あらすじ
このピアノの周りに、いつも笑顔が咲きますように――。ショッピングビル「まーる」の広場に置かれた一台のピアノ。「ご自由にお弾きください」という看板に促されるように、様々な人がそのピアノに触れ、演奏を奏でていく。仕事を辞めて子育てに専念してほしいと夫に言われて悩むパート店員、演奏動画を投稿する高校生とその姿に心ひかれたクラスメイト、亡き妻のために思い出の曲を練習し始めた老人……かかわる人々の人生を少しずつ変えていたそのピアノが、撤去されるという話が出てきて――。
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Posted by ブクログ
ショッピングモール「まーる」におかれたストリートピアノがすべての物語に登場する連作短編集。どのお話も前を向くタイプで、読んでいて心地良いです。一話毎に主人公が変わり、それが立場も年齢も違うので、様々な年代で寄り添える内容です。
ルビがあり、それほど長くない(252ページ)ので、6年くらいから読めますが不倫も詐欺もあるので中学校以上向け。第一章の子育て妻の心境を理解することに忌避感あるとこの本は楽しく読み始められないかもしれません。でも、9割以上の夫婦は第一子の子育てから心がすれ違い始めてると思うんだよね。第三章の高校生のエピソードは全体的に高評価の人が多くなりそう。
プロローグ
第一章「星に願いを」
佳苗の夫の実家は太く、不動産の賃料を入れてくれることになり、佳苗は努力してつかんだ仕事を妊娠をきっかけに辞める流れになった。0歳の育児は大変だし、夫の実家の側に越したのでちょこちょこ両親は来るしそういう気持ちを夫は分かっていない…。そんな時たまたま先輩に会い、ショッピングモールの靴屋で短時間バイトを始めることになった。
第二章「バウムクーヘン」
幼い時からピアノを習い、教室でも弾ける方だった篠原健は男なのにピアノ弾くなんて、という理不尽で過剰なイジメを受けたことがあり人と接するのが苦手で今は卵の検品出荷の会社で働いている。
第三章「アニソンメドレー」
真島は母子&やや貧乏家庭だが、母が学費など調べてくれ「お金持ち」私立高校に通っている。入学して回りの本当に金持ちな雰囲気や才気におののきながらもクラスの一軍グループとつるんでいる。しかし真島は彼らが入学早々バカにした谷がストリートピアノでアニソンメドレーを格好良く弾いている姿を見た。
第四章「愛の夢 第三番」
「まーる」の管理部門で働いている森林はストリートピアノが呼び込んでいる面倒事を無駄な仕事だと思っていたのだが。
第五章「When You Wish Upon a Star」
有田勝の妻は病を得てすぐに亡くなった。その短い間に自分宛に残された生活のためのノート。ピアノが、一見偏屈そうに見えるお爺さんと音楽教師だった妻との過去を紐解きます。
エピローグ
Posted by ブクログ
ショッピングモールに置かれたピアノを取り巻くドラマに温かい気持ちになりました。
最近各地のストリートピアノが存続の問題となっていますが、心の拠り所になっている人もいるので絶対に残すべきだと思います。
Posted by ブクログ
まさにひだまりのような役割をしているストリートピアノ。
悩みを抱えながらふらっとピアノを弾きにきた人、そして聴いた人の気持ちが晴れやかになっていくのがこちらにも伝わってくるようだった。
私の好きなピアノ小曲「バームクーヘン」も登場して、ちょっと嬉しかった。
それと、第五章でグリーフケアの話が出てくるのだけど、細かなことまで勉強して書かれているのが伝わってきて、感心してしまった。
短いプロローグが、第五章〜エピローグへと繋がっていて、読み終えた時にすごく温かな気持ちになれた。
Posted by ブクログ
読み終わる度温かい気持ちになる作品でした!
ショッピングモールのピアノを中心として、色々な立場の人たちが紡ぎ出す物語に、なんか僕も登場人物になって、ショッピングモールに通いながら、ピアノを楽しむ人の気分で読んでいました。各章ごとに考えさせられることも多く、章が終わる事に登場人物達と一緒に優しいため息がつける時間が大好きでした。
同じショッピングモールが舞台なので、各章に章と章の繋がりがあり、そういう伏線も面白かったです!
