【感想・ネタバレ】移民/難民の法哲学:ナショナリズムに向き合うのレビュー

あらすじ

同じ社会のメンバーとは誰か?

ここにきて移民/難民に関する議論が本格化しつつある。今夏の参院選では移民規制が大きな争点となった。
ところが、日本での従来の議論はグローバル化や経済的要請にもとづくもので、どうしても皮相なものになりがちだ。
政治的・社会的な背景が考慮されないままに話が進んでしまっているのである。これでは、「ポピュリズムの仕掛人」によって足元をすくわれる危険もある。
こうした懸念を払拭すべく、移民論の哲学的・社会科学的な基礎を構築するのが本書である。
他方、本書ではリベラル・ナショナリズムという観点から移民論に迫るのが特長だ。同じ社会のメンバーとは誰のことなのか? ネーションに基づく集団的自律はどこまで擁護できるものか? 社会的包摂の望ましいあり方とはいかなる形か? 徹底的に掘り下げている。
また、国民国家、移動と帰属、ナショナル・アイデンティティなど、社会科学上のキー・タームを用いながら、移民論の交通整理をしている点がこれまでの類書にはない本書の大きな強みになっている。
経済効果と外国人嫌悪で引き裂かれた移民論について、法哲学者がメスを入れることで開かれる議論の地平!

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Posted by ブクログ

自身としてはあらゆる人権は保障されるべきだし排外主義にも抗いたいと思うけれども理想論が過ぎるという自覚もあり、現実的な着地点や理論的支えを得たいと思い手にとった。具体的な移民政策の是非ではなく、それらをめぐる道徳的判断に関してこれだけの議論が既に行なわれていたのだと知った。確かに移動の自由だけに拠って開放国境論を推し進めることは難しいし、受け入れ後に対等な関係が築けることを重視して、そのためには一定の区切りと規制とが必要になるという考え方は、受け入れる側と受け入れられる側とにとり、現時点では現実的で倫理的な向きあい方かもしれないと思う。

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2026年08月27日

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