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中島要さんの「刀圭(とうけい)」(2010.9刊行、2013.4文庫化)を読みました。長崎帰りの若き蘭方医・井坂圭吾23歳を中心に、仁助長屋の人々、大きな薬屋、吉原花魁などの人間模様を描ききった力編、中島要さんの長編デビュー作なんですね。読み応えがあるといいますか、心が大きく揺さぶられました。刀圭とは、薬を盛るために使う匙(さじ)の別名だそうです。いつの世も厄介なのは「貧」という名の病。そんな中、自分のことはいつも後回し、いつも患者のために頑張る圭吾とそれを見守りサポートする人々~。穏やかなラストに大拍手
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いいねぇ。こういうの好き。
江戸の奮戦するお医者さんを描いた逸品。
みをつくしお医者さん版、ってかんじか。
泣かせもタメもいいし、話のテンポもいい。
シリーズ化して欲しいなぁ。
Posted by ブクログ
電車で読むのに最適。でも、夢中になりすぎて降り損ねそうになったので、注意は必要。
余一とお糸の始末屋シリーズでハマり、他の作品もと手にした一冊。
初の長編とは思えないおもしろさだった。
とはいえ、疫病の流行、永代橋の崩落事故、貧しい人々の日々の苦難など、暗い側面もしっかり描かれていて、印影の深い作品だった。
Posted by ブクログ
リアル本屋に行ったら丁度改装中で、文庫本は全部が平積み状態。その中でこの表紙が目に入りました。「初々しい。これがこの本を読んだときの、第一印象だった」そんな解説を読んで買ってみました。中島さんは初読みです。
表題の刀圭は医者や医術を意味する言葉。江戸の長屋で貧しい人を相手に無料に近い医療を続ける若い医者・圭吾を主人公に、青臭い理想論と挫折、そして復活が描かれます。
確かに「初々しい」かな。悪く言えば稚拙さのようなものも感じます。人物の発言や直接的な言葉での心の動きの説明など。しかし、読後感は爽やかでなかなか良いものです。
「爆発的な著者の伸長」と解説にあったので、さらに何冊か読んでみたいと思います。