Posted by ブクログ
ショッピングビル「まーる」の広場に置かれた一台のピアノ。
ご自由にお弾きくださいという看板に促されるように、今日も誰かが音を響かせている。
5つの短編集になっているが、どれも心に染み込んでくる。
最初のシューズショップの店員さんが、聴いていたのは最後の曲に繋がっていたんだという…そう思うと改めて誰かの耳に残る曲というのは、その人の気持ちまで救うこともあるんだと気づかされた。
弾いた人も聴いた人にも、かかわる人々の人生に影響を与えていくピアノの存在価値をとても感じられた。
①「星に願いを」〜シューズショップのパート店員の悩み
②「バウムクーヘン」〜小学時代にピアノを弾くことをからかわれた30歳独身男性
③「アニソンメドレー」〜演奏動画を投稿する男子高校生
④「愛の夢 第三番」〜「まーる」事務員女性の思い
⑤「When You Wish Upon a Star」〜亡き妻のために思い出の曲を練習する老人
Posted by ブクログ
ストリートピアノというと、有名なYouTuberが上手に弾いて注目を集めたり、逆に下手な演奏で苦情のもとになる、そんなイメージ持っています。
この小説の中のストリートピアノはそんなイメージと異なり、生活の延長として、心の潤いとなるもの。ピアノの音にはその人が表れると言いますが、それを受け止め方にもその人の生活や悩みが表れます。
だから、特別に上手い演奏でなくても、聴き手の気持ちに触れ、心を動かします。
この本の中の
その人にとって当たり前にしたことが、誰かにとっての救いになることがあるんだろうね
という言葉がとても好き
この言葉こそがストリートピアノがある意味だと思うから
Posted by ブクログ
読んだら前向きな気持ちが自然と湧き出る1冊。
古びたストリートピアノに込められた温かな気持ちが伝播して、訪れる人々の人生に優しさと前向きな気持ちを届けてくれる優しい物語でした。
毎話ただほっこりするだけでなく、誰もが感じたことのあるような身近な悩みや気持ちに触れながらストーリーが進むので、いろいろ考えるきっかけをもらった。読み終えた時には、主人公たちと一緒にじんわり温かな気持ちに包まれました。
エピローグまで全部読み終えて、もう一度最初から見返すと、最初から繋がった気がして感動が凄かったです…!
各章の中に散りばめられた伏線を見つけるのも面白くて、何度も読み返したくなる素敵な作品でした。
Posted by ブクログ
どの章もとても暖かくなる、そんなお話。
ストリートピアノを通して、それぞれの悩みや想いが、ゆっくり解けて未来へ進むための一歩になって、じんわり心が暖かくなりました。
とても読みやすくて、一日で読み切った私です
(*´◒`*)
ちなみに私は5章のお話が好き
Posted by ブクログ
一話ごとに話としては完結しつつも、短編集全体を通してみると繋がっている箇所があり、ストリート・ピアノとスーパーから世界観が広がっていくのが面白かった。
Posted by ブクログ
第一章、序盤はリアルで良かったけど最後の方に一気に綺麗にまとまりすぎてたところが少し残念。
第三章がいちばん好きだった。
「なんだよ。誰だって特別になりたいだろ。谷だって、特別になりたいからピアノ弾いてるんだろ」
「僕はやりたいからやってるだけだよ」
「あと、いい未来って何?将来の学歴がいいとか収入が多いとか、そんなデータに何の意味があるの?それが真島の思う特別?だとしたら、つまらないね」
特別になることが目的ではなくて、“やりたいからやる,好きだから続ける”そのスタンスで頑張った結果、特別な存在になれている人ってやっぱりかっこいい。
4も良かった。5は微妙
Posted by ブクログ
ストリートピアノにまつわる心温まるドラマの一つ一つが、いろいろな人達も巻き込んでやさしく展開していく。
音楽も、人との関わりも、大切な役割を果たしていますね。