あらすじ
AIによる論理的解決力が加速する今、人間には「臨床的思考」が必須だ。科学の知が苦手な個別的・多面的な問題に、いかに向き合うか?人文学者、能楽師、俳優、アーティストら多分野の知を融合させた東大CDEの試みを一挙公開
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Posted by ブクログ
多数の講演者の講演と、それをつなぐ感想・解説パート、という構成になっている。講演者が非常に尖った方々で、それぞれのお話がひとつひとつ非常に面白い。
その全体を通して本書が共通テーマとしているのは「臨床思考」「臨床の知」で、この共通テーマによって個々の講演の接続が試みられている。それが成功しているかどうか以前に、そもそもこの「臨床の知」という考え方が必要なのか自分にはよくわからなかった。本書の主張としては、一般化して築かれる「科学の知」ではカバーできない普遍性のない個別の現象についての知を臨床の知と呼んでいる。しかし私が思うに、今考慮に入れていない要因があるから、あるいはランダム性があるから現時点で普遍的な知に組み込むことができないのであって、その個別の現象からも普遍的な知を見出していく、というのが従来科学が目指していたことではないだろうか。私にはそれを諦めているかのように聞こえてしまった。