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Posted by ブクログ
表題作、名前だけは知っていた。この作品ではないが、読むべき本として北杜夫の名前が上がっていたことから、初めて手に取ってみた。
表題作と他四つの短編で構成されている。
最初の、岩尾根にて…は、前半ただひたすら山を登っていく様子が描かれる。そこでちょっとモタモタしてて、なかなか進めてなかったんだけど、後半は1人の男との出会いから、会話が続く。夢幻のようなその出会いは、ふと能の世界にも通じるような気がしてきた。
事物の描写も大したものだけど、こういった会話でも読ませる作家なのだなと思った。
どくとるマンボウ、船乗りクプクプあたりはもしかしたら昔読んだことあるかもしれないが、内容は忘れてしまった。なんとなく明るい感じの作家というイメージが残ってたけど、今の歳になって読むべきものがある気がした。他の作品も手に取ってみたい。
Posted by ブクログ
精神障害者は殺処分すべしという極端な命令。抗う術は治療の希望を示すのみ。荒療治で患者を死なせつつも留まらない医師。彼のやり方を悪と同断するのは難しい。
精神患者に価値なしとの発想は武田泰淳の富士にも
そのほか、どんよりとした空気の短編が幾つか。