あらすじ
女子高時代に孤独な桜子に寄り添ってくれた、憧れの先輩で歌舞伎役者の娘・清香。真昼でもなお輝きを失わない流星のようだったその人は、八年後に浅草で偶然再会した時、探偵となっていた。清香は、親に薦められるまま見合い結婚をしようとしていた桜子の鬱屈を見抜き、自分の探偵事務所で働かないかと誘う。探偵助手となった桜子と清香は、依頼人の相談に真摯に対応する。やがて彼女たちは、どこか歌舞伎の演目を連想させる奇妙な謎を通し、自分たちの過去や秘めた想いにも向き合うことになる……。新境地を開いた実力派作家が、人の心の謎解きを描き、女性私立探偵の系譜に新たな風を吹き込む傑作ミステリ。/【目次】第一話 傘の陰/第二話 人形の目/第三話 微笑み一つ/第四話 花の名前/参考文献
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Posted by ブクログ
歌舞伎の演目になぞらえているが歌舞伎を全然知らなくても楽しめた。
桜子が臆病で自分には価値がないと思い諦観の念があったのが、探偵事務所で働くことで気付きを得て変化していく姿が好ましい。
気掛かりなことについて何も聞かずに自分の中で勝手に思い込んでしまうことは自分も良くあるので、自分の望む応えが返ってこなかったとしても直接話をする大切さを教わった。
心の機微が丁寧に描かれていて文体も好みだった。他の作家のことを挙げるのがいいか分からないが、大好きな作家・近藤史恵さんの作品を思わせる。
Posted by ブクログ
桜子は、女子高時代の先輩・加賀美清香に8年ぶりに再会する。
歌舞伎役者のひとり娘の清香は、探偵になっていた。
実家の呉服屋を手伝っていた桜子だったが、先輩の探偵事務所で働くことになる。
歌舞伎に見立てた人の心の謎解きは、新鮮な感覚だったが、歌舞伎に精通していないので面白さは半減したのが残念だった。
探偵事務所に持ち込まれた相談は、誰かに後をつけられている件と単身赴任中の夫が、妻が娘に会わせてくれなくなった件である。
どちらも夫婦、家族といった悩みであったが、しっかりと話をしないと何も解決しないということ。
そして、清香と桜子の家事情も複雑ではあったが、それは本人たちの思い込みだったとわかる。
人の心の奥深さは計り知れない謎でもある。
清香と桜子、2人はこれからも探偵事務所を続けていくのだろうか…。
Posted by ブクログ
清香の人柄、生き方に共感を持ちました。歌舞伎にも興味を持ち、色々と調べたり観てみたおなぁという気になりました。序盤から気になっていたベクトルは最終的に「そっちだったかぁ」という思いが率直な感想です。