あらすじ
消滅寸前のやくざ。ところが実は暴力団を追い詰めても一般国民の負担が増すばかり。この国の犯罪社会の絶望的現実と一般国民への治安・経済的悪影響を最小限にする展望とは!
・やくざの自活化を妨げる「5年ルール」が新たな地下犯罪を生む
・匿流(トクリュウ)の実像と間違った情報の流布
・暴力団が逃げ込む先は刑務所、そしてその費用を負担するのは一般国民
・やくざへの憧憬、「任侠やくざ」は現実に存在したのか?
「社会にとって、やくざが滅びるのは喜ばしいことには違いない。しかし、今のようなやり方で末端やくざたちを社会的に追い込んでいくやり方は、かえって一般国民の負担になってしまう側面があることを、本書では指摘していきたい」(「はじめに」より)
目次
はじめに 時代から見捨てられたやくざ稼業
第一章 暴力団の衰退
第二章 やくざが消える原因は何なのか
第三章 やくざが忘れた大義
第四章 子分殺しに親分を追い込む大親分
第五章 死に急いだ工藤会
第六章 匿流の優位性
第七章 任侠道は存在したのか
終 章 組を解散する
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Posted by ブクログ
暴力団組織の変遷と仕組み、暴対法による窮状が丁寧に調べられている。警察と暴力団のせめぎ合いは戦後から続くものであることや、任侠物語はあくまでも創作であって現実と物語は区別するべきということがよくわかる。世の治安を守る「必要悪」というのも創作であるケースが多そうだ。
一方で警察の神経症的な暴力団廃絶に向けた動きも怖さを感じる。結局、行き過ぎた取り締まりや制約が経済的困窮や新たな犯罪を生んでおり、社会的な負担を増やす結果となっている。こだわりが強すぎることの弊害の顕れだろう。
そしてさらに怖いのはトクリュウだ。次の警察のターゲットになることは明確だが、実態をつかみにくく犯罪者として捕まるのは闇バイトの連中のみで組織の中枢を捕らえることは現時点では難しいようだ。
暴力団がなくなったところで世の中は狂ってる。
Posted by ブクログ
一般社会からはみ出してヤクザになったのに、そのヤクザ界でも下の人間が上の人間を支える構造になっているのが滑稽(しかもこちらは上のために命を張る覚悟が必要がある)。ヤクザが年々衰退するのは納得だ。
あとヤクザが特殊詐欺をやらないのは単純に下っ端が捕まると上が賠償責任を追うはめになるからという、仁義や道理はまったく関係ない情けない理由。
また、国定忠次など義賊として描かれる歴史上の人物も義賊などではなく、任侠道など存在しないというのも興味深い。
暴力団が存在する一般社会へのメリットがわからない。
Posted by ブクログ
任侠ものや極道ドラマ、漫画の題材にもなりましたが、実際は、警察の力でシノギをなくして経済的にも苦しくなっていく。一時期は、何万人もいた暴力団に変わり、勢力を伸ばしてきた匿名流動型犯罪。堅苦しい上下関係もなく、ヤクザのように顔を売られてもいない。利益のために、人を殺す。
それだけに、ヤクザ以上の怖さを感じたりします。
ドラマの影響か、日本のヤクザは、まだまだ健在かと思いましたが、お金の面でも人の面でも大変な商売だとわかりました。