは決して治らない。

タイムトラベルする話は難しい。
何が正解なのか、頭が混乱する。
もう少し読解力がほしい。

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Posted by ブクログ 2024年01月03日

玩具修理者は面白かった。
最後はマジかあ‥と思った。

酔歩する男は正直よく分からなかった。
途中、教科書かと思うほど頭が痛くなった。
何日もかけてゆっくり読めば理解できる‥かも?

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Posted by ブクログ 2023年09月27日

『玩具修理者』と『酔歩する男』の2編。『玩具修理者』のほうは、何語だかわけのわからない言葉を言う玩具修理者がグロくて怖くて気持ち悪い。そしてテンポよく進む会話は不気味で、最後の1頁、驚きと共にかなり怖い。
『酔歩する男』は、読んでて脳がぐるぐる回る感じ。タイムトラベルにまつわるSFで全部が夢だと思い...続きを読むたいような…。さほど怖いというのはなかったけど、こちらも最後のオチに衝撃受けた。『玩具修理者』のほうが面白かった。こんなに短いストーリーでここまで恐怖なのはさすが。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月29日

表題『玩具修理者』『酔歩する男』ともに
『世にも奇妙な物語』のような
不安な気持ちになる作品だった。

特に『酔歩する男』は
ホラーというよりもSF。
タイムトラベルの独自解釈が
非常に楽しめ、厭な不安感も秀逸。
同著の他作品も読んでみたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月04日

玩具修理者
短い中にちゃんと纏まっていてなおかつ読みやすくちゃんとホラーだった。
グロテスクな生々しい描写、ラストに回収される伏線、子どもの頃の回想らしい歪に気づかない気持ち悪さ、とても良かった。
読みたいホラーはこういうのだよね。こういうのでいいんだよ。って感じ。

酔歩する男
タイトルになってる...続きを読む玩具修理者より長く期待していたけど個人的には少し残念。
というのも中身はとても面白かったけどその実ホラーだと期待していた人はガッカリする内容かもしれない。
これはホラーとSFの割合が1:9くらい。

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Posted by ブクログ 2023年03月17日

玩具修理者の内容はグロいけど、面白かった。特にラストの方はびっくり!!
2作品目は自分には少し難しい内容だった…。
もう一度読み直そうと思った。

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購入済み

酔歩する男だけでも読む価値あり

2022年01月10日

玩具修理者は正直微妙だったがもうひとつの酔歩する男は長編にして出して欲しいくらい面白い。

#ダーク #怖い

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年03月08日

『玩具修理者』は『ΑΩ』の作者である小林泰三の第二回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。『ΑΩ』にでてくるガの封印されてしまった名前となにか関連性がありそうだったので読んでみた。が、とくに直接的な関係は見出せず。はっきりいってグロい系のホラーなのでSFじゃない。ラヴクラフトを直接連想させる不思議な叫び声...続きを読むもあふれているし。「ようぐそうとほうとふ(ヨグ=ソトーフ)」「くとひゅーるひゅー(クトゥルフ)」「ぬわいえいるれいとほうてぃーぷ(ナイアルラトホテップ)」などなど。私もこういうネタがわかってくるようになってしまったのか。

ただのホラーだったらこのブログで紹介しなかったのだが、同じ文庫に収録されていた『酔歩する男』のほうはれっきとしたSFだった。

これはタイムトラベルもの、と分類してしまってよいのだろうか。時間の流れと、意識のあり方に関するアイディアがとても面白かった。

もし酔歩する男を読みたいと思ったならば、これ以上先は読まないでおくことをすすめる。作品から直接このアイディアに触れてみて欲しい。





脳の時間の方向性を感知する部位を故意に破壊した小竹田は、眠るたびに未来か過去かの別の日に意識がタイムスリップする。しかし彼が訪れる未来は、毎回変化していた。未来から再びそれ以前の日に戻ることによって、一度は収束した波動関数が発散し、確定していたはずの出来事が再び確率の状態に戻ってしまうのだ。未来を変えようとどんなに努力しても、その日以前に戻されるとその努力はまったくの無駄となる。自殺することすら出来ずに過去へ未来へ幾度となく飛ばされるのみ・・・。

タイムトラベルというのは能力ではなく、能力の欠如によるものだという逆転の発想に唸らされた。

